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新型フリードとシエンタを徹底比較。買い物もドライブも…子育て家族におすすめのコンパクトミニバン対決

シエンタ×フリード

2022年にフルモデルチェンジを敢行し、現在も好調な販売を続けるトヨタ シエンタを追うホンダ フリードが、2024年6月にフルモデルチェンジを果たし3代目に進化しました。

ここでは新型となって進化したフリードと、ひと足先にモデルチェンジをはたして好調な販売を続けているトヨタ シエンタを比較。

それぞれの違いとおすすめのユーザー層について解説します。

Chapter
評判の良かった先代のスタイルを捨てて生まれ変わった3代目(10系)シエンタ
コンサバなデザインで広く支持を集める新型フリード
おおきな違いは最大乗車定員。フリードの7人乗りはエアーEXだけの設定
ホンダ フリード AIR EX 2024

ラージ、ミドル、コンパクトと3つのクラスにわけることができる国産ミニバン。

それぞれのクラスを販売台数から眺めると、ラージクラスはアルファード/ヴェルファイア、ミドルクラスはノア/ヴォクシーと、いずれもトヨタ車が他を圧倒しています。

そんな状況のなかで気を吐いているのが、コンパクトクラスのホンダ フリードです。

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会が発表した2024年6月の新車販売台数では、トヨタ シエンタの8,987台に対しフリードは7,424台。ですが、今後はこの差が縮まりそう。そんな2台を比較してみましょう。

評判の良かった先代のスタイルを捨てて生まれ変わった3代目(10系)シエンタ

現行型のトヨタ シエンタは、2022年8月に登場した3代目(10系)です。

基本骨格は、コンパクトクラス用のGA-Bプラットフォームに手を入れたものを採用。それに環状骨格構造を採用することにより、結合部の剛性を向上し、上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現しました。

また骨格に採用されている構造用接着剤およびマスチックシーラーの一部を高減衰タイプとすることで、操縦性、乗り心地、静粛性を向上させています。

室内は、7人乗りの3列シート車と、5人乗りの2列シート車の2タイプで、6人乗りは設定がありません。

ボディサイズは、全長4,265mm×全幅1,695mm×全高1,710mm(4WDは1,735mm)の5ナンバー登録です。

トヨタ シエンタ 3代目 10系

パワートレーンは、最高出力88kW(120PS)、最大トルク145Nmを発生する1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン+ダイレクトシフトCVTと、システム出力85kW(116PS)を発生する1.5Lエンジン+モーターのハイブリッド(THSⅡ)の2種類。

駆動方式は、ハイブリッド車にのみE-Fourと呼ばれる電気式4WDが設定されるほかはすべて2WD(FF)で、燃費性能はWLTCモードで、ガソリン車が18.3~18.4km/L、ハイブリッド車は25.3~28.8km/Lとなっています。

全車に標準装備となる先進安全支援システムの「Toyota Safety Sense」は、従来の機能にくわえて、車両、歩行者、自転車に自動二輪車(昼)まで検知範囲を広げたプリクラッシュセーフティと、運転の状況に応じたリスクを先読みして、ドライバーのステアリングやブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシストを採用。

くわえて、縦列駐車や車庫入れ時のアクセル、ブレーキ、ハンドル操作、シフトチェンジの全操作を車両が支援する高度運転支援技術「トヨタチームメイト」アドバンストパークを設定しています。

そのほか、クルマに搭載した通信機によってソフトウェアアップデートや充実したT-Connectサービスなど、“繋がる”機能も充実しています。

2024年5月には一部改良が実施され、10.25インチディスプレイオーディオプラスやパノラミックビューモニター、スマートエントリー&スタートシステムといった機能を標準装備すると同時に、デジタルキーと外部給電アタッチメントを新たにメーカーオプションとして設定しました。

コンサバなデザインで広く支持を集める新型フリード

2024年6月に登場したばかりのホンダフリードは、内外装の異なるエアー(AIR)、クロスター(CROSSTAR)という2つのモデルを設定。

エアーは従来どおり5ナンバー車ですが、ホイールアーチプロテクターを装着したクロスターは全幅が1,720mmの3ナンバー登録になります。

また室内は、2列目にキャプテンシートを備えた6人乗りの3列シート車を基本に、上位グレードに7人乗り、クロスターに5人乗りの2列シート車をそれぞれ設定します。

ボディサイズは、全長4,310mm×全幅1,695mm(クロスターは1,720mm)×全高1,755mmというもので、シエンタとほぼ同じおおきさです。

ホンダ フリード AIR EX 2024
ホンダ フリード e:HEV クロスター 2024

新型フリードのパワートレインは、最高出力87kW(118PS)と最大トルク142Nmを発生する1.5L直列4気筒DOHC  i-VTECエンジンと、最高出力78kW(106PS)と最大トルク127Nmを発生する1.5Lガソリンエンジンに、充電・駆動を行う2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」の2種類。

駆動方式は2WDを基本に、e:HEV車のみ4WDが設定され、燃費性能(WLTCモード)は、ガソリン車が14.4~16.5km/L、ハイブリッド車が21.1~25.6km/Lです。

運転支援システム「Honda SENSING」は、衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめとした15の機能でドライバーをサポート。オプション装備として後退車庫サポート、アダプティブドライビングビームを設定しています。

コネクティビティ機能は、車載通信モジュール「ホンダコネクト」を搭載。オペレーターが対応する「緊急サポートセンター」をはじめ、車内Wi-Fiなど「ホンダトータルケアプレミアム」が提供するサービスを利用可能です。

トヨタ シエンタ 3代目 10系

気になる車両本体価格は、シエンタの199万5200円〜323万4600円に対し、フリードは250万8000円〜343万7500円です。

シエンタは、エントリーグレードとして200万円を切るモデルを用意。いっぽうでフリードは、クロスオーバースタイルになったクロスターを含むため、単純比較すると割高に見えます。

ホンダ フリード AIR EX 2024

ただし売れ筋の標準ボディの上位グレード(2WD/7人乗り)は、シエンタのガソリン車(Z)が268万6600円、フリード(エアーEX)は274万1200円

ハイブリッド車は、シエンタ ハイブリッド(Z)の303万6600円に対し、フリード(e:HEV エアーEX)は309万1000円と、ガソリン車、ハイブリッド車ともに数万円の差しかありません。

ホンダ フリード AIR EX 2024
ホンダ フリード AIR EX 2024

インテリアは、シエンタ、フリードともに撥水機能の付いたシート表皮を採用。

運転席・助手席シートヒーターは、シエンタがオプション設定、フリードは標準装備。フリードのシートヒーターは、オートエアコンと連動して作動します。

またシエンタは空気を循環させる天井サーキュレーターがオプションですが、フリードはリアクーラーを標準装備して室内の快適性を高めています。

スマートフォンや電気機器を充電するのに便利なUSB端子は、シエンタがフロントにType-CとType-Aを各1個、運転席のシートバックにType-Cを2個設置。

フリードは、フロントのセンターパネルのType-C1個に加えて、後席用に運転席・助手席のシートバックにそれぞれType-Cを1個づつ設置しています。

ホンダ フリード AIR EX 2024

エクステリアは、いずれも前後にLEDライトを採用。ホイールは、シエンタがスチールホイール+ホイールキャップなのに対して、フリードはアルミホイールが標準装備。タイヤサイズは両車ともに185/65R15の同じサイズ。

両サイドのスライドドアは、シエンタ、フリードともに電動で開閉するパワースライドドアを採用。クルマの下に足を入れると開閉できるハンズフリー機構は、シエンタが標準装備、フリードはオプション設定です。

運転支援システムは、シエンタが単眼カメラとミリ波レーダーによる「Toyota Safty Sense(トヨタセーフティセンス)」、フリードは広い有効水平画角を持つフロントワイドビューカメラによる「Honda SENSING(ホンダセンシング)」をそれぞれ装備。

くわえてシエンタはパノラミックビューモニターを標準装備します。ちなみにフリードのマルチビューカメラシステムは、ハイブリッドの6人乗りモデルのみのオプション設定となっています。

センターとの通信によってドライブの幅を広げたり、緊急時に役立つコネクテッドサービスは両車ともに対応。

ナビゲーションシステムは、シエンタがコネクティッドナビに対応した10.5インチディスプレイオーディオプラスが標準装備されるのに対し、フリードはオプション設定です。

燃費(WLTCモード)は、シエンタのガソリン車が18.3km/L、フリードは16.4km/L、ハイブリッド車はシエンタが28.2km/Lでフリードは25.4km/Lと、シエンタがリードしています。※いずれも2WD/7人乗りの数値

乗り味としては、シエンタのほうがソフトで、フリードのほうがしっかり感のある印象です。

おおきな違いは最大乗車定員。フリードの7人乗りはエアーEXだけの設定

シエンタ×フリード

いろいろ実力が拮抗している2台ですが、起動方式の設定に違いがあり、シエンタは2WDを中心にハイブリッド車のみ4WDを設定

いっぽうフリードは、ガソリン車、ハイブリッド車ともにすべてのグレードで2WDと4WDを選ぶことができます。

また室内は、すべてのグレードに5人乗りと7人乗りを設定するシエンタに対し、フリードは3列シートの6人乗りを中心に、エアーEXに7人乗り、クロスターに5人乗りを設定。

さらに売れ筋グレードどうしで比較すると、ナビゲーションや両側パワースライドドアのハンズフリー機能を標準装備するシエンタは利便性重視

フリードは運転席・助手席のシートヒーター機能、リアクーラーなどを標準装備して乗員の快適性重視に思えます。

良く似たライバルのシエンタとフリードですが、基本のシート配列や装備、駆動方式などによってキャラクターが異なります。

どちらかと言えば、日常のアシに使いやすいのがシエンタで、日常のアシから休日のアウトドアレジャーまで、マルチに追加やすいのがフリードです。

購入の際にはご自身の使い方に合わせたグレード、シート配列、駆動方式を選ぶと良いでしょう。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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