車椅子のまま乗れる福祉車両6選|車ごとのタイプや選び方、注意点も解説!
この記事では、車椅子のまま乗れるスロープタイプの福祉車両について解説します。中古車で選ぶ場合のポイントについても解説していますので、車椅子のまま乗れる中古車選びの参考にしてみてください。
ミニバンおよび軽自動車のおすすめ福祉車両もそれぞれ3選紹介しています。
- Chapter
- 車椅子のまま乗れる福祉車両には、2タイプがある
- 車椅子のまま乗れる「ミニバンの福祉車両」おすすめ3選
- 車椅子のまま乗れる「軽自動車の福祉車両」おすすめ3選
- 福祉車両の中古車を選ぶ際に、気をつけるべきポイントとは?
- 用途や乗車人数、安全性などを考えて、最適な一台を選ぼう
車椅子のまま乗れる福祉車両には、2タイプがある

自動車メーカー各社は、身体が不自由な方でも簡単に乗降可能な仕様を施した福祉車両をラインナップしています。
車椅子ユーザーが福祉車両を選ぶ場合、「シートへの乗り降りをサポートするタイプ」と「車椅子のまま乗り降りするタイプ」の2種類から選ぶ形となります。
シートの乗り降りをサポートするタイプでは、助手席が回転やリフトアップすることで乗降を助けます。
車椅子のまま乗り降りするタイプは、福祉車両のリアのハッチゲートにスロープやリフトによって車椅子を乗せるようにできるというものです。
この記事では、車椅子のまま乗り降りするタイプの車両について焦点を当てて紹介します。
※シートの乗り降りをサポートするタイプの福祉車両については、以下の関連記事でご紹介しています。
特にミニバンのラインアップが充実
普通乗用車の中でも人気のミニバンですが、福祉車両においてもミニバンはラインナップが充実しています。
現在の各社のラインナップでは、トヨタは「ノア」「ヴォクシー」「シエンタ」の3車種、日産は「セレナ」「NV200バネット」の2車種、ホンダは「ステップワゴン」「フリード+」の2車種があり、好みに合わせて選ぶことが可能です。
背の高い軽自動車でも用意
また、軽自動車の福祉車両もいくつか用意されています。車椅子のまま乗り降りできるのは背が高いタイプ(いわゆる軽スーパーハイトワゴン)で、リアのハッチゲートを持ち上げた時にスロープを出せる仕様になっています。
現在、各社のホームページに掲載されているものでは、日産の「NV100 クリッパー リオ」やホンダの「N-BOX」、さらにダイハツではフレンドシップシリーズの中に「タントスローパー」「アトレースローパー」「ハイゼットスローパー」があります。
スズキの福祉車両である「WITHシリーズ」には、スペーシア車いす移動車やエブリイワゴン車椅子移動車、そしてエブリイ車椅子移動車があります。 スバルには「トランスケアシリーズ」として福祉車両があり、スバルシフォンスロープタイプがあります。
車椅子のまま乗れる「ミニバンの福祉車両」おすすめ3選
スロープで車椅子を乗せられるミニバンには、「セレナ」のような2.0Lクラスのものと、「シエンタ」「フリード+」の1.5Lクラスのものがあります。
以下でこの3車種について解説していきます。
トヨタ・シエンタ

トヨタ・シエンタは、ミニバンとしてはコンパクトなボディーが特徴的です。現在販売されているモデルは2015年に発売となった2代目ですが、先代は2003年に発売となりました。中古車では初代のウェルキャブシリーズも販売されていることがあります。
車椅子の搭載方法でタイプI、タイプII、タイプIIIの3種があり、タイプIとタイプIIIでは車椅子を2列目に搭載可能です。タイプIIは1.5列目に車椅子(主にお子様向け)が乗り入れられるため、運転席から手が届く安心感があります。
ホンダ・フリード+

ホンダ・フリードはホンダから販売されている小ぶりなミニバンで、車椅子仕様車は5名乗りの「フリード+」をベースとしています。
現行モデルは2016年発売の2代目ですが、中古車では先代のホンダ「フリード」をベースとした車椅子をスロープで乗せられるモデルも出ています。
日産・セレナ

現行モデルが2016年発売の5代目となるセレナですが、車椅子をスロープで乗せられる中古車は2000年式の2代目からで、幅広い年式で検討できます。
現行車では車椅子を3列目に乗せる「車いす1名セカンド仕様」と、二列目に乗せる「車いす1名セカンド仕様」、さらに「車いす2名仕様」とバリエーション豊富です。
また「車いす1名送迎仕様」もあり、全部で4タイプという選択肢の多さが魅力。用途に合わせてぴったりの一台が選べます。
車椅子のまま乗れる「軽自動車の福祉車両」おすすめ3選
スロープ付きでリアハッチ部分から車椅子ごと乗り込める軽自動車には、数多くのバリエーションがあります。
ここでは、ホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」と姉妹車のスバル「シフォン」、スズキ「エブリイワゴン」と姉妹車の日産「NV100 クリッパーリオ」について、詳しく解説していきます。
ホンダ・N-BOX

2011年の発売から現行の2代目モデルまで、軽自動車市場のトップを牽引し続けている人気車種がホンダ・N-BOX。福祉車両は先代モデルのウィルシリーズから登場しています。
通常使用時は大人4人が快適に過ごすことができ、リアシートもリクライニングが可能です。車椅子搭載時は倒した後席が床になり、空間を広々と使えるように工夫されています。普段使いから送迎までバッチリ使える一台といえます。
ダイハツ・タント/スバル・シフォン

2003年発売のダイハツ・タントは、現在は2019年発売の4代目モデルが販売中です。2016年にはスバルでも「シフォン」として、OEM供給されるようになりました。
中古車では初代モデルのスロープ付きモデルも見られ、幅広い年式のものがあります。ラインナップはスロープのみでなく、スロープ+助手席ターンシートという仕様を選ぶことも可能です。助手席への乗り降りも考慮されています。
スズキ・エブリイワゴン/日産・NV100クリッパー リオ

1999年発売のスズキ・エブリイワゴンは、現在2015年発売の3代目を販売中。福祉車両は先代モデルから用意されています。
なお、2013年からは日産・NV100クリッパー リオとしてもOEM供給されています。
エブリイワゴン福祉車両のポイントは、車椅子を含めて4名乗車が可能なところです。運転席側リアシートをたたんで車椅子を乗せることで、フロント2名と助手席側リアシート1名、車椅子の合計4名での乗車ができます。
福祉車両の中古車を選ぶ際に、気をつけるべきポイントとは?

福祉車両は、通常仕様のモデルと比べて特殊な装備を備えているため、どうしても価格が高くなりがちです。そのため、予算との兼ね合いで中古車を検討する方も多いでしょう。
ただ、中古車を選ぶときには、新車と違って個々の状態が違うので注意が必要です。走行距離や年式、修復歴の有無などを調べましょう。年式によって安全対策が異なりますので、その点も考慮します。
ここからは、福祉車両を中古車で選ぶ際の注意点を具体的に解説します。
車のシートの方が乗り心地はよい
車椅子を車に乗せるとき、車椅子の固定はベルトで行います。その上で、車椅子で乗車中の方には3点式のシートベルトで固定します。
乗り心地の面ではどうしても車のシートより少し劣りますので、遠距離というよりは近距離移動向きです。遠くまで移動するときは、座席に移動することも視野に入れて車を選ぶようにするといいでしょう。
また、実際に試乗するなど、車椅子のまま乗った時の乗り心地を確認してみましょう。
万一の時の安全性も考慮
福祉車両を中古車で選ぶ際は、専用のシートベルトがあるかなど、万一の安全性を確認することも重要です。
近年では安全性能が充実している車種も増えています。例えば日産・セレナでは、現行車種で「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を装備して高い安全性能を実現しています。
ただ、中古車に必ず装備されているとは限らず、セレナにエマージェンシーブレーキを装備されたのは2015年以降です。購入するときはこれらの安全装備も条件としてチェックするようにしましょう。
用途や乗車人数、安全性などを考えて、最適な一台を選ぼう

車椅子のまま乗れる福祉車両は、軽自動車からミニバンまで様々なバリエーションから選択することが可能です。車椅子を2台まで乗せられるものもあります。福祉車両の専門店もあるので、あらかじめチェックして購入しましょう。
ぜひ、今回ご紹介した中古車での福祉車両の選び方などを参考にして、最適な一台を選んでください。