車の乗り降りを楽に!シートのリフトアップ・回転が可能な福祉車両15選
車いす利用者がクルマのシートに移乗して乗り込むことができる福祉車両には、シートが回転するタイプと、回転と上下ができる2つのタイプがあります。
それらの福祉車両は、車のシートを利用しているので、コンパクトカーでも艤装可能なことがポイント。
そんな福祉車両をスタイル別にわけて、おすすめの15台をピックアップしました。車種ごとの特長を知って自分に合った最適な福祉車両を選びましょう。
- Chapter
- シートが回転・リフトアップする福祉車両中古車が選べる車種とは
- シートが回転・リフトアップする福祉車両5タイプ14選
- 軽自動車から選ぶ
- コンパクトカーから選ぶ
- SUVから選ぶ
- ミニバンから選ぶ
- ハイブリッドカーから選ぶ
- シートが回転・リフトアップする福祉車両中古車を選ぶメリットとは
- シートが回転・リフトアップする福祉車両中古車の選択肢を知って最適な一台を選ぼう
シートが回転・リフトアップする福祉車両中古車が選べる車種とは
立ち上がることはできるけど、自身での移動が難しかったり、立ち上がるにはなにかに捕まらないとできないなど、足腰が弱い方は子供以上にクルマの乗り降りが大変です。
そんなハンディキャップを持つ方々のために開発された福祉車両が、シートが回転したり、シートが回転して上下するモデルです。
見た目はフツーのミニバンやコンパクトカーですが、助手席や2列目シートに回転やスライドなどの機構が組み込まれています。
幅広いタイプの車種が対応
福祉車両と聞くと、特殊な車をイメージされる方も多と思いますが、シートが回転したりスライドするこのタイプは、簡単な介助でハンディキャップのある方を乗車させることができ、ボディタイプも軽自動車からミニバンまで幅広く用意されています。
乗車定員は、車いすを載せる車両と異なり、ベースになったモデルと同じで、軽自動車なら4人、コンパクトカーなら5人、ミニバンであれば6〜7人と、普段と変わらない感覚で選ぶことができます。
シートが回転・リフトアップする福祉車両5タイプ14選
軽自動車から選ぶ
維持費が安く、取り回しや燃費がいいなどの理由から、軽自動車は普段乗りのクルマとしても人気です。
助手席のシートが回転やスライド・リフトアップする福祉車両は、ハンディキャップのある要介護者と一緒の買い物などに便利です。
ホンダ N-WGN
いちばん売れている軽自動車のホンダ N-WGNには、助手席回転シート車が用意されています。
シートが63度回転するほか、乗車に足を載せるフットプレートを装備して乗降動作を容易にしています。
またシートは回転シート車専用のデザインで、クッション先端を滑らかにすることで乗降時の移動をラクに、あわせて座面中央を持ち上げることでドライブ中のお尻のズレを抑えます。
グレードは上位グレードの”L”のみで、FFと4WDが選べます。
ダイハツ ムーヴ
2010年から2014年まで販売された5代目ダイハツ ムーヴは、室内のスイッチで助手席のシートを回転・スライド・昇降させることが可能です。
助手席側のドアを90度に開くよう設計されており、乗降の際に足元がドアにふれることもありませんし、シートも純正と変わらない仕様なので乗り心地を損ねることもありません。
車いすはリアのラゲッジスペースに収納できる設計で、移動先にも運べます。同時にOEM供給されていたスバル ステラにも同様の福祉車両が用意されていました。
三菱 ekスペース
三菱 ekスペースは、車内のスイッチまたは付属のワイヤレスリモコンで、助手席シートの回転・スライド・上下操作が可能です。
シートには通常のシートベルトとは別に、シートの回転・昇降時などに、着座姿勢をサポートする胸部固定ベルトが装備されており、姿勢を維持するのが困難な方でも安心して車に乗せることができます。
シートには専用のフットレストもついているので、昇降の際に足があそぶこともありません。
また移動中、車いすを収納するラゲッジスペースには収納用のゴムネットもついているので固定がラクです。
スズキ ワゴンR
スズキがリリースする福祉車両 WITHシリーズの現行型ワゴンR/ワゴンR カスタムZ 昇降シート車は、ワイヤレスリモコンで助手席シート回転・スライド・昇降が可能です。
シートには、胸部固定用ベルトとともに、フットレストとアームレストが付いており、乗降の際に要介護者の身体をしっかりと固定することができます。
またシートは、電動で前後スライドとリクライニングが可能。運転席側からも操作が行えるよう、スイッチはシート下部の左右に設けられるなど、進化のあとが見て取れます。
車両は前方の衝突被害を軽減する「デュアルセンサーブレーキサポート」、バック時の後方の衝突被害を軽減する「後退時ブレーキサポート」、アクセルの踏み間違いによる急発進を回避するための「誤発進抑制機能」など、運転をサポートしてくれる安全機能も充実しています。
コンパクトカーから選ぶ
維持費の安さや5人乗りで機能性が充実していることから、ファミリーカーとしても人気のコンパクトカーですが、そんなコンパクトカーにも福祉車両として対応している車種があります。
ここでは、回転シートや車いすリフトなどの機能を持ち、福祉車両に対応しているコンパクトカーを紹介します。
ホンダ フィット
シンプルで親しみを感じるデザインのホンダ フィットにも、助手席回転シート車が用意されています。
助手席についている回転操作レバーにより、軽い力でシートを回転させられるので、簡単な操作で乗り降りのサポートが可能です。
車両は、シンプルでベーシックなデザインのHOMEがベースで、パワートレインは1.5Lガソリンエンジンと1.5Lエンジンとモーターを組み合わせるe:HEVの2つ。駆動方式は、それぞれにFFと4WDが用意されます。
日産 ノート
日産 ノートにも、助手席シートが回転するタイプの福祉車両が販売されています。
こちらは手動ストラップを引くこと、で簡単にシートを45度回転できます。さらにシートが回転するタイプは、前後スライドのできないものがありますが、ノートでは前後110mmのスライドが可能で、足元スペースを広げられるのも特徴です。
現行ノートのエンジンは、日産自慢のハイブリッドシステムのe-POWERで、FFと4WDを用意します。
またノートは、クレーン型の車椅子収納装置や、車いす固定ゴムネット、そして回転シートに座る方の姿勢をサポートする胸部固定ベルトなど、利便性を高めるオプションパーツも豊富に用意されています。
トヨタ パッソ
ダイハツが開発し、トヨタへOEM供給されて2023年まで販売されたコンパクトカーのトヨタ パッソ。
シートが回転・スライドダウンして、車いす利用車などの乗乗り降りをサポートする、助手席リフトアップシート車が用意されていました。
シートの操作スイッチは、助手席シートの右側に設置し、運転席からの操作を簡単にしました。
全長3,650mm×全幅1,665mm×全高1,525mmというコンパクトなボディは、機械式駐車場も使え、狭い場所でも小回りが利くことがポイントです。
SUVから選ぶ
アウトドアや積める荷物の量が多いことで人気なSUVにも、助手席シートの回転やリフトアップ機能がある福祉車両が存在します。
ここでは福祉車両に対応しているSUV車を3種類紹介いたします。
日産 エクストレイル(T32)
安全機能と走行性能に優れた日産 エクストレイル(T32型)には、助手席の回転・リフトアップが可能な助手席スライドアップシート車が用意されていました。
この助手席スライドアップシートは付属のリモコンによる電動操作でシートの90°回転・スライド・アップダウンが可能。乗降時、地面からの座面の高さは440‐450mmと低く、車いす利用者の移乗をラクにしています。
このシートには両側アームレスト、フットレスト、降時に乗員サポートする胸部固定ベルトなどが備わり、乗降時のトラブルや、移動にともなう疲労の軽減にも役立ちます。
マツダ CX-5
魂動デザインをまとって大ヒットしたマツダ CX-5にも、助手席リフトアップシート車が用意されています。
操作は、助手席左側のスイッチまたは付属のワイヤレスリモコンから可能。乗降時、シートは101度回転して車外にスライド。その際の地面からの高さは475mmとなっており、乗降をラクにしています。
パワートレインは、2.0Lガソリンと、2.2Lディーゼルの2つで、駆動方式はFFと4WDが選べます。
スバル XV
後継のクロストレックがデビューしたことにより、2023年で販売を終了したスバルのコンパクトSUV、VXも助手席リフト車を用意していました。
トランスケアと呼ばれるスバルの福祉車両のひとつで、コンパクトサイズと優れた悪路走破性を兼ね備えたXVは、付属のリモコンによる電動操作で助手席シートの回転・スライド・アップダウンが行えます。
乗降時に姿勢をサポートする胸部サポートベルトはオプションとして用意れていました。
ミニバンから選ぶ
室内容量が広く、家族でのお出かけや大人数を送迎する際に役立つのがミニバンのメリットです。
ここでは福祉車両に対応しているミニバンを3種類紹介します。ミニバンの福祉車両に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
トヨタ シエンタ
室内空間が広く、トレイや各座席付近にカップホルダーが装備されており、家族にとってうれしい機能が充実しているトヨタ シエンタ。
先代の170系シエンタに、助手席シートが回転&チルトする助手席ターンチルトシート車が用意されていました。
この機構は、シートが回転・スライド・アップダウンする一般的なタイプと異なり、シートのヒップポイントのを高い位置に設定。回転したシートの前側を下げることで乗員の着地をサポートするもの。
立つ、座るの容易にすることで介助者の負担も軽減します。
この助手席回転チルトシート車には、通常のAタイプと、降りた車いすを収納する装置が付いたタイプBの2つのタイプが用意されていました。
パワートレインは、1.5Lガソリンとハイブリッドが存在します。
ちなみに新型シエンタでは、助手席回転チルトシート車がレギュラーラインナップから外れ、メーカーオプションとして用意されています。
トヨタ ノア/ヴォクシー
ファミリーカーとして人気を集めるトヨタ ノア/ヴォクシー(90系)に用意されるのは、助手席リフトアップチルトシート車とセカンドシートリフトアップチルトシート車の2種類です。
福祉車両としての基本的動作はどちらも同じ。シートは、外側に回転後、座面を傾けながらスライドと下降を行い、乗降を容易にします。
トヨタのこのタイプの特徴は、他メーカーよりもシートのスライド量が少なくてすみ、狭い場所でも乗降が可能なこと。
操作は付属のワイヤレスリモコンのほか、シート左右にスイッチも装備。あらゆる場所から操作が可能です。
ホンダ フリード
小回りがきき、ミニバンをあまり運転しない方でも扱いやすく作られているホンダ フリードは、「助手席リフトアップ」、セカンドシートを使う「サイドリフトアップ」、車いすごと乗車できる「車いす仕様」と、さまざまなスタイルで障がいのある方のドライブをサポートします。
そのうち、助手席リフトアップとサイドリフトアップ車は、シートが回転・スライドしながらアップダウンを行います。
もっとも下がったときの高さは、一般的な車いすと同等の高さに設定して、移乗を容易にしています。
ハイブリッドカーから選ぶ
トヨタ プリウスなどでおなじみのハイブリッドカーは、燃費が良く環境にも優しいなどの理由で人気を集めています。
ここではハイブリッドカーの福祉車両を2種類紹介します。
トヨタ アクア
コンパクトカーのハイブリッドカーとして人気なトヨタ アクアですが、こちらの車種も福祉車両に対応しています。
シートの回転・リフトアップが可能なタイプの福祉車両は、2種類あり助手席が回転するタイプと車椅子を電動で収納できる機能が追加されたタイプがあるので、用途に合わせた選択が可能です。
トヨタ プリウス
ハイブリッドカーの中でも人気のトヨタ プリウスも福祉車両に対応しており、シートの回転・リフトアップできます。
アクアと同じくプリウスも助手席シートが回転・リフトアップするタイプの福祉車両には、シートの回転・リフトアップのみが行えるタイプと、電動で車椅子の収納ができるものが追加されたタイプの2種類から選択可能です。
シートが回転・リフトアップする福祉車両中古車を選ぶメリットとは
福祉車両を選ぶ際、シートが回転・リフトアップするものを選ぶメリットにはどのような理由があるのでしょうか。
その理由を実際に使用したときどんな効果があるか説明します。
車いすからの移乗がしやすい
車いす利用者が一般的な車両へ乗り込むためには、車いすから降りて移動する必要があり、ほとんどのケースで介助する人が必要です。
しかし、シートが回転・リフトアップする車両なら、ある程度体力のある方なら、ご自身で車いすから車のシートに移乗することができますし、ご自身での移乗が難しいケースでも、ちょっとしたサポートがあればシートに移ることが可能です。
選ぶときのポイントは?
操作方法やリモコンの有無、シートのフットレストや胸部のサポートベルトなど、なかにはオプションで用意されていた装備もあるので、ほしい装備が目当ての車両に付いていることを購入前にチェックしましょう。
シートの作動は電動が圧倒的にラク。リモコンがあれば、さまざまにサポートしながらの介助が可能です。
シートが回転・リフトアップする福祉車両中古車の選択肢を知って最適な一台を選ぼう
シートが回転・リフトアップするメリットを紹介してきました。
シートが回転・リフトアップする福祉車両にはさまざまな車種が存在します。福祉車両を購入するときは、車種ごとの特徴を知り、用途に合った最適な1台を選びましょう。