子育て世代にミニバンは本当に必要?ぜひ検討してほしいSUVという選択肢

「ファミリーカー」と言えばミニバンが定番。子どもが生まれたり増えたタイミングで、我が家もミニバンを買おうかと考えているパパママは多いのではないでしょうか。
ただ、子育て中の家族が全員ミニバンを買えば間違いない!のかというと、決してそうとは言い切れません。
本記事では、意外と子育てにも便利に使えるSUVという選択肢について、おすすめの車種やSUVがピッタリの家族構成などについて紹介します。
ミニバンを買ったものの、持て余してしまうことも…

ミニバンは7〜8人乗りの車種がほとんどで、大人数で乗っても窮屈さを感じない広々とした空間が魅力です。
また、車種によって両側もしくは片側にスライドドアを備えている点も嬉しいポイント。ファミリー層の人気を集める理由のひとつとなっています。
いっぽうで、大人数で乗車する機会が少ない家族にとっては「ミニバンは便利だけれど、持て余してしまう…」ということも少なくありません。
まずは、ミニバンを必ずしも選ぶ必要がないケースについて、家族構成や利用シーンごとに紹介していきます。
広い室内空間は、場合によってはデメリット

家族が5人以上の場合であれば、3列シートを備えるミニバンが快適なのは言うまでもありません。
また、家族以外の人も頻繁に乗せることがある場合も、大人数で乗車できるミニバンは利便性が高くおすすめです。
いっぽう3〜4人家族で、家族全員以外の人を乗せる機会はまずないというユーザーには、ミニバンは必要ないかもしれません。
もちろん、3列シートの広いスペースを生かして、2列目以降を荷物置きとして使うこともできますが、室内空間が広いことでエアコンの効きが悪くなったり、四角く背の高いボディ形状のため横風に弱かったりもします。

また車体が大きく重いので、燃費という面では不利な構成で、ガソリン代が高くつきやすいのがデメリット。
毎日、車を使いたい方だと、維持費がかさみやすく家計に響いてしまう可能性もあります。
家族4人が余裕で座れて移動できれば良いということであれば、もう少し小さめのボディを持った車種でも十分で、維持費も抑えることができます。
都市では車高の高さ・ボディサイズがネックに

コンパクトミニバンを除くほとんどのミニバンは、室内空間を広く取るために車高が高く、ホイールベースを長く取っている車種が多く、細い路地や曲がり角なども多い都市部での取り回しには不安が残ります。
また都市部に多い機械式駐車場は、高さ制限が1,550mmに設定されていることが多く、全高が1,700mm前後のミニバンは機械式駐車場を使うことができません。
都市部では、ボディサイズが大きすぎず小回りが効く車が条件となる場合もあります。
4人家族にちょうどいい!? SUVという選択肢

3〜4人家族や都市部にお住まいの方、毎日の通勤でも車を使いたい方などは、ミニバンならではのメリットがかえってデメリットとなってしまうこともあります。
子どもが生まれたからと言って必ずしもミニバンが良いと言うわけではなく、使い勝手や維持費のバランスを見て車選びをすることが大切です。
では、ミニバン以外の車種を選ぼうと思ったとき、どんな車がおすすめなのでしょうか?
車にはコンパクトカーやセダン、ステーションワゴンなど、さまざまなボディタイプがありますが『4人家族・子どもが小さい(〜小学生未満)』という条件であれば、SUVは意外とおすすめな選択肢です。

スライドドアが無い・車高が高いなどの理由から、一般的にはファミリーカーには向いていないと思われがちなSUVですが、小さい子ども連れの場合は話が少し変わってきます。
ドアの開閉は大人が基本的に行いますし、車高が高い(シート位置が高い)ことでチャイルドシートへの乗せ下ろしも屈まずに行うことができ、意外と便利なのです。
また安定した走行性能は、車酔いしにくく、快適にドライブを楽しめると言うメリットもあります。
そのなかからミニバンのデメリットとして挙げた「燃費の悪さ」「狭い場所での取り回し」などのポイントを押さえたSUVをピックアップし、子育て世代におすすめのSUVとして紹介したいと思います。
【コンパクトSUV】トヨタ ヤリスクロス

トヨタからは多くのSUVが販売されていますが、「燃費の良さ」でおすすめしたいのが2020年に登場したコンパクトSUVのヤリスクロスです。
こちらはガソリンモデルとハイブリッドモデルを用意しており、特に燃費が良いのはハイブリッドモデル。その燃費は、WLTCモード燃費で30.8km/L(ハイブリッド X 2WD)と、他の追随を許さない高性能です。
4WDグレードであっても26.0〜28.7km/Lとなっているのが驚きです。
ハイブリッドモデルを用意するSUVは近年増えていますが、ガソリンモデルと比べると価格が高く、子育て中でなにかと入用の方には手が出しづらいと言うこともあります。
その点ヤリスクロスは、ハイブリッドモデルでも228万4000円からと手ごろな価格設定も魅力です。
日々の維持費はもちろん、購入にかかる費用も抑えられるのが嬉しいポイントです。
【コンパクトSUV】ホンダ ヴェゼル

ホンダ ヴェゼルは、近年多数の車種が登場しているコンパクトサイズSUVのなかでも人気の1台。その大きな特徴は、コンパクトながらも広い後席空間を備えていることです。
多くの車では後席の下あたりに燃料タンクが置かれることが多いのですが、ヴェゼルでは燃料タンクを床下に配置する「センタータンクレイアウト」を採用。
これによって後席や荷室に広いスペースを確保し、後席にチャイルドシートを2台載せても圧迫感を感じにくい室内空間を実現しています。
また、2021年に登場したばかりの2代目ではハイブリッドモデルとしてe:HEV車を用意。その性能はWLTCモード燃費が25.0km/L(e:HEV X FF)と、十分な低燃費です。
ガソリンモデルは227万9200円から、e:HEVモデルは265万8700円からという価格設定。
先代(初代)ヴェゼルの中古車も多数流通しており、装備が充実したグレードを狙いたいのであれば、先代ヴェゼルの中古車もおすすめです。
【コンパクトSUV】トヨタ カローラクロス

カローラ初のSUVモデルであるトヨタ カローラクロスは、同社のC-HRとRAV4のあいだを埋めるちょうどいいボディサイズが特徴です。
日本ではコンパクトとミドルサイズの中間に位置する全長4,490mm×全幅1,825mm×全高1,620mmという大きさながら、最小回転半径はヤリスクロス(5.3m)よりも小さい5.2mを実現するなど、女性や初心者にも運転しやすい取り回しの良さがポイントです。
クラストップレベルの487Lを確保したラゲッジルームは、荷物の積み下ろしのしやすさにもこだわり、ラゲージ開口部は地面から720mmの高さに設定。ハンズフリー機能も装備して、子育て中のパパママにも使いやすくなっています。
またハイブリッド車(FF)で26.2km/L、ガソリンエンジン車でも14.4km/Lという低燃費は、維持費で家計をサポートしてくれるでしょう。
【ミドルサイズSUV】スバル フォレスター

2列シートのSUVのなかで後席の広さにとことんこだわりたいのであれば、スバル フォレスターはいかがでしょうか。
フォレスターは、用途に合わせたデザイン・機能を備える4つのグレードを用意。なかでも、確かな基本性能を揃えたエントリーモデル「Touring」は、室内長2,140mm・室内幅1,545mmと5人乗りの国産SUVの中でも随一の広さを誇ります。
特に後席は、前席との間隔を広げることで十分なゆとりを確保。子どもが大きくなってからも、窮屈さを感じず快適に乗ることができます。
また、最小回転半径を5.4mに抑えることで取り回しの良さも両立しており、都市部での運転からお出かけまでオールマイティに使えます。
エントリーモデル「Touring」は、299万2000円から購入可能ですが、現行型となる5代目モデルは2018年に登場しているため、中古車でも多くの車両が出回っています。
【3列シートSUV】マツダ CX-8

SUVの乗り心地の良さと同時に、いざと言うときは大人数でも乗車したい…と言う欲張りな方は、3列シートを備えるSUVを選ぶのが良いかもしれません。
3列シートSUVのなかでも、子育て世代におすすめなのがマツダ CX-8です。
CX-8は6人乗りもしくは7人乗りが可能な3列シートを設定。6人乗りモデルの場合は、2列目と3列目間のウォークスルーが可能な高機能セカンドシートを備え、子育て中の方にとっては特に利便性が高くなっています。
また、クリーンディーゼルエンジンを搭載するモデルを選択できるのもポイント。ディーゼルエンジンモデルでは軽油が燃料となるため、レギュラーガソリンよりも燃料費が抑えられます。
ガソリン価格が高騰しているいま、燃料費を少しでも安くできるのは嬉しいですね。
エントリーモデルの価格は、ガソリンモデルが299万4200円から、ディーゼルモデルは337万7000円からと、他に紹介したSUVよりも少々高めの設定。
CX-8は発売から4年近くが経ち、中古車市場に出回っている車両も増えてきているので、予算次第では中古車がおすすめです。

家族で乗るファミリーカー選びにおいては、「家族全員の使い勝手の良さ」と「コストパフォーマンスの良さ」のバランスが大切。車選びで重視したいポイントはどこかをあらかじめ洗い出して、もっとも満足度の高い1台を選びましょう。
金銭的に余裕があり、子どもも大人も快適に過ごせる車を選ぶのであればミニバンももちろん良いのですが、維持費や購入費用の面からある程度選択肢を絞るのであれば、SUVもぜひ一度検討してみるのがおすすめです。