子育てにミニバンは本当に必要?ぜひ検討してほしいSUVという選択肢。おすすめの8台を紹介
「ファミリーカー」と言えば、いまやミニバンが定番です。お子さんが生まれたり増えたタイミングで、我が家もミニバンを買おうかと考えているパパママは多いのではないでしょうか。
ただ、子育て中の家族が全員ミニバンを買えば間違いない!のかというと、決してそうとは言い切れません。
本記事では、子育てにも便利に使えるおすすめの8台をピックアップ。くわえてSUVがピッタリの家族構成などについて紹介します。
ミニバンを買ったものの、持て余してしまうことも…
ミニバンは7〜8人乗りの車種がほとんどで、大人数で乗っても窮屈さを感じない広々とした空間が魅力です。
また、両側もしくは片側にスライドドアを備えている点も嬉しいポイント。子育て中ファミリーの人気を集める理由のひとつとなっています。
いっぽうで、大人数で乗車する機会が少ない家族にとっては「ミニバンは便利だけれど、持て余してしまう…」ということも少なくありません。
まずは、ミニバンをかならずしも選ぶ必要がないケースについて、家族構成や利用シーンごとに紹介していきます。
広い室内空間は、場合によってはデメリット
家族が5人以上の場合であれば、3列シートを備えるミニバンが快適なのは言うまでもありません。
また家族以外の人も頻繁に乗せることがある場合も、大人数で乗車できるミニバンは利便性が高くおすすめです。
ただし、お子さんが1人もしくは2人の3〜4人家族で、家族以外の人を乗せる機会はまずないというユーザーにはとって、ミドルクラス以上のミニバンはやや大きすぎるかもしれません。
ミニバンは3列シートの広いスペースを生かして、2列目以降を荷物置きとして使うこともできますが、室内空間が広いことでエアコンの効きが悪かったり、四角く背の高いボディ形状のため横風に弱かったり、機械式駐車場を使えなかったりします。
また車体が大きく重いので燃費という面でも不利で、維持費(ガソリン代)が高くつきやすいのがデメリット。
毎日、車を使いたい方、ロングドライブが多い方などには、維持費がかさみやすく家計に響いてしまう可能性もあります。
家族4人が余裕で座れて移動できれば良いということであれば、もう少しコンパクトなボディを持った車種でも十分です。維持費も抑えることができます。
都市では車高の高さ・ボディサイズがネックに
コンパクトミニバンを除くほとんどのミニバンは、室内空間を広く取るために車高が高く、ホイールベースを長く取っている車種が多く、細い路地や曲がり角などが多い都市部での取り回しには不安が残ります。
また都市部に多い機械式駐車場は、高さ制限が1,550mmに設定されていることが多く、全高が1,700mm前後のミニバンは、ほとんどの機械式駐車場を使うことができません。
都市部では、ボディサイズが大きすぎず小回りが効く車のほうがなにかと使いやすいのです。
4人家族にちょうどいい!? SUVという選択肢
3〜4人家族や都市部にお住まいの方、毎日の通勤でも車を使いたい方などは、ミニバンならではのメリットがかえってデメリットとなってしまうこともあります。
子どもいる家庭ではミニバンを選びがちですが、使い勝手や維持費のバランスで考えると、かならずしもミニバンがベストではなりません。
では、ミニバン以外の車種を選ぼうと思ったとき、どんな車がおすすめなのでしょうか?
車にはコンパクトカーやセダン、ステーションワゴンなど、さまざまなボディタイプがありますが『4人家族・子どもが小さい(〜小学生未満)』という条件であれば、SUVは意外とおすすめな選択肢です。
スライドドアが無い・車高が高いなどの理由から、一般的にはファミリーカーには向いていないと思われがちなSUVですが、小さい子ども連れの場合は話が少し変わってきます。
ドアの開閉は大人が基本的に行いますし、車高が高い(シート位置が高い)ことでチャイルドシートへの乗せ下ろしも屈まずに行うことができ、意外と便利なのです。
また安定した走行性能は、車酔いしにくく、快適にドライブを楽しめると言うメリットもあります。
そのなかからミニバンのデメリットとして挙げた「燃費の悪さ」「狭い場所での取り回し」などのポイントを押さえたSUVをピックアップし、子育て世代におすすめのSUVとして紹介したいと思います。
編集部おすすめの8台
【コンパクトSUV】トヨタ ヤリスクロス
トヨタからは多くのSUVが販売されていますが、「燃費の良さ」でおすすめしたいのが2020年に登場したコンパクトSUVのヤリスクロスです。
こちらはガソリンモデルとハイブリッドモデルを用意しており、特に燃費が良いのはハイブリッドモデル。その燃費は、WLTCモード燃費で30.8km/L(ハイブリッド X 2WD)と、他の追随を許さない高性能です。
4WDグレードであっても26.0〜28.7km/Lとなっているのが驚きです。
ハイブリッドモデルを用意するSUVは近年増えていますが、ガソリンモデルと比べると価格が高く、子育て中でなにかと入用の方には手が出しづらいと言うこともあります。
その点ヤリスクロスは、ハイブリッドモデルでも新車価格229万5000円からと手ごろな価格設定も魅力です。
日々の維持費はもちろん、購入にかかる費用も抑えられるのが嬉しいポイントです。
【コンパクトSUV】ホンダ ヴェゼル
ホンダ ヴェゼルは、近年多数の車種が登場しているコンパクトサイズSUVのなかでも人気の1台。その大きな特徴は、コンパクトながらも広い後席空間を備えていることです。
多くの車では後席の下あたりに燃料タンクが置かれることが多いのですが、ヴェゼルでは燃料タンクを床下に配置する「センタータンクレイアウト」を採用。
これによって後席や荷室に広いスペースを確保し、後席にチャイルドシートを2台載せても圧迫感を感じにくい室内空間を実現しています。
また、2021年に登場したばかりの2代目ではハイブリッドモデルとしてe:HEV車を用意。その性能はWLTCモード燃費が25.0km/L(e:HEV X FF)という低燃費です。
先代(初代)ヴェゼルの中古車も多数流通しており、装備が充実したグレードを狙いたいのであれば、先代ヴェゼルの中古車もおすすめです。
【コンパクトSUV】トヨタ カローラクロス
カローラ初のSUVモデルであるトヨタ カローラクロスは、同社のC-HRとRAV4のあいだを埋めるちょうどいいボディサイズがポイントです。
日本ではコンパクトとミドルサイズの中間に位置する全長4,490mm×全幅1,825mm×全高1,620mmという大きさながら、最小回転半径はヤリスクロス(5.3m)よりも小さい5.2mを実現するなど、女性や初心者にも運転しやすい取り回しの良さも魅力です。
クラストップレベルの487Lを確保したラゲッジルームは、荷物の積み下ろしのしやすさにもこだわり、ラゲージ開口部は地面から720mmの高さに設定。ハンズフリー機能も装備して、子育て中のパパママにも使いやすくなっています。
またハイブリッド車(FF)で26.2km/L、ガソリンエンジン車でも14.4km/Lという低燃費は、維持費で家計をサポートしてくれるでしょう。
【ミドルサイズSUV】スバル フォレスター
2列シートのSUVのなかで後席の広さにとことんこだわりたいのであれば、スバル フォレスターはいかがでしょうか。
フォレスターは、用途に合わせたデザイン・機能を備える4つのグレードを用意。なかでも、確かな基本性能を揃えたエントリーモデル「Touring」は、室内長2,140mm・室内幅1,545mmと5人乗りの国産SUVの中でも随一の広さを誇ります。
特に後席は、前席との間隔を広げることで十分なゆとりを確保。子どもが大きくなってからも、窮屈さを感じず快適に乗ることができます。
また、最小回転半径を5.4mに抑えることで取り回しの良さも両立しており、都市部での運転からお出かけまでオールマイティに使えます。
現行型となる5代目は2018年の登場。中古車でも多くの車両が出回っています。
【3列シートSUV】マツダ CX-8
SUVの乗り心地の良さと同時に、いざと言うときは大人数でも乗車したい…と言う欲張りな方は、3列シートを備えるSUVを選ぶのが良いかもしれません。
3列シートSUVのなかでも、子育て世代におすすめなのがマツダ CX-8です。
CX-8は6人乗りもしくは7人乗りが可能な3列シートを設定。6人乗りモデルの場合は、2列目と3列目間のウォークスルーが可能な高機能セカンドシートを備え、子育て中の方にとっては特に利便性が高くなっています。
また、クリーンディーゼルエンジンを搭載するモデルを選択できるのもポイント。ディーゼルエンジンモデルでは軽油が燃料となるため、レギュラーガソリンよりも燃料費が抑えられます。
ガソリン価格が高騰しているいま、燃料費を少しでも安くできるのは嬉しいですね。
発売から5年が経過して中古車市場のタマ数も増えてきています。
【全高1,550mm以下】スバル XV
都市部でも使いやすくて、アウトドアにも強いSUVを探している方には、スバル XVがおすすめです。
なかでも新しいSPG(SUBARU GLOBAL PLATFORM)を採用した3代目は、スバル自慢のシンメトリカルAWDと運転支援システムEyeSight Ver.3(アイサイト)による高い安全性能がポイントです。
ボディサイズは、全長4,465mm×全幅1,800mm×全高1,550mmで、取り回しやすくかつ機械式駐車場も使える全高。
くわえて最低地上高を一般的に悪路走破に必要とされる200mmとして、降雪地域や夏のアウトドアレジャーでも活躍できる万能選手なのです。
ただしルーフレール装着車は全高が1,550mmを越えるので、中古車を探す際には注意が必要です。
【ミドルサイズSUV】三菱 エクリプスクロス
アウトランダーのひとつ下のクラスに、2018年に投入されたクロスオーバーSUVが、三菱 エクリプスクロスです。
ルーフがリアに向かって傾斜するクーペフォルムをまとったボディサイズは、全長4,545mm×全幅1,805mm×全高1,685mmというもので、サイズ的にはカローラクロスがライバルです。
ガソリン車は、税金の安い1.5Lのダウンサイジングターボを搭載。従来型の2.4L自然吸気エンジンを凌ぐ中低速トルクで、経済性と性能を両立しています。
室内のリアシートは200mmのスライドと9段階のリクライニング機構を装備して、チャイルドシートのお子さんはもちろん、大人でもリラックスできるパッケージとされました。
2020年には、プラグインハイブリッド(PHEV)を追加。パワートレインは、車体の前後に1基づつ駆動モーターを配置する2.4L ハイブリッドシステムで、駆動方式は当然ながらフルタイム4WDのみ。
駆動用に13.8kWhのバッテリーを搭載して、満充電時にはモーターだけで57.3km(WLTCモード)の航続距離を実現しています。
PHEV全車に予防安全装備を標準で装備するとともに、中間グレード以上では最大1500Wの100V AC電源やヘッドアップディスプレイを標準で装備し、災害にも強いパッケージとなっています。
2021年11月の改良では、PHEVモデルには高速道路同一車線運転支援機能の「マイパイロット」を採用。ロングドライブでのドライバーの疲れを大幅に軽減します。
【防水シート】日産 エクストレイル(3代目:T32)
2022年にモデルチェンジを行い4代目(T33型)に進化した日産 エクストレイル。
初代からの”タフギア”コンセプトに高級感をプラスして登場したことで、防水シートは一部グレードのオプションになりました。
そこでおすすめしたいのが、先代の3代目(T32型)エクストレイルです。
20Xiと20Sグレードは、タフギアとしての機能を追求した内装で、防水シートと防水加工フロアを標準で装備します。
ウェットスーツやスキーウェアでそののまま乗車できる装備は、お子さんの食べこぼしやいたずらにも強い設計。これなら車内での飲食に気を使うこともありません。
ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,820mm×全高1,740mmというもので、後期モデルにはプロパイロットも装備されています。
大人も子どもも快適に過ごせる車選びをしよう!
家族で乗るファミリーカー選びにおいては、「家族全員の使い勝手の良さ」と「コストパフォーマンスの良さ」のバランスは大切です。
車選びで重視したいポイントはどこかをあらかじめ洗い出して、もっとも満足度の高い1台を選びましょう。
金銭的に余裕があり、子どもも大人も快適に過ごせる車を選ぶのであればミニバンももちろん良いのですが、維持費や購入費用の面からある程度選択肢を絞るのであれば、SUVもぜひ一度検討してみるのがおすすめです。