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F1ファンも気になるメルセデス‐AMGユニット搭載のミドシップマシン。ロータス エミーラ試乗&718ケイマン、ライバル対決!

ロータス エミーラ

英国のスポーツカーブランドのロータスが、最高で最後のミドシップエンジン車として、2021年に発表したモデルがエミーラです。

これまでのアルミむき出しのスパルタンな内装と異なり、豪華なトリムにアンビエントライト、シートヒーター、シングルゾーンエアコンまで備えたエミーラを、プレミアムスポーツカーの王道、ポルシェ ケイマンと比較します。

Chapter
3.5L V6スーパーチャージャー、2.0L 直4ターボという異なる2つのエンジンを用意
ワインディングでのエミーラはスポーツカーそのもの
ライバルは水平対向6気筒エンジンを積んだ718ケイマン GTS 4.0
1000万円オーバーの2台のプレミアムスポーツカー、あなたならどっちを選ぶ?

3.5L V6スーパーチャージャー、2.0L 直4ターボという異なる2つのエンジンを用意

ロータス エミーラ

パワーユニットに3.5L V6スーパーチャージャーエンジンと2.0L 直4ターボエンジンの2種類を用意するロータス最後のミドシップエンジン車がエミーラです。

4人乗りのエヴォーラの後継機種として2021年にデビューし、まず3.5L V6版のエミーラ V6が発売。遅れて2.0Lターボのエミーラが投入されました。

試乗したのは、後者のメルセデス-AMG製M139型2.0L 直4ターボエンジンを搭載したエミーラのファーストエディションです。

バスタブ型のアルミ製モノコックをベースにするエミーラのボディサイズは、全長4,413mm×全幅1,895mm(ドアミラー収納時)×全高1,226mmというもの。

サスペンション形式は前後ともにダブルウイッシュボーン式で、ダンパー&スプリングには単筒式ビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製コイルスプリングの組み合わせ。

ちなみにエミーラのサスペンションには、日常使用向けの“TOUR(ツアー)”と、やや硬めでスポーツ走行向けの“SPORTS(スポーツ)”という2種類が用意され、試乗車には標準仕様となる“TOUR”が装着されています。

ミドシップに横置きで搭載される2.0Lターボエンジンは、メルセデス‐AMG A45と基本的には同じものですが、フロントエンジン+フルタイム4WDのメルセデス‐AMG A45に対し、ミドシップ+後輪駆動(2WD)のエミーラに搭載するにあたり若干のディチューンが行われています。

それでもスペックは、最高出力269kW(365ps)、最大トルク430Nmというハイパワーぶり。組み合わされるトランスミッションは、メルセデス‐AMGモデルと同じ8速DCT。

車両重量1,405kgは、エミーラ V6(1,458kg)に比べて50kgほど軽量になっています。

ワインディングでのエミーラはスポーツカーそのもの

試乗はロータスのスポーツカーの実力を測るのに、ベストとも言える箱根のワインディングで行いました。

かつてのエリーゼやエキシージは、無駄なモノをすべて削ぎ落としたアスリート系スポーツカー。乗り込むときも、高いサイドシルをまたぐ必要があり、レーシングカーのように苦しい姿勢が強いられました。

しかしプレミアムスポーツカーを謳っているエミーラは、サイドシルも低く乗り込みも容易です。またインテリアも質感高くまとめられています。

早速、走り出してみるとメルセデス‐AMG製の2.0L直4ターボエンジンは、若干のディチューンが行われているといっても、1.4tのボディには十分にパワフルです。

ハンドリングは、ステアリングを切り始めるとタイムラグなく操舵量に合わせてスッと曲がってくれるので、気持ち良くコーナーを走り抜けることができますし、乗り心地はプレミアムスポーツカーそのもの。非常にコントロールしやすいのもポイントです。

ライバルは水平対向6気筒エンジンを積んだ718ケイマン GTS 4.0

エミーラの車両本体価格は、1573万円~1661万円。現在市販されているミドシップスポーツカーと価格で比較すると、フェラーリ、ランボルギーニには届かず、ポルシェ 718ケイマン、アルピーヌ A110よりも高価です。

そのなかから、ライバルとして日本でも人気の高い718ケイマンをピックアップしました。

718ケイマンの車両本体価格は948万円からで、水平対向6気筒を積んだ上級グレードの718ケイマン GTS 4.0が1262万円というもの。ここでは、その水平対向6気筒エンジンを積んだGTS 4.0を遡上に載せてみました。

ボディサイズは、全長4,413mm×全幅1,895mm×全高1,226mm、ホイールベース2,575mm、前後トレッド1,608mm/1,626mmのエミーラに対し、718ケイマンは全長4,379mm×全幅1,801mm×全高1,295mmに、ホイールベースは2,475mmで、前後トレッドは1,525mm/1,535mm(GTS 4.0)で、ひとまわりコンパクトな印象です。

室内は、2つのデジタルディスプレイが近代的なエミーラに対して、718ケイマンは見慣れたポルシェのデザインでコンサバな印象。

ラゲッジスペースは、エミーラがシート後方とエンジン後方のリアトランク。718ケイマンは、リアのトランクとフロントのボンネット下にトランクが用意されます。

718ケイマン GTS 4.0のエンジンは、排気量3,995ccの水平対向6気筒。294kW(400PS)の最高出力と、420Nm(MT)〜430Nm(PDK)の最大トルクをそれぞれ発生。

以前に試乗したMTモデルは、水平対向6気筒エンジンがペダル操作にリニアに反応するだけでなく、どこまでも加速していく自然吸気エンジンならではのフィーリングが最高でした。

1000万円オーバーの2台のプレミアムスポーツカー、あなたならどっちを選ぶ?

ロータス エミーラ

プレミアムミッドシップスポーツという観点からこの2台を比べた場合、ブランド力では718ケイマン、完成度は互角、注目度と維持費はエミーラということになります。

それらをふまえて筆者の個人的な趣味で選ぶなら、憧れのフラット6を搭載した718ケイマン GTS 4.0推しですが、ハイパーカー然としたスタイリングを約1500万円で手に入れることができるエミーラにも捨てがたい魅力を感じます。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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