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日本のミニバンでは飽き足らないオシャレママにおすすめ。カングーの対抗馬、ステランティス3兄弟を解説

シトロエン ベルランゴ

2002年に正規輸入が開始されたルノー カングーは、成熟した日本のミニバン市場において、輸入車でも十分に戦えることを証明したエポックなモデルとなりました。

そのカングーの成功を見て投入されたのが、ステランティスN.V.傘下のシトロエン、プジョー 、フィアットからそれぞれ販売されるベルランゴ、リフター、ドブロの3台です。ここでは、それぞれの特徴を解説しましょう。

Chapter
ルノー カングーが切り開いた輸入ミニバンマーケット
基本は同じだが、デザインや装備で個性を発揮するステランティス3兄弟
2列目は同サイズのシートを3つ装備。3列目は取り外しも可能
ベルランゴ、リフター、ドブロは、家族構成やライフスタイルにあわせて選びたい

ルノー カングーが切り開いた輸入ミニバンマーケット

プジョー リフター ロング

背が高くても2列シート車の場合、ワゴンやトールワゴンなどのほか、MPV(マルチパーパスビークル)と呼ばれるのが一般的です。

ステランティスN.V.は、2020年8月にシトロエン ベルランゴ、続いて同年11月にプジョー リフター、少し遅れて2023年に、ベルランゴ、リフターの3列シート車およびフィアット ドブロを日本に導入しました。

ちなみに7人乗りは、ベルランゴ ロング、リフター ロング、ドブロ マキシと呼ばれます。

ルノー カングー  / カングージャンボリー

これまでもいくつかの海外メーカーがMPVを導入してきましたが、いずれも成功にはいたらず、本格的に日本市場を切り開いたといえるのは、2002年から輸入が開始されたルノー カングーでしょう。

このカングーのスマッシュヒットにより、ライバルであるシトロエンも長年、日本導入の時期を探っていたようです。

いずれも“はたらくクルマ”であり、ひと言でいえば商用バンですが、商用ユースのみならずレジャーニーズも見据えたコンセプトで販売台数を伸ばしています。

なおベルランゴ3兄弟には、ほかにもオペル コンボ、トヨタ プロエースCityといった兄弟車が存在します。

基本は同じだが、デザインや装備で個性を発揮するステランティス3兄弟

ベルランゴ、リフター、ドブロは、プラットフォームはもちろん、日本ではパワートレーンなどのメカニズムも同一です。

トヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイアは、販売チャネルが異なる兄弟車でしたが、それに近いイメージの3兄弟モデルといえます。

ボディサイズは、2列シート仕様と3列シート仕様で違っていて、ベルランゴを例にとると、2列シート仕様の全長4,405mm×全幅1,850mm×全高1,850mmに対し、3列シート仕様のベルランゴ ロングでは、全長4,770mm×全幅1,850mm×全高1,870mと、約300mm全長が長くなります。

パワートレーンの1.5L直列4気筒ディーゼルターボと8速AT(EAT8)の組み合わせは、3車種共通。モデルの差別化は、内外装デザインと装備によって行っています。

ベルランゴは、シトロエンらしい個性的なデザインとMPVらしい雰囲気のエクステリアにアクセントカラーを効かせた室内のシートデザインと、ガラスルーフと多機能ルーフストレージをひとつにしたモジュトップが特徴。

リフターは、SUVテイストの樹脂製のフェンダーアーチやサイドプロテクターを装備したエクステリアに、室内はプジョー独自のi-Cockpitと呼ばれるデザインを採用し、小径ステアリングとその上から覗くヘッドアップインストルメントパネルがポイント。

ドブロは“素”の商用車に近く、良い意味で道具感のあるシンプルな内外装が印象的です。

車両重量は、ドブロがもっとも軽く1,560kg(1,660kg)で、ベルランゴが1,610kg(1,660kg)、リフターが1,650kg(1,700kg)と増えてゆきます。*()は3列シート車

2列目は同サイズのシートを3つ装備。3列目は取り外しも可能

フィアット ドブロ

室内のシート配列は、2列シート車が2+3、3列シート車が2+3+2で、2、3列目はすべて独立タイプです。これにより2列目には、各シートにひとつづつ合計3脚のチャイルドシートをセットすることが可能です。

日本製のミニバンは、キャプテンシートまたはベンチシートで、ISOFIXチャイルドシートアンカーは2つだけで、取り付け可能なシートも2脚なので、お子さんの多い家庭にとってもステランティスのミニバンは魅力的に映るかもしれません。

いっぽうサードシートは、置き場に困るものの脱着が可能。2列目を前倒しすれば、広大な奥行きのラゲッジスペースが出現します。

フィアット ドブロ

走りは、ドブロがもっとも軽快な印象。リフターは足まわりが引き締まっていて、215/60R17タイヤを装着。205/60R16タイヤのベルランゴとドブロにくらべ、リフターは安定感を重視しているのがうかがえます。

またリフターにはアドバンスドグリップコントロール(ヒルディセントコントロール付)が搭載されていて、FF(全輪駆動)であっても林道や雪上などでも高い走破性を発揮するのも特徴です。

そのほか、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進安全装備は基本的に同一となっています。

ベルランゴ、リフター、ドブロは、家族構成やライフスタイルにあわせて選びたい

シトロエン ベルランゴ

ステランティスの3兄弟は、シルエットこそ似ているものの、室内の加飾やトリム、デザイン、装備などで、それぞれブランドの個性を発揮しています。

2024年9月上旬現在、新車価格はドブロが399万円〜、ベルランゴが422万7000円〜、リフターは448万円〜。家族構成やライフスタイルにあわせて選べるにのも3兄弟の強みといえるかもしれません。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

自動車雑誌、モノ系雑誌の新車担当編集者を約10年務めた後に独立し、フリーランスライターとしても10年が経過。
自動車雑誌、ライフスタイル雑誌、Web媒体などで新車試乗記事やカーナビ、カーエレクトロニクスなどの展開している。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

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