新型ノア、ガソリンとハイブリッドを比較。お得なのはガソリン車だってホントですか?
トヨタ ノアは、2001年から生産されているミドルクラスのミニバンです。
なにかとお金のかかる子育て世代がメインユーザーのミニバンだけに、年間の維持費はおおいに気になるポイント。
4代目(90系)ノアには、車両本体価格の安いガソリン車と、ランニングコストを抑えることができるハイブリッド車がラインナップされました。はたして、どちらがよりコスパに優れているのでしょうか?
- Chapter
- 全グレードにガソリンとハイブリッドを用意する4代目(90系)ノア
- 車両本体価格はハイブリッドが35〜38万円高
- 圧倒的な低燃費のハイブリッド
- 自動車税の違い
- 自動車重量税
- 車検その他整備費用
- 長い期間、距離を乗るならハイブリッドだが中古車ならガソリンがおすすめ
全グレードにガソリンとハイブリッドを用意する4代目(90系)ノア
2022年1月のモデルチェンジによって4代目(90系)に進化したトヨタ ノア。同じトヨタのミドルクラスミニバンのヴォクシーは、プラットフォームを共用する兄弟車です。
パワートレーンは、2.0Lのガソリンエンジンと、1.8Lガソリンエンジンとモーターを組み合わるハイブリッドで、どちらもFFと4WDの駆動方式が選べます。
グレード展開は、ガソリンモデル、ハイブリッドモデルともにノーマルボディの「X」「G」「Z」に、メッキグリルやエアロパーツを装備した「S-G」「S-Z」の計5タイプで、幅広いユーザーに応えています。
運転支援システムは「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備。くわえてオプション設定ながら「トヨタチームメイト」の「アドバンストドライブ」および「アドバンストパーク」も用意されています。
車両本体価格はハイブリッドが35〜38万円高
車両本体価格は、もっとも安価な「X」グレードがガソリン車で267万円、ハイブリッド車は305万円。もっとも高額な「SZ」グレードは、ガソリン車が332万円、ハイブリッド車は367万円。
ガソリン車とハイブリッド車は、グレードに関わらず35〜38万円の価格差があります。
ガソリン | ハイブリッド | ||
X 2WD(7/8人乗り) | 2,670,000円 | HYBRID X 2WD(7/8人乗り) | 3,050,000円 |
X 4WD(7/8人乗り) | 2,868,000円 | HYBRID X E-Four(7人乗り) | 3,270,000円 |
G 2WD(7/8人乗り) | 2,970,000円 | HYBRID G 2WD(7/8人乗り) | 3,320,000円 |
S-G 2WD(7/8人乗り) | 3,040,000円 | HYBRID S-G 2WD(7/8人乗り) | 3,390,000円 |
G 4WD(7/8人乗り) | 3,168,000円 | HYBRID G E-Four(7人乗り) | 3,540,000円 |
S-G 4WD(7/8人乗り) | 3,238,000円 | HYBRID S-G E-Four(7人乗り) | 3,610,000円 |
Z 2WD(7人乗り) | 3,240,000円 | HYBRID Z 2WD(7人乗り) | 3,590,000円 |
S-Z 2WD(7人乗り) | 3,320,000円 | HYBRID S-Z 2WD(7人乗り) | 3,670,000円 |
Z 4WD(7人乗り) | 3,438,000円 | HYBRID Z E-Four(7人乗り) | 3,810,000円 |
S-Z 4WD(7人乗り) | 3,518,000円 | HYBRID S-Z E-Four(7人乗り) | 3,890,000円 |
ただしハイブリッド車には、いくつかの減税が用意されており、新車を購入する際に支払わなくてはならない税金のうち、重量税はエコカー減税により3万円の減免で0円(2025年4月30日登録まで)、自動車税種別割は1万5000円、自動車税環境性能割は非課税です。
ちなみにガソリン車の場合は、Xグレードで重量税が4万9200円、自動車税種別割が1万5000円、自動車税環境性能割は6万5500円。
SZグレードでは重量税が4万9200円、自動車税種別割が1万5000円、環境性能割が8万1400円で、支払時の価格差は25万円ほどに縮まります。
圧倒的な低燃費のハイブリッド
クルマの維持費で、もっとも気になるのは燃料代ではないでしょうか?
通勤など頻繁にクルマを使う人なら1週間〜2週間毎に数千円の出費を強いられることになる燃料代は、ボディブローのように効いてきます。
おおきくて重いボディのミニバンでは、その傾向が顕著で、少しでも燃費の良いミニバンを求める人は少なくありません。
ノアの燃費(WLTCモード)は、2WDのガソリン車が15.0〜15.1km/L、ハイブリッド車は23.0〜23.4km/L、4WDのガソリン車は14.3〜14.4km/L、ハイブリッド車(E-Four)は22.0km/L。使用燃料はどちらもレギュラーガソリンです。
年間1万キロ走るときの燃料代は、ガソリン車(2WD:Xグレード)の場合、約662Lの燃料が必要で11万5850円。ハイブリッド車(2WD:Xグレード)は約427Lの燃料で7万4725円かかります。
※ガソリン価格は経済産業省資源エネルギー庁の発表した小売市況調査(2024年9月11日公表)を参考にしています。
燃費の良いハイブリッド車のほうが、年間で4万円ほど経済的で、ガソリン価格にもよりますが、新車時の差額も約5年で取り戻せることになります。
反対に年間1万キロも走らないという場合は、燃料代の差が少なくなりますから、ガソリン車かハイブリッド車かは、ご自身の使い方にあわせて選択すると良いでしょう。
自動車税の違い
自動車税(種別割)は、自動車の所有者が納める都道府県税です。4月1日に所有者として車検証に登録されている者に対し、5月上旬に都税総合事務センターから納税通知書が届きます。
5月末日(納期限)までに納めないと督促がきて、余計な追徴金を払わなくてはならないこともありますので注意が必要です。
払えない場合などは、事前に都道府県税事務所に申し出て相談することが大切です。
乗用車の税額はエンジンの総排気量によって決められており、現行ノアはガソリン、ハイブリッドともに年額3万6000円です。
とくにハイブリッドモデルだからというくくりで減税されることはありません。またガソリン車は車両登録してから13年が経過すると15%加算された自動車税になりますが、まだまだ気にする年式ではありません。
自動車重量税
自動車重量税は、車両重量に応じて課される税金です。新車は3年ぶん、それ以降は車検の際に2年ぶんをまとめて支払います。
車両重量が1.6〜1.71tのノアですが、ハイブリッド車はエコカー減税対象車になっており、新車時は約3万円が減税されゼロ、初回車検時は2万円。
ガソリン車は新車時が4万9200円、車検時は3万2800円です。
こちらも13年を経過すると金額は上がってきますが、まだまだ気にする必要はありません。
車検その他整備費用
車検は、公道を走るためにはかならず受けなくてはならない制度です。車検切れの車両を公道で運転した場合、免停や罰金などが課せられます。
また、事故が起きた場合なども任意保険が使えなくなったりすることもありますので注意が必要です。車検には、法定費用が必要になってきます。
いずれもガソリン車とハイブリッド車で、おおきな違いはありません。
法定費用
法定費用は車検を受けるために必要な費用です。上記の重量税にくわえて、自賠責保険料、印紙代、検査ライン使用料が必要になってきます。
これらは、国や自治体に納めるもので、値引きや割引はありません。車検の際にはかならず必要になります。
車検基本料
車検基本料には、「24ヶ月点検」「測定検査料」「車検代行手数料」などが費用としてふくまれます。
これは車検をお願いする業者に払うもので、正規ディーラーよりも整備工場やカーショップなどのほうが安価に設定されています。
ただし現行型ノアの場合、新車購入時にメンテナンスパックに加入していたり、ちょっとした不具合もメーカー保証を使ったほうが安上がりだったり、また延長保証に加入するにはディーラーでの定期点検を受けているなどの条件があるので、一時の安さよりも数年後をふくめたトータルで考えることが必要です。
自動車保険
自動車保険には、すべての自動車保有者が加入を義務付けられている「自賠責保険」と補償を任意で選び加入する任意保険の2種類があります。
・自賠責保険
車に詳しくない方にもわかりやすく「強制保険」とも言われる保険がこちらです。
車検の際に有効期限が24ヶ月以上あるものがないと、車の整備をしっかりしていい状態のものでも、車検には合格することができません。
新車時の費用は、新車時は24,190円(37ヶ月)、車検の継続検査の場合は17,650円(24ヶ月)または、25ヶ月の18,160円を支払います。
・任意保険
自賠責保険での補償は対人賠償のみで、補償金額も死亡で最高3,000万円、後遺障害で4,000万円、傷害による損害は120万円と、事故によっては明らかに足りないといわれます。
また、対物には対応していないので、全額、自腹ということになり、対象物によっては数千万円の修理代金が来る可能性も出てきます。
それらの補償をカバーするのが任意保険です。通販型のほうが、安価な傾向にありますが、自分にとって適切な保証がわからない場合などは大手の損保会社など、保険代理人が説明するところでしましょう。
長い期間、距離を乗るならハイブリッドだが中古車ならガソリンがおすすめ
2024年9月現在、価格ドットコムに掲載されている4代目ノアの物件価格は、ガソリン車が228〜460万円、対してハイブリッド車は268〜524万円と、新車時よりも差額がおおきくなっています。
これらをふまえて考えると、新車ならハイブリッド車という選択もアリですが、中古で買うなら圧倒的にガソリン車がお得です。