ノア(80系)の特別仕様車”W×B(ダブルバイビー)”ってノーマルとなにが違う?
2022年に新型がデビューしてからも、中古車で安定した人気を獲得しているミニバンが、トヨタのノア/ヴォクシー/エスクァイアの3兄弟です。
なかでも先代(80系)ノアの特別仕様車“W×B(ダブルバイビー)”は、上級グレードのSiに特別装備が施されたお買い得モデル。
2016年に初登場してから現行型の90系にモデルチェンジが行われるまで、4つの”W×B”が販売されました。
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- ブラックを基調としたモノトーンでまとめられたエクステリア
- ”W×B”第一弾は、専用装備で全体の質感を向上
- MC後最初の”W×B”は2017年に発売
- ”W×B Ⅱ”は2019年の一部改良に合わせて登場
- 最後の”W×B Ⅲ”は2020年発売
- ノア“W×B”は中古で狙おう
ブラックを基調としたモノトーンでまとめられたエクステリア
80系ノアに用意された特別仕様車”W×B(ダブルバイビー)”は、最初のマイナーチェンジが敢行される前年の2016年の7月にはじめてラインナップされました。
このときは、マイナーチェンジ前の売り切りのための特別仕様車といった意味合いが強かったのだと思いますが、予想以上にユーザーからの反応が良かったのか、2017年のマイナーチェンジから4ヶ月後には早くも第2弾の”W×B”が投入されます。
Wはホワイト、Bはブラックの意味で、車両はブラックを基調としたモノトーンでまとめられていることが特徴です。
その後”W×B”は、2019年に”W×B Ⅱ”、2020年に”W×B Ⅲ”が販売されました。
いずれもベースは、3つあるグレードのなかでもっとも上位に位置するSiで、それに”W×B”専用装備を追加することで商品価値を高めています。
”W×B”第一弾は、専用装備で全体の質感を向上
2017年のマイナーチェンジ前に用意された特別仕様車の”W×B”は、専用装備で質感アップを狙ったものでした。
おもな変更点は、天井やピラーなどのインテリアをブラックで統一したブラック×ブラックの専用内装に、ファブリックと合成皮革を組み合わせたシート表皮にアクセントカラーとしてホワイトのステッチを施した専用シート、ピアノブラック塗装のセンタークラスターパネルなどで、室内の質感を向上。
エクステリアは、スモークメッキ加飾のフロントフードモールやフロントバンパー、ロアモールに、専用のフロントグリルやグリルモール、ドアハンドル、スモークメッキのフォグランプベゼルなどでスタイリッシュな印象となっていました。
またワンタッチスイッチ付デュアルパワースライドドアを特別装備したほか、クルーズコントロールを装備するなど便利機能も向上していました。
MC後最初の”W×B”は2017年に発売
フロントマスクのデザインがおおきく変わった後期型に特別仕様車の”W×B”がラインナップに追加されたのは、マイナーチェンジと同じ2017年の11月でした。
エクステリアは、ドアハンドル、バックドアガーニッシュとリアコンビネーションランプガーニッシュがメッキとスモークメッキにそれぞれ変更、さらに”W×B”専用エンブレムがセットされる程度で、特別装備はおもにインテリアに振り向けられました。
具体的には、内装色にブラック&フロマージュ(特別設定色)またはブラックを設定し、モノトーンの世界観を創出。
さらに合成皮革+ファブリック(消臭機能付き)の専用シートには、“W×B”の専用エンブレムとホワイトステッチを施すとともに、メッキ加飾のインサイドドアハンドルに変更してスタイリッシュな印象を際立たせています。
またワンタッチスイッチ付デュアルパワースライドドア(デュアルイージークローザー、挟み込み防止機能付)、リヤオートエアコン、LEDルームランプを特別装備して利便性をアップしています。
”W×B Ⅱ”は2019年の一部改良に合わせて登場
2019年1月にノア/ヴォクシー/エスクァイアのミニバン3兄弟に一部改良が入って、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」に昼間の歩行者も検知するプリクラッシュセーフティが採用されるとともに、インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]が新たに設定されました。
このタイミングに合わせて用意された特別仕様車が、第3段となる”W×B Ⅱ”です。
エクステリアの変更点は、Bi-Beam LEDヘッドランプ+LEDクリアランスランプがブラックエクステンションからスモークメッキエクステンションへと変更。LEDフォグランプもカバー部分に黒艶塗装を施して、フロントマスクに精悍な印象を与えています。
またドアハンドルをメッキに、バックドアガーニッシュとリアコンビネーションランプガーニッシュをスモークメッキに変更することで、高級感と上質感を高めました。"W×B"専用エンブレムもセットされます。
運転席側と助手席側の両方にパワースライドドアを標準装備したこともポイントです。
インテリアは、2017年発売の”W×B”同様のブラック&フロマージュの内装を基本に、合成皮革+ファブリックのシートは背もたれと座面にブラックとフロマージュの縦縞のグラデーションまたはホワイトステッチ付きのブラックを用意。
またドアトリムオーナメントが合成皮革となるほかドアハンドルをメッキに変更、さらにマルチインフォメーションディスプレイフードにピアノブラック塗装を施されて全体の質感を引き上げています。
さらにリアオートエアコンを標準装備。オーディオは、薄型の天井スピーカーを追加した6スピーカーとすることで、迫力のサウンドを楽しむことができます。
最後の”W×B Ⅲ”は2020年発売
”W×B Ⅲ”は、基本的に前年に発売された”W×BⅡ”がアップグレードされたものと見て良いでしょう。
”W×B Ⅲ”で追加された変更点は、室内の黒木目調加工を施した本革巻き3本スポークステアリングホイールと、本革巻きシフトノブ(ガソリン車)。
さらにスーパーUVカット、IRカット、撥水機能付ガラス、LEDルームランプ、ナノイーなどで、その他は”W×BⅡ”と同様です。
ノア“W×B”は中古で狙おう
マイナーチェンジ前と後を合わせると、80系で4度発売された特別仕様車の“W×B”は、新型が発売されたにもかかわらず人気が高く、2023年10月現在、最終型となった”W×B Ⅲ”では程度が良ければ、いまだ中古車両価格は200万円台後半、支払い総額では300万円に届く個体もチラホラ見かけます。
少しでも安くて装備が充実しているノアを探しているのであれば、Siという選択肢もありますが、”W×B”の特別装備を考えるとSiとの差額も納得できると思います。
もしもアナタが同じような条件のノーマルのSiと“W×B”で迷ったら、“W×B”を選んでおけば間違いないでしょう。