プリウス(トヨタ) モデルチェンジ情報
世界初の量産型ハイブリッドカー、トヨタ・プリウス。ガソリンエンジンと電動モーターで走行するこのクルマは世界93か国で販売されています。
- Chapter
- 概要
- モデルチェンジの歴史・略年表
- ハイブリッドカーの方式とトヨタハイブリッドシステム(THS)の特徴
- 初代(NHW1#・1997〜2003年)
- 2代目(NHW20・2003〜2011年)
- 3代目(ZVW3#・2009年〜2015年)
- 4代目(ZVW5#・2015年〜)
- 競合車との比較
- 今後のフルモデルチェンジ予定
- まとめ
概要
発売は1997年ですが、世界的に環境問題が社会問題として認識されてきた中での登場でした。
発売当初は、初の量産型ハイブリッドカーであり、圧倒的な燃費性能で注目はされたものの、主流のガソリンエンジン車と比較して割高であったことなどで、現在ほど人気のある車ではありませんでした。
しかし、ガソリン価格が高水準に推移したため燃費性能を意識する人が増えたことや、環境意識が高まったこと、エコカー減税が導入されたことなどで、徐々にハイブリッドカー、プリウスの人気は高まり、ついに販売台数1位の座を獲得するクルマとなりました。
現在はプリウスの他にも多数のハイブリッドカーが販売されていますが、プリウスの圧倒的な燃費性能は、原油高と長い不況の間でガソリン代を抑えたいというニーズに応え、「ハイブリッドカーといえばプリウス」というブランドを確立し、販売台数で毎年1,2位を争う人気車種となっています。
モデルチェンジの歴史・略年表
1997年 | 初代NHW1#プリウス 発売 |
---|---|
2000年 | マイナーチェンジ |
2003年 | フルモデルチェンジ 2代目NHW20プリウス 発売 |
2005年 | マイナーチェンジ |
2009年 | フルモデルチェンジ 3代目ZVW3#プリウス 発売 |
2011年 | マイナーチェンジ |
2015年 | フルモデルチェンジ 4代目ZVW5#プリウス 発売 |
2018年 | マイナーチェンジ |
ハイブリッドカーの方式とトヨタハイブリッドシステム(THS)の特徴
ハイブリッドカーはガソリンエンジンと電動モーターで走行するクルマですが、意外に歴史が古く、石油ショックのあった1970年代から研究されていました。
ハイブリッドカーの走行方式は3つあり、シリーズ方式、パラレル方式、そしてシリーズ・パラレル方式(スプリット方式とも言われます。)です。
従来研究されていた方式はパラレル方式、シリーズ方式でしたが、航続距離や燃費性能、走行性能について問題点がありました。
しかし、プリウスのトヨタハイブリッドシステム(THS)はシリーズ・パラレル方式を初めて採用し、それまで研究されてきたハイブリッドシステムの課題を克服しました。このことがプリウスが支持され、プリウスがハイブリッドカーの代名詞的なクルマとなった原因のひとつでもあります。
(1)パラレル方式
駆動装置(パワートレイン)は、ガソリンエンジンとモーター、バッテリーで構成され、発電機は搭載しておらず、モーターが発電機を兼ねます。
走行はガソリンエンジンが主に担い、補助的にモーターが使われるという方式です。
モーターは発電機も兼ねているのでエンジンの補助か発電のどちらかにしか使えず、モーターはバッテリーに十分電気が蓄電されているときはエンジンの補助を、蓄電が不十分なときは発電に利用されます。
構造がシンプルですので、コストが安いというメリットがありますが、モーターは走行の補助装置という位置づけで、主にガソリンエンジンで走行するので、燃費性能は他の方式よりも劣ります。
(2)シリーズ方式
モーターだけで走行し、エンジンは発電に徹するという方式です。電気自動車の一種です。ガソリンエンジン、モーター、発電機、バッテリーで構成されています。
モーターは起動時に最大トルクが発生するため、発進時や低速時は走行がスムーズですが、中高速時はパワー不足となりがちで、走行性能に不足を感じます。
また、ガソリンエンジンと電気自動車のシステムが共存するので、重量が重くなりがちです。
(3)シリーズ・パラレル方式
燃費性能と走行性能について、パラレル方式とシリーズ方式のいいとこ取りを狙った方式がシリーズ・パラレル方式です。ガソリンエンジン、モーター、発電機、バッテリー、動力分割機構で構成されます。
パラレル方式と違い、発電機を搭載していることから常に発電してモーターに電力を送ることができるため、燃費効率はパラレル方式よりも高くなります。
また、走行時はモーターのみと、モーターとガソリンエンジンの併用の選択が可能ですので、常に最適な走行性能で走行することができ、シリーズ方式の欠点を克服しています。
シリーズ方式、パラレル方式それぞれのデメリットを克服した方式ですが、機構が複雑で、部品も多くなることから価格が高くなります。
初代(NHW1#・1997〜2003年)
外観
プリウスは、2代目以降から現在の4代目まで、ボディタイプは3ナンバーの5ドアハッチバックですが、初代プリウスは4ドアセダンで5ナンバー車でした。ボディサイズは全長4,275mm×全幅1,695mm×全高1,490mmです。
インテリア/装備
プリウスのインテリアを特徴づけるセンターメーターや、マルチインフォメーションディスプレイを搭載しているクルマは、発売された当時、非常に珍しいものでした。
エンジン
・1NZ-FXE
初代プリウスに採用されている1NZ-FXEエンジンは、トヨタのNZエンジン系列のひとつで、水冷直列4気筒・アルミダイキャスト製ガソリンエンジンです。NZエンジンはトヨタの主要な小型車に採用されており、プリウスの他にはアクア、ヴィッツ、カローラフィールダーといったクルマに採用されています。
走行性能
最高出力 | 最大トルク | |
---|---|---|
ガソリンエンジン | 56kw | 110Nm |
モーター | 33kw | 350Nm |
燃費性能
28~31km/L
発売当時は同程度のガソリンエンジン車との比較で驚異的な燃費でした。単純比較はできませんが、同時期に販売されていた、サイズがほぼ同じの8代目カローラ(1995年~2000年)の燃費は10.6km/Lでした。
マイナーチェンジ(前/後の変化について)
2000年
燃費は29.0km/L(10.15モード)に向上し、バンパー形状が変更されました。また、グレード体系が変更されて、グレードSとGの2グレードになっています。
各グレードについて
・S 標準グレード
・G 上級グレード
グレード一覧
・プリウス 1997年11月モデル
・プリウス 1998年12月モデル
・プリウス 1999年01月モデル
・プリウス 1999年12月モデル
・プリウス 2000年01月モデル
マイナーチェンジ後
・プリウス 2000年06月モデル
・プリウス 2001年02月モデル
・プリウス 2001年08月モデル
・プリウス 2002年01月モデル
・プリウス 2002年02月モデル
・プリウス 2002年08月モデル