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プリウス(トヨタ) 初代(10系)〜4代目(50系)車両解説

プリウス A ツーリングセレクション

世界初の量産型ハイブリッドカー、トヨタ・プリウス。ガソリンエンジンと電動モーターで走行するこのクルマは世界93か国で販売されています。

プリウスの初代(10系)から4代目(50系)まで、歴代プリウスの外観・エンジン・インテリア、装備、マイナーチェンジ情報。

グレード別スペックなど、どこよりも豊富な情報で歴代プリウスを解説します。

Chapter
概要
モデルチェンジの歴史・略年表
ハイブリッドカーの方式とトヨタハイブリッドシステム(THS)の特徴
初代(NHW1#・1997〜2003年)
2代目(NHW20・2003〜2011年)
3代目(ZVW3#・2009年〜2015年)
4代目(ZVW5#・2015年〜)
競合車との比較
まとめ

概要

プリウス A ツーリングセレクション

発売は1997年ですが、世界的に環境問題が社会問題として認識されてきたなかでの登場でした。

発売当初は、初の量産型ハイブリッドカーであり、圧倒的な燃費性能で注目されたものの、主流のガソリンエンジン車と比較して割高であったことなどにより、現在ほど人気のあるモデルではありませんでした。

しかし、ガソリン価格が高水準に推移したため燃費性能を意識する人が増えたことや、環境意識が高まったこと、エコカー減税が導入されたことなどで、徐々にプリウスの人気は高まり、ついに販売台数1位の座を獲得するクルマとなりました。

現在はプリウスの他にも多数のハイブリッドカーが販売されていますが、プリウスの圧倒的な燃費性能は、原油高と長い不況の間でガソリン代を抑えたいというニーズに応え、「ハイブリッドカーといえばプリウス」というブランドを確立しています。

モデルチェンジの歴史・略年表

1997年 初代(10系)プリウス 発売
2000年 マイナーチェンジ
2003年 フルモデルチェンジ 2代目(20系)プリウス 発売
2005年 マイナーチェンジ
2009年 フルモデルチェンジ 3代目(30系)プリウス 発売
2011年 マイナーチェンジ
2015年 フルモデルチェンジ 4代目(50系)プリウス 発売
2018年 マイナーチェンジ
2023年 フルモデルチェンジ 5代目(60系)プリウス 発売

ハイブリッドカーの方式とトヨタハイブリッドシステム(THS)の特徴

トヨタ プリウス

ハイブリッドカーは異なる動力で走行するクルマのことで、意外に歴史が古く、トヨタでは石油ショックのあった1970年代から本格的に研究されていました。

現在、主流の動エンジンと電動モーターによるハイブリッドシステムは、シリーズ方式パラレル方式、そしてシリーズ・パラレル方式スプリット方式)という3つの方式にわけることができます。

プリウスでは、そのうちのシリーズ・パラレル方式を採用し、それまで研究されてきたハイブリッドシステムの課題を克服しました。

(1)パラレル方式

駆動装置(パワートレイン)は、ガソリンエンジンとモーター、バッテリーで構成され、発電機は搭載しておらず、モーターが発電機を兼ねます。

走行はガソリンエンジンがおもに担い、補助的にモーターが使われるという方式です。

モーターは発電機も兼ねているのでエンジンの補助か発電のどちらかにしか使えず、モーターはバッテリーに十分電気が蓄電されているときはエンジンの補助を、蓄電が不十分なときは発電に利用されます。

構造がシンプルですので、コストが安いというメリットがありますが、モーターは走行の補助装置という位置づけで、おもにガソリンエンジンで走行するので、燃費性能は他の方式よりも劣ります。

(2)シリーズ方式

モーターだけで走行し、エンジンは発電に徹するという方式です。電気自動車の一種です。ガソリンエンジン、モーター、発電機、バッテリーで構成されています。

モーターは起動時に最大トルクが発生するため、発進時や低速時は走行がスムーズですが、中高速時はパワー不足となりがちで、走行性能に不足を感じます。

また、ガソリンエンジンと電気自動車のシステムが共存するので、重量が重くなりがちです。

(3)シリーズ・パラレル方式

燃費性能と走行性能について、パラレル方式とシリーズ方式のいいとこ取りを狙った方式がシリーズ・パラレル方式です。ガソリンエンジン、モーター、発電機、バッテリー、動力分割機構で構成されます。

パラレル方式と違い、発電機を搭載していることからつねに発電してモーターに電力を送ることができるため、燃費効率はパラレル方式よりも高くなります。

また、走行時はモーターのみと、モーターとガソリンエンジンの併用の選択が可能ですので、常に最適な走行性能で走行することができ、シリーズ方式の欠点を克服しています。

シリーズ方式、パラレル方式それぞれのデメリットを克服した方式ですが、機構が複雑で、部品も多くなることから価格が高くなります。

初代(NHW1#・1997〜2003年)

トヨタ プリウス 初代

外観

プリウスは、2代目以降から現在の4代目まで、ボディタイプは3ナンバーの5ドアハッチバックですが、初代プリウスは4ドアセダンで5ナンバー車でした。

ボディサイズは全長4,275mm×全幅1,695mm×全高1,490mmです。

インテリア/装備

プリウスのインテリアを特徴づけるセンターメーターや、マルチインフォメーションディスプレイを搭載しているクルマは、発売された当時、非常に珍しいものでした。

エンジン

初代プリウスに採用されている1NZ-FXEエンジンは、トヨタのNZエンジン系列のひとつで、水冷直列4気筒アルミダイキャスト製ガソリンエンジンです。

NZエンジンはトヨタの主要な小型車に採用されており、プリウスの他にはアクア、ヴィッツ、カローラフィールダーといったクルマに採用されています。

走行性能

  最高出力 最大トルク
ガソリンエンジン 43kw(58PS) 102Nm
モーター 30kw(41PS) 305Nm
システム出力 74kW(101PS)※2003年型  

燃費性能

28.0km/Lという燃費(10・15モード)は、発売当時は同程度のガソリンエンジン車(8代目カローラ:10.6km/L)との比較で驚異的なものでした。

その後、改良を重ね、最終型では31.0km/L(10・15モード)という低燃費を実現していました。

マイナーチェンジ(前/後の変化について)

2000年
燃費は29.0km/L(10.15モード)に向上し、バンパー形状が変更されました。また、グレード体系が変更されて、グレードSとGの2グレードになっています。

各グレードについて

・S 標準グレード
・G 上級グレード

グレード一覧

・初代プリウス カタログ一覧

2代目(NHW20・2003〜2011年)

トヨタ プリウス 2代目

外観

初代プリウスは4ドアセダンでしたが、2代目から5ドアハッチバックとなり、ボディタイプは大きく変更されました。

ボディサイズは全長4,445mm×全幅1,725mm×全高1,490mm。初代からやや大きくなり、中型サイズの3ナンバー車となっています。

また、ハイブリッドカーのスタイリングとして今では定着した三角形のデザイン「トライアングルシルエット」は2代目から採用されました。このデザインはプリウスの他、アクアにも採用されています。

インテリア/装備

2代目プリウスには、発売当時の最新技術が投入され、次の装備を備えています。

・モーターのみの走行が選択可能な「EVモード」
・アイドリングストップ中もバッテリーを電源として動作可能な電動インバーターエアコン
・キーをポケットに入れたままドアノブに手を掛けるだけでロック解除、そのままブレーキペダルを踏みながらパワースイッチを押すだけでハイブリッドシステムが始動する「スマートエントリー」
・イモビライザー

エンジン

2代目プリウスではハイブリッドシステムが進化し、THS-Ⅱ(トヨタハイブリッドシステム2)が搭載されています。

エンジンは初代と同様の1NZ-FXEですが、モーターの出力が33Kwから50Kwに高められ、さらに燃費性能も大幅に向上して35.5kmL(10・15モード)となっています。

安全性能

安全装備は、発売当時の最新技術が使用されており、次の装備を備えています。

・後方カメラの映像上で場所を指定するだけで駐車時のハンドル操作を自動化できる「インテリジェントパーキングアシスト」
・横滑り防止機構と電動パワーステアリングを統合制御する「S-VSC」

マイナーチェンジ(前/後の変化について)

2005年

デザインの大幅な変更はありませんでしたが、「HYBRID」の文字エンブレムがトヨタのハイブリッドカーとして初めてフロントフェンダー部にも装着されました。

フロントグリルフィンをメッキ処理化、ヘッドライトエクステンションのブルー着色に変更されました。

リヤワイパーの標準装備化、リアコンビネーションランプLED部の色が黒からクリアに変更されました。
メーカーオプションのナビはDVDからHDDに変更となりました。

各グレードについて

・Sグレード(標準グレード)
ハイブリッドシステムやABS・TRCなどの安全装備、室内の操作系や収納スペース等の基本性能はGグレードと同様です。

オーディオはマイナーチェンジ前がFM・AMラジオとCDプレーヤーのみで、マイナーチェンジ後はCD/MDプレーヤーとなっています。

・Gグレード(上級グレード)
Sグレードに装備されずGグレードに実装されている装備として、スマートエントリーと、安全装置として横滑り防止のS-VSCがあります。オーディオはFM・AMラジオ・MDプレーヤー・6連奏CDチェンジャーとなっています。

グレード一覧

2代目プリウス カタログ一覧

3代目(ZVW3#・2009年〜2015年)

トヨタ プリウス 3代目

3代目プリウスは、デザインは2代目をほぼ引き継いだ5ドアハッチバックです。

2代目からの大きな変更点は、エンジンが1500ccから1800ccとなり、さらに小型・高回転のモーター&トルクを増幅させるリダクションギアが採用されたため、走行性能が大きくパワーアップしたことです。

ハイブリッドカーは非力という評判もあったのですが、それを克服したことで、完成度の高いクルマとなりました。日本の販売ランキング1位を獲得したプリウスはこの3代目からです。

外観

ボディサイズは全長4,460mm×全幅1,745mm×全高1,490mmです。

デザインは2代目から引き続き三角形の「トライアングルシルエット」ですが、2代目よりも若干大きくなっています。これはプラットフォームがオーリスなどと同じ「新MCプラットフォーム」が採用されたためです。

インテリア/装備

シフトレバーがセンターコンソールに移設され操作性の向上が図られました。

ハイブリッドシステムの作動状況を表示するエレクトロニック・マルチビジョンの代わりに、新たに「エコ・ドライブモニター」として小型・独立化されてセンターメーター内に設置されました。これによりメーカーオプション品以外のオーディオなどが装備できるようになっています。

走行性能/燃費性能

エンジンは初代、2代目で採用されていた1NZ-FXEからZR系の2ZR-FXEに変更されました。

ZR系エンジンは、水冷直列4気筒ガソリンエンジンで、トヨタの中型車に採用されています。プリウスの他には、ノアやヴォクシー、ウィッシュといったミニバンに搭載されています。

これまでのエンジンよりも冷却性が向上しており、同時に可変バルブ機構が採用されてパワーと低回転域でのトルクが向上し、燃費も改善しています。

排気量は2代目までの1.5リッターから1.8リッターにアップしています。また、燃費性能(JC08モード)は30.4~32.6km/Lに向上しました。

マイナーチェンジ(前/後の変化について)

2011年
フロントバンパーとフロントグリルのデザインが変更され、また、SグレードとGグレードの標準仕様車はヘッドランプがハロゲン式からディスチャージ式ヘ、クリアランスランプはLグレードを除いて全車LED式へと変更。リアコンビランプのデザインも変更されました。

インテリアは、センターパネル部の加飾部分をブラックからシルバーメタリックに変更され、シフトノブ周り、ドアトリムオーナメント、ステアリングスイッチベースに高輝度シルバー塗装を施して質感を向上させました。

このほか、エコドライブモニターのグラフィック改良やコンソールボックスのカップホルダーをオープン収納式に変更するなど、ユーザビリティの改善が図られています。

「G」グレード以上には「JBLプレミアムサウンドシステム」と「スーパーUVカットガラス」などの装備を新設定しました。

各グレードについて

・L
最廉価グレードで、営業車両としても使用されています。車両重量を少しでも軽くするために、ルーフサイレンサーやダッシュパネルサイレンサー、インパネアンダーカバーなど静粛性に関わる一部の部材を使用していません。それでいて十分な静粛性は確保されています。

シートは中級グレードのSと同じ素材です。なお、2011年に行われたマイナーチェンジ後はこれまで備わっていなかったCDオーディオが装備されました。

・S
標準グレードです。リアワイパー、シートアジャスター、スマートキー、大型コンソールボックス、ディスチャージヘッドランプが装備されています。

・G
最上級グレードです。Sの装備に加えて、パワーシート、雨滴感知式ワイパー,ソフトレザーシート,スマートキー(助手席・バックドア)等が追加されます。

・Sツーリングセレクション
グレードSの走行性能に関係する部分のチューニングに主眼に置いたオプションパッケージです。トヨタブランド車初採用のLEDヘッドランプを装備し標準仕様と差別化しています。車体底部にはフロアアンダーカバーに加え、リアバンパースポイラーを標準装備し空力チューニングが施されています。

215/45R17サイズの低偏平タイヤに専用意匠の17インチアルミホイールを装着し、乗り心地を改善する入力分離式のアッパーサポートが組み込まれる専用チューニングのサスペンションを搭載しています。

低燃費タイヤではないため、他グレードと比べて燃費はやや劣ります。また、パワーステアリングにブラシレスモーターを用いて動作を早くさせています。

・Gツーリングセレクション
グレードGのツーリングセレクションで、Sツーリングセレクションと同様、グレードGの走行性能に関するチューニングが施されています。

また、最上級グレードとして、本革シートとプリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール、HDDナビゲーションシステム(6スピーカー仕様)、インテリジェントパーキングアシストシステムが追加された「G ツーリングセレクション・レザーパッケージ」もあります。

特別仕様車

・LEDエディション
グレードSとGをベース車とし、ハロゲン式ヘッドランプから「ツーリングセレクション」専用装備のLEDヘッドランプを装備しています。

「S LEDエディション」ではアクアとミストグレーのツートーンスエード調ファブリックシート表皮とファブリック巻き大型コンソールボックス、本革巻きステアリングホイールを装備しています。

・MY COORDE(マイコーデ)
グレードSとS ツーリングセレクションをベースとした特別仕様車で2012年11月に発売。

シートカラー、インテリア加飾、ボディカラー、エクステリア加飾が選択可能で、クローム調ホイールやサイドガーニッシュ、フロントドアスーパーUVカットガラスが装備されています。

・G SPORTS (G's)
S ツーリングセレクションをベースとした特別仕様車で2011年12月に発売。

サイドシル部にスポット溶接増しが行われ、さらに車体前後の底部に補強ブレースを装着してボディ剛性を高め、G's専用のKYB製強化サスペンションにより車高が15mm下げられ、G'sブランド共通デザインの専用18インチアルミホイール、それに215/40R18サイズのスポーツタイヤを装備しており、通常のプリウスと比較して格段に操縦安定性とコーナーリング性能を向上させたクルマとなっています。

外観はG's専用デザインの前後バンパーにフロントLEDイルミネーションビーム、専用大径マフラーカッターを装備し、ヘッドランプとリヤコンビネーションランプのエクステンション部にブラック塗装を施し、内装はG'sブランド共通の専用シート表皮とレッドステッチ入りの本革巻きステアリングが装備され、専用加色のシフトノブや、フロントにサイドサポートを強化し上質な座り心地を持つ専用スポーツシート、さらにインパネとパワーウインドウスイッチベースにカーボン調の加飾が施され、アルミ製のペダルも採用されるなど、スポーティなイメージのカスタマイズ車です。

グレード一覧

・3代目プリウス カタログ一覧

4代目(ZVW5#・2015年〜)

トヨタ プリウス 4代目

外観

4代目から、新型プラットフォーム「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」が採用されており、前のモデルよりも車高が20mm下がり、低重心となったことで走行性が一層安定しています。

ボディサイズは、全長4540mm×全幅1760mm×全高1470mmとなりました。

トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)とは?

プラットフォームそのもののことではなく、車作りの方針のことです。4代目プリウスからこの方針に基づいて設計・開発されました。

①商品力の向上②グルーピング開発による効率化③ものづくり改革④グローバル標準への取り組み⑤TNGAと連動した調達戦略の5つからなる方針です。

TNGAに基づいて作られ、4代目プリウスで採用された新プラットフォームの特徴としては、コストダウン、軽量化、そして電子プラットフォームの改良があげられています。

インテリア/装備

運転状況などと連携した情報を、高精細な液晶画面に表示します。右側にあるステアリングスイッチで、ハイブリッドシステムインジケーターや燃費履歴など、エコ情報画面も表示できます。

また、グレードA以上、そして特別仕様車のS ”Safety Plus”では、カラーヘッドアップディスプレイが実装されています。

カラーヘッドアップディスプレイは、車速やハイブリッドシステムインジケーターといったさまざまな案内情報をウインドシールドガラスの視野内にに表示し、情報が瞬時にわかります。

シートはグレードEではファブリック、グレードS、Aでは上級ファブリック、そしてS,Aグレードの”ツーリングセレクション”では合成皮革を採用。

さらにグレードA以上とSツーリングセレクションには、”快適温熱シート”が実装され、寒い日でも温かく、快適に過ごせます。

荷室はハイブリッドシステムを小型化し、リアシート下へ移動することで、大容量の502リットルを実現しています。ゴルフクラブが4個入ります。

エンジン

エンジンは前のモデルと同様に、1.8リッターの2ZR-FXE型が採用されていますが、熱効率の向上とパワートレイン全体の小型化、軽量化の結果、燃費性能が大幅に改善し、40.8km/L(JC08モード)を実現しました。

2ZR-FXEエンジンは、トヨタのZRエンジン系列に属するエンジンです。ZRエンジンは水冷直列4気筒ガソリンエンジンで、トヨタの主要中型車に採用されています。

走行性能

最高出力は73Kw最大トルクは142Nmです。

4代目プリウスから、電動式4輪駆動システム(E-Four)もラインナップに加わりました。通常時は前輪駆動ですが、フロントタイヤのスピンを検知すると後輪にも駆動力を配分する仕組みとなっています。

安全性能

・トヨタセーフティセンスP
ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した検知センサーと、それに基づく統合的な制御により、 クルマだけではなく、歩行者の認識も可能になり、事故の回避や衝突被害の軽減を支援する仕組みで構成されるトヨタの安全装備のパッケージです。

・プリクラッシュセーフティシステム
前方の車両や歩行者をミリ波レーダーと単眼カメラで検出し、警報ブザーとディスプレイ表示で衝突の可能性を知らせます。運転者がブレーキを踏めた場合はプリクラッシュブレーキアシスト、ブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動し、衝突回避または被害軽減をサポートする仕組みです。

・レーンディパーチャーアラート
道路上の白線(黄線)を単眼カメラで認識し、ドライバーがウインカー操作を行わずに車線を逸脱する可能性がある場合、ブザーとディスプレイ表示による警報で知らせます。
それに加えて電動パワーステアリングを制御することで、車線逸脱を回避しやすいようにドライバーのステアリング操作をサポートする仕組みです。

・オートマチックハイビーム
ハイビームとロービームが自動で切り替わり、夜間の歩行者などの早期発見をサポートする仕組みです。切り替え忘れを防ぐほか、手動操作の煩わしさもなくなります。

・レーダークルーズコントロール
ミリ波レーダーと単眼カメラで先行車を認識し、車速に応じた車間距離を保ちながら追従走行を支援する仕組みです。先行車が停止した時は自車も停止して停止状態を保持し、先行車が発進した時はドライバー操作により発進し、追従走行を再開します。
高速道路の渋滞走行時など、停止・発進を繰り返すシーンで、ドライバーの運転負荷を大幅に軽減させる仕組みです。

・ブラインドスポットモニター
右隣の車線を走る車両をレーダーで検知し、車両が死角エリアに入ると、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターが点灯します。
そのとき、気づかずにサイドターンランプを点滅させるとLEDインジケーターも点滅し、ドライバーに注意を促す仕組みです。

・シンプルインテリジェントパーキングアシスト
超音波センサーにより空間を認識しており、駐車したいスペースの前で停車してスイッチを押すだけで、適切な後退開始位置へ誘導する仕組みです。白線がない場所や暗闇時でも駐車が簡単になります。

・全方位コンパティビリティボディ
衝撃吸収ボディと高強度キャビンからできており、最新の衝突安全ボディです。
重量・車高の異なる車同士の衝突時における共存を追求するという概念で作られています。
また、ホットスタンプ材(超高張力鋼板)を最適に配置することで強固な骨格を実現し、優れた衝突安全性能となっています。

マイナーチェンジ

2018年
外観で大きく変わったのはヘッドライトとテールライト。挑戦的だったデザインからすっきりとした印象へと変更されました。インテリアは、インパネ(インストルメントパネル)やフロアコンソールトレイなどにブラック加飾が採用され、高級感のある装いとなりました。

「Toyota Safety Sence」は「E」・「S(「ツーリングセレクション」を含む)」に標準装備化されました。

後退時に左右後方から接近してくる車両を検知しドアミラーの点滅とブザーによって注意喚起するリアクロストラフィックアラートが、「A」と「Aプレミアム」(各グレードの「ツーリングセレクション」を含む)にT-Connect SDナビゲーションシステム又はナビレディセットとのセットでメーカーオプション設定されました。

ボディカラーは、オプションカラーだった「エモーショナルレッド」が「エモーショナルレッドII」に差し替わり、また「ダークブルーマイカメタリック」に替わり「ブルーメタリック」が追加されました。

特別仕様車

・S Safety Plus
標準グレードであるSをベースに、上級グレードのAの装備のうち、通常はSに追加できない下記の装備が追加され、それでいてグレードAよりも安いお得感のある仕様となっています。
 ・オートワイパー(雨滴感応式)
 ・自動防眩インナーミラー
 ・インテリジェントクリアランスソナー
 ・シンプルインテリジェントパーキングアシスト
 ・カラーヘッドアップディスプレイ

上記装備に加えてLEDフロントフォグランプ、Toyota Safety Sense P、ナビレディセットも追加されます。


各グレードについて

・E
最廉価グレード。タイヤサイズは195/65R15を装備。一通りの装備が搭載されている。JC08モード燃費はこのグレードのみ40.8km/Lとなっている。(その他のモデルは37.2km/L)

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド2,429,018円2,452,778円
・S
「E」に合成皮革巻きステアリングと大型コンソールボックスを追加した標準グレードです。また内装色やボディカラーなどの選択肢が「E」に比べて豊かなものとなっています。
なお、状況に応じて2WDから4WDに切り替わるe-fourを搭載しているのはこのSグレード以上のグレードになります。

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド2,693,520円2,717,280円
4WD(e-four)ハイブリッド2,887,920円2,911,680円
・S ツーリングセレクション
「S」に合成皮革シート表皮及び専用内装、専用タイヤ(215/45R17)・専用アルミホイール、専用リアバンパーを追加しています。運転席・助手席のシートは温熱シートになります。

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込
希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド2,628,327円2,652,087円
4WD(e-four)ハイブリッド2,822,727円2,846,487円
・A
「S」にToyota Safety Sense Pなどの先進装備を標準搭載した上級モデルです。運転席・助手席のシートは温熱シートになります。

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド2,777,563円2,795,923円
4WD(e-four)ハイブリッド2,971,963円2,990,323円
・A ツーリングセレクション
「A」に合成皮革シート表皮及び専用内装、専用タイヤ(215/45R17)・専用アルミホイール、専用リアバンパーを追加したモデル。運転席・助手席のシートは温熱シートになります。

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド2,926,800円2,945,160円
4WD(e-four)ハイブリッド3,121,200円3,139,560円
・Aプレミアム
本革シートや8WAYパワーシート、電動ランバーサポートなどが標準装備となっている最上級グレードです。運転席・助手席のシートは温熱シートになります。

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド3,107,455円3,125,815円
4WD(e-four)ハイブリッド3,301,855円3,320,215円
・Aプレミアム ツーリングセレクション
「Aプレミアム」に専用内装及び専用タイヤ(215/45R17)・専用アルミホイール、専用リアバンパーを追加したモデル。運転席・助手席のシートは温熱シートになります。

駆動方式パワートレイン希望小売価格・税込希望小売価格・税込
(北海道地区)
2WDハイブリッド3,199,745円3,218,105円
4WD(e-four)ハイブリッド3,394,145円3,412,505円

グレードの選び方

グレードについては、すでに述べましたが、ひととおり基本的な装備はそろっているグレードSか、安全装備が充実しているグレードA以上にするかで決めることになるでしょう。

グレードEは最も燃費がいいとはいえ、装備は貧弱さが否めません。個人ユースというより社用車向けのクルマです。

グレードSとグレードAの間はグレード間の価格差が最も大きく、新車価格で30万円ほど違ってきますが、これは、トヨタの最新鋭安全装備「TOYOTA SAFETY SENSE P」が装備されているか否かの違いとなります。

Toyota Safety Sense Pは評価の高い安全装備のパッケージですが、中でも、自動ブレーキの「プリクラッシュセーフティシステム」は非常に評価が高く、交通事故が起きる可能性が激減するものとして評価が高いです。これが搭載されていると任意保険の保険料が割引かれることもあります。

グレードA以上のAプレミアムやツーリングセレクションといったグレードはエクステリアやインテリアのグレードアップですので、予算とお好みに応じて選択すればよいでしょう。

グレード一覧(新車価格/ボディサイズ/燃費/排気量)

4代目プリウスカタログ一覧

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