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【プロ解説】一人勝ち状態のホンダ N-BOXが3代目に進化。そのポイントは?

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

“New Next Nippon Norimono”をキャッチコピーとした初代ホンダ N-BOXは、独創のセンタータンクレイアウトをはじめ、新エンジン&新CVTと基礎部分からすべて新開発された意欲作でした。

そのN-BOXが、2023年10月にフルモデルチェンジを行い3代目へと進化。その詳細を解説します。

Chapter
ママワゴンのイメージを払拭。いちやく軽のトップランカーに躍り出たN-BOX
ひと目でN-BOXとわかる四角いフォルム
広い室内空間と高い利便性がライバルを圧倒
パワートレーンは全体にチューニング

ママワゴンのイメージを払拭。いちやく軽のトップランカーに躍り出たN-BOX

ホンダ N-BOX 2011

ホンダ N-BOXの含まれる軽スーパーハイトワゴンは、かつて子育て期のお母さんをメインターゲットに開発されたという経緯もあり、セカンドカー的なイメージがつきまとっていました。

ところがホンダは新しいNシリーズを開発するにあたり、幅広いユーザーに対応できる性能とパッケージを備えたファーストカーとしての姿を追求

総合的な高性能を目指し開発されたN-BOXは、販売を開始した翌年の2012年度から世代が変わって2代目の2022年度まで、2014年をのぞくすべての年度で軽自動車新車販売台数ナンバーワンに輝き、2011年のデビュー以来、累計で販売された台数は350万台以上というベストセラーとなりました。

それを受けた3代目N-BOXは「HAPPY Rhythm BOX わたしも家族も、日本も、ハッピーになれる“幸せな生活リズム”をつくる」を開発コンセプトに、人びとの暮らしを豊かにするべく進化させました。

以下では、N-BOXと同時にリリースされたN-BOX カスタムを交えて、エクステリア(外装)、インテリア(内装)、走行&安全性能に分けて解説します。

ひと目でN-BOXとわかる四角いフォルム

ホンダ N-BOX 2023

エクステリア(外装)のポイントは、“ひと目でN-BOXとわかる四角いフォルム”と“シンプルながら高品位に進化したフロントフェイス”です。

N-BOXは安定感のある四角いフォルムを基本に、タイヤを車体の四隅に配置することで生まれるスタンス良さ、高いベルトラインによる安心感が特徴です。

ヘッドライトは人間の目の構造を参考に、どの角度から見ても自然に感じられる親しみやすいデザインを追求。内側のフロントグリルには身近にある家電製品に見られる丸穴デザインを採用することで、清潔感や新しさを表現しています。

サイドのキャラクターラインは、リアタイヤ前でキックアップすることで、ルーフピラーやルーフとの連続感を創出し、広い室内を頑丈な構造体が包み込むような見え方を追求。

ドアパネルはシンプルな面で構成することでボディ全体の塊感を強調。滑らかに隆起した前後フェンダーと、ボリュームのあるバンパーコーナーで、見た目の安定感を演出しています。

ホンダ N-BOX 2023

いっぽうN-BOX カスタムは、グロスブラックのパネルに六角形の吸気口を配置し、立体感のある緻密なデザインを採用することで、フォーマルな印象を強めています。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

ヘッドライトには、反射板や遮光板を用いずにレンズの作用のみで集光・遮光を行うダイレクトプロジェクト式フルLEDヘッドライトをホンダ車として初採用。

その上部のポジションランプと中央のアクセサリーランプは、横一文字に光るようデザインされ、ワイド感や存在感を強調します。

広い室内空間と高い利便性がライバルを圧倒

ホンダ N-BOX 2023

インテリア(内装)のポイントは、“広い室内空間”“配慮された視界”“高い利便性”の3つです。

室内空間の指針となる有効室内長(ペダルからテールゲートまでの長さ)は、コンパクトなエンジンや効率的なパッケージによりクラストップレベル。

デザインは、家族はもちろん、友達や仲間が自然に集い、みんなと楽しく過ごせる空間を目指し、インストルメントパネルをはじめ、ドアライニング、シートをシームレスかつラウンドイメージで表現。大型パーツの角を丸めることで、乗員に対してやさしい印象とされています。

室内のカラーは、N-BOXが暮らしに馴染むグレージュを基本とした優しい印象。シートにはグレージュとグレーの2トーンを採用するとともに、水平ラインを揃えることで広さと統一感を演出しています。

いっぽうN-BOX カスタムは、基本デザインこそN-BOXと共通ながら、ブラックでコーディネートすることで秘めたパフォーマンスの高さを感じさせます。

ホンダ N-BOX  2023

フロントの視界は、フラットなダッシュボードに加えて水平基調のインストルメントパネルを採用。さらにフード稜線と窓ガラスの下端ラインを進行方向と平行に連続させることで、走行中のクルマの傾きや向きを把握しやすく、車両感覚がつかみやすくなっています。

また高いアイポイントやフロント部分の短さに加えて、メーターをインホイールタイプに戻したことで、スッキリした視界と前方死角の削減を実現しています。

同時にフロントガラスのハーフシェードも廃止し、リアシートからの前方視界も向上したことで、長距離移動でも乗員全員が快適に過ごせるようになりました。

室内装備は、助手席の前のインパネトレーのほか、助手席用ドリンクホルダーをインストルメントパネル外側に配置。

リアシートは、スマートフォンやボックスティッシュなどが置ける大容量の大型サイドポケットを採用して利便性を高めています。

ラゲッジスペースは、初代からこだわってきた自転車の積載性を高めるべく、スライドボードの一部をくぼませることで、前輪を通しやすい形状にするとともに、自転車のスタンドを立てた際の安定性も向上しています。

ホンダ N-BOX 2023

ボディは、衝突安全性を高めながら軽量化により、2代目と同等の重量で高い剛性と剛性バランスを実現しました

また厚みのあるルーフライニングの採用や、フロアカーペットに遮音フィルムを追加するなどして、ロードノイズを低減。とくに高速走行時の静粛性が向上しています。

くわえてN-BOX カスタムでは、ルーフライニングにも吸音シートを採用することでより静粛性が高まっています。

パワートレーンは全体にチューニング

ホンダ N-BOX 2023 自然吸気

搭載されているエンジンは、自然吸気、ターボともに先代からのキャリーオーバーですが、CVTをふくめた全体の制御を見直すことで、扱いやすく上質な走りを実現しています。

また電動パワーステアリングをはじめ、フロントサスペンションアライメントの適正化、フロント&リアサスペンションの結合適正化。ターボ車ではフロント&リアバンパー減衰力の変更などにより、乗り心地や操縦安定性、ステアリングフィールを向上させました。

ホンダ N-BOX 2023

安全装備では、先進の安全運転システム「Honda SENSING」を全グレードに標準装備。近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能など、全13の機能でドライバーの運転をサポートします。

また、新世代コネクテッド技術を採用した車載通信モジュール「Honda CONNECT」をホンダの軽自動車として初採用。より安心・快適なカーライフが楽しめるコネクテッドサービス「ホンダトータルケアプレミアム」が利用できます。

新型ホンダ N-BOXの車両本体価格は、自然吸気エンジンを搭載したN-BOXが164万8900円~188万1000円。自然吸気とターボ、2つのエンジンを用意するN-BOX カスタムは184万9100円~236万2800円となっています。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

細部を煮詰めてより使いやすく質感をアップしたことで魅力を高めたエクステリアに、居心地の良さと静粛性を追求したインテリア、さらに高い安全性能など、軽自動車マーケットは、まだしばらくN-BOX優位が続きそうです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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