e-POWERで低燃費。3代目日産 ノートの維持費を解説
日産 ノートは2005年に、ワールドデビューをはたしたコンパクトカーです。
2020年に3回目のフルモデルチェンジを受けて、日産の電動パワートレーンである「e-POWER」を搭載した専用車種になりました。
ガソリンの高騰が続き家計にもインパクトを与えている現在、ノートの28.4km/Lという燃費はおおいに魅力です。そんなノートの維持費を調べてみました。
- Chapter
- 3代目ノートは、そろそろ中古車が増えてくる時期
- 日産 ノート維持費【税金】
- 日産 ノートの維持費【車検】
- 日産 ノートの維持費【保険関係】
- 日産 ノートの維持費【燃料代】
- 日産 ノートの維持費【メンテナンス費用】
- 日産 ノートの維持費【駐車場代】
- 新車と中古車、どちらがお得?
- 維持費という観点で選ぶならおすすめグレードはコレ
3代目ノートは、そろそろ中古車が増えてくる時期
日産 ノートの3代目(E13)は、2020年の11月24日に発表されました。
ボディサイズにそれほどの変更はなかったものの(全長は短くなった)、デザインの変更でモダンでシャープな印象を強めました。
パワートレーンは、第2世代に進化した「e-POWER」のみとされ、駆動方式はFFと4WD。FFはフロント、4WDは前後にモーターを配置しています。
「e-POWER」ってなに?という方に簡単に説明すると、エンジンとモーターを搭載するハイブリッドシステムのことです。
ただし、通常のハイブリッド車はエンジンとモーターもしくはそれぞれで動力を発生しますが、e-POWERのエンジンはジェネレーター(発電機)を駆動させるためだけに搭載されています。
つまり動力源はモーターのみで、EVのような走りを体感できるというわけです。
またモーターはエンジンと違って細かい制御が容易で、その特性を活かして雪道などの滑りやすい道でも走りやすくなっています。
当初は「S」「F」「X」に「AUTECH (オーテック)」をくわえた4グレード展開となっていたノートですが、2023年10月時点では世界的な原材料費や物流費などの高騰などの影響により、現在は「X」「AUTECH」「AUTECH CROSSOVER(オーテック クロスオーバー)」「AUTECH CROSSOVER+ACTIVE(オーテック クロスオーバー プラスアクティブ)」というラインナップになっています。
すべてのグレードに4WDを設定。プロパイロットは全車メーカーオプションです。
日産 ノート維持費【税金】
税金は、自動車税(種別割)と自動車重量税の2種類です。これらの税金には自動車の性能に応じて軽減措置が用意されています
自動車税(種別割)
自動車税は、毎年4月1日時点で車の車検証に記されている、所有者、使用者に対して課せられる地方税です。エンジン排気量によって税率が変わり、大排気量車ほど高くなります。
3代目ノートに搭載されるHR12DEエンジンの排気量は1,198ccなので、1年間の自動車税額は3万500円です。
自動車税の納付書は大抵の場合5月初旬に都道府県税事務所より送られてきます。納付期限までに納付することが義務づけられています。
3代目ノートは2020年デビューですので、13年以上の車歴に課せられる15%の増税はまだまだ先のことなので気にすることはありません。
自動車重量税(環境性能割)
自動車重量税は、自動車の車両重量に対して課税される税金です。車両重量0.5トンに対し新車登録時から12年までこの金額で課税されます。13年以降は金額が上昇します。
新車登録時に初回車検までの税金を納めますが、3代目ノートは、FFの2WD車が「2030年度燃費基準達成車」、4WD車は「2030年度燃費基準90%達成車」なので、どちらの車も初回車検までの自動車重量税は免税となり0円です。
3年目の初回車検以降は、1万5000円を車検ごとに納めます。
税金の軽減措置
■グリーン化特例
グリーン化特例は環境に優しい車に与えられた優遇税制です。燃費性能や、排出ガス量が優良な自動車について自動車税および軽自動車税の税率を低減させる税制です。
■環境性能割
環境性能割は、新車中古車に関係なく車を購入した際に掛かる税金です。以前の自動車取得税の代わりに導入されました。日産ノートは、免税車両です。
■エコカー減税
エコカー減税は、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税を減免するものです。
日産 ノートの維持費【車検】
日本では、新車登録から3年後に初回車検が必要で、それ以降は2年に一度の車検が必要になっています。ノートの車検は、以下のような費用がかかります。
法定費用
車検に必要な法定費用は、以下の通りです。
自動車重量税:自動車の車両重量によって課税される税金
自賠責保険料:自動車保険の一種で車を所有、運転する人が加入する保険
印紙代:検査や車検証の発行に関する手数料。車検を受ける場所によって若干の差があり、車検場に持ち込む場合は2,300円かかります。
これらの費用は、国や自治体に納めるもので、ディーラーや整備工場によって値段が変わると言うことはありません。
車検基本料金
車検の基本料金は、点検費用、整備費用、車検代行料などが含まれています。これはディーラー、整備工場、量販店、中古車販売店などの車検事業者に対して払うものです。
全体の維持費を抑えたいのであれば、いくつかの店舗で見積もりを取って基本料金を比較しましょう。
ガソリンスタンドやカー用品店での車検では、早めに予約をすることによりガソリン代がお得になったり、用品が値引きされるなどのサービスを受けられることがあります。
また店舗限定セールなど、来店してみないとわからないサービスも少なくありません。情報は足で探すことも忘れずに行いたいものです。
一般的にディーラーは高め、ガソリンスタンドやカー用品店、街の整備工場は工夫して値段を下げているところが多くなっています。
新車時は延長保証などもあるので、車検費用だけでみると結果的に損をする場合もありますのでよく検討することが大切です。
日産 ノートの維持費【保険関係】
自賠責保険(共済)
自賠責保険は、公道を走るすべての自動車に加入が義務付けられています。新車時に37ヶ月、継続車検時に24ヶ月加入します。
ただし継続車検の際、24ヶ月以上加入していないと車検に合格できませんので1ヶ月以上都合で車検が受けられない、もしくは中古で購入して車検切れの車を中古新規で購入する場合は、25ヶ月分の自賠責保険に加入します。
保険金額はどこの保険会社で加入しても、37ヶ月が24,190円、25ヶ月が18,160円、24ヶ月が17,650円です。
任意保険
自賠責保険で補償されるのは対人のみで、相手の車両、自分の車、もしくは他人の家や道路の建造物(ガードレールや中央分離帯、電光掲示板など)には保険は効きません。
対人も最高額が4,000万円ですので、万がいちの際は金額が足りないことも考えられます。そこで必要なのが任意保険です。
任意保険は、運転者の年齢、車両の使用方法(業務使用、日常レジャー、通勤通学)などによっても金額が変わってきますので、運転者の範囲や使用方法を事前に検討しておくことが大切です。
保険会社のシミュレーターを使って試しに30歳以上家族限定、免許証の色をブルー、年間走行距離9千km以下でネット型保険に見積もりしたところ、最初の6等級で一般型車両保険をつけると10万円強。車両保険がない場合は、約4万2000円が1年間の保険料になりました。
とはいえ保険でカバーする範囲は、どこまでがベストなのかわかりにくいものです。そんなときは大手保険会社の保険代理店で説明を受けながらの加入をおすすめします。
いずれにしても任意保険は、万がいちの際に補償のカバーができていないということがないようにしておきたいものです。
日産 ノートの維持費【燃料代】
燃料費の高騰により、ガソリンスタンドに行くことが憂鬱という人も少なくありません。できれば、燃料費も低く抑えたいものです。
ここでは、FFのXグレードで燃料費を考えてみたいと思います。
カタログ燃費は28.4km/L(WTLCモード)なので、1年間の走行距離を1万キロとした場合、およそ352Lのガソリンを使う計算です。使用ガソリンはレギュラーです。
これをリッターあたり 175 円で計算すると、年間で6万1600円の燃料費になります。
月平均約5千円という数字には、「e-POWER」とコンパクトカーの良さが存分にに現れています。
※ガソリン価格は資源エネルギー庁から発表された数値を参考にしています
日産 ノートの維持費【メンテナンス費用】
自動車は工業製品であり複雑な機械であるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
一般的には「チューニングされている車はメンテナンスが行き届いている」と言われますが、これはオーナーが車に対する情熱を持ち、こまめな予防整備を行っているからこそ実現されるものです。
いっぽう「普通に使っている車なら、問題ないでしょ」と考えるのは誤りです。なぜなら、自動車は日常の使用によりさまざまな部品が摩耗し、劣化するからです。
以下は主要なメンテナンス項目についての説明です。
オイル交換: エンジンオイルはエンジンの適切な潤滑と冷却を保つために定期的に交換する必要があります。新鮮なオイルはエンジン寿命を延ばし、効率を向上させます。
ブレーキパッド交換: ブレーキパッドは制動力を提供する重要な部品です。摩耗したブレーキパッドは制動性能を低下させるため、定期的な点検と交換が必要です。
タイヤ交換: タイヤは道路との接地部分であり、摩耗や劣化が危険を引き起こす原因となります。タイヤの摩耗レベルや空気圧の点検が大切です。冬季と夏季のタイヤ交換も重要です。
e-POWERなど制動にモーターの回生を利用する車の場合、ブレーキパッドの消耗は通常のガソリン車よりも少ない傾向がありますが、その他の部品については同様にメンテナンスが必要です。
自動車の安全性とパフォーマンスを維持するために、定期的なメンテナンススケジュールを確立し、専門家による点検と修理を実施することが重要です。
メンテナンスに興味のない方はディーラーの「メンテナンスパック」に最初に入っておくことをおすすめします。決まった時期に連絡がきて点検を行えるので、つねにいい状態を保てます。
腕に自信のある方は、ネット通販などを利用して消耗パーツを手に入れ、DIYで交換すれば費用を抑えることも可能です。
しかし、自分で取り付けられない場合、部品の持ち込み代が工場によっては発生することもあるので、自分の技量を見極めでパーツをチョイスするのも重要です。
日産 ノートの維持費【駐車場代】
持ち家で、なおかつ駐車スペースがある場合は気になりませんが、自動車を保管する場所がない場合は、近隣に駐車場を借りなければなりません。
普通車の場合、車庫証明は自宅(自動車使用の本拠の位置)から2キロ以内にあることが条件ですが、駐車場は場所や条件によって金額が変わりますから、事前にリサーチしましょう。
新車と中古車、どちらがお得?
新車と中古車には、それぞれにメリットがあります。
まず中古車のメリットは価格の安さです。ノートは、減税などにより新車にもお得感はありますが、単純な支払い価格の比較では圧倒的に中古車が有利です。
また最近はずいぶん緩和されたとはいえ、新車は納車まで数ヶ月は待たされる状況が続いています。さらに、こだわった仕様にすると新車納期が大幅に伸びる可能性があります。
いっぽう中古車は、すでに存在する車両を購入するので、数週間で納車されます。納期を考えるといまのところ中古車のメリットは大きいと言えます。
対して新車は、新車保証が3年6万キロ、特別保証が5年10万キロ付帯していること。またすべての消耗部品も新品がついてきますので維持費という面を考えると、しばらくは大きなコストはかからないと思われます。
当然ながら中古車は保証が切れてしまっていたり、付いていても期間は短くなります。
最近は中古車販売店の保証も手厚くなっているものもありますので、価格とのバランスを見極めて購入しましょう。
維持費という観点で選ぶならおすすめグレードはコレ
維持費という観点で選ぶのであれば、燃費の良い「X」または現在は受注を停止している「S 」グレードのFFモデルがおすすめです。
趣旨とは少し外れてしまいますが「AUTECH」シリーズは中古車市場での人気が高いので、リセールバリューという面で期待できます。
初期投資は高くなるかも知れませんが、車購入はどのくらい値段が落ちて、買取の際高値で買い取ってもらえるかということも重要な要素です。
そのあたりのバランスも考えて新車、中古車を選びましょう。