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【プロ解説】新型クラウン セダンをBMW 5シリーズと比較。プロのおすすめは?

BMW 5シリーズ × トヨタ クラウン セダン

パーソナルにもビジネスにも使える『ニューフォーマル』という新たな価値観を提案する新型クラウン セダン

ショーファードリブンとしての性能を高めるため、シリーズで唯一FRレイアウトを採用したことが最大のトピックです。

そんなクラウン セダンのライバルとして、BMW 5シリーズをピックアップしました。

Chapter
ボディサイズ、駆動方式、販売価格などなど、似たところが多い日独FRセダン
ファストバックになったクラウンとベーシックなスタイルの5シリーズ
コンサバなクラウン、先進的な5シリーズ
先進運転支援システムはほぼ互角。ハンズオフ機能を持つ5シリーズ
それぞれ魅力がある2台のアッパーミドルサルーン

ボディサイズ、駆動方式、販売価格などなど、似たところが多い日独FRセダン

トヨタ クラウン セダン HEV

新型クラウンシリーズで唯一のFRプラットフォームを使うクラウン セダンは、『ニューフォーマル』という新しい価値をベースに、ショーファーニーズにも応えるゆとりある後席空間と高いホスピタリティが魅力のモデルとして登場しました。

全長5,030mm×全幅1,890mm×全高1,475mmホイールベース3,000mmという堂々たるボディのクラウン セダンに搭載されるのは、HEVの2.5Lマルチステージハイブリッドと、クラウン初となるFCEV(燃料電池車)の2種類で、駆動方式はいずれも2WD(FR)です。

トヨタ クラウン セダン HEV

グレードはZのみで、車両本体価格はHEV車が730万円、FCEV車は830万円です。

BMW 5シリーズ 2023

いっぽうBMWの5シリーズは、全長5,060mm×全幅1,900mm×全高1,515mmに、ホイールベース2,995mmと、ほぼ同じサイズです。

BMW 5シリーズ 2023

パワートレインは、2.0L直4ターボと2.0L直4ディーゼルターボにリチウムイオンバッテリーを搭載した2つの48VマイルドハイブリッドとBEVを用意。

駆動方式は、2.0L直4ターボが2WD、2.0L直4ディーゼルターボはフルタイム4WDのxDrive。BEVは、シングルモーターのeDriveとツインモーターのxDriveから選べます。

車両本体価格は、2.0L直4ターボの523iが798万円〜、EVのi5は998万円〜。

なかでも523iは、ボディサイズをはじめ、駆動方式、車両価格など、クラウン セダンと共通点の多いモデルです。

ちなみにクラウン セダンのHEVと、523iのパワートレインのスペックは、クラウン セダンの2.5Lマルチステージハイブリッドがシステム最高出力180kW(245PS)、燃費は18.0L/km(WLTCモード)。

523iは、システム最高出力140kW(190PS)で、燃費は14.4km/L(WLTCモード)となっています。

ファストバックになったクラウンとベーシックなスタイルの5シリーズ

BMW 5シリーズ 2023

スタイリングは、クラウン セダンがFRプラットフォームを活かしたロングノーズと6ライトキャビンが特徴のファストバックスタイルを選択したのに対し、5シリーズは典型的な3ボックススタイルのまま、新しいデザイン言語によりスポーティさに加えてエレガンスとセダンらしい格式のある存在感を獲得しています。

エクステリアデザインのなかで重要な位置を占めるフロントは、クラウン セダンが鋭さとワイド感を強調する「ハンマーヘッド」と縦基調のパターンを施した大型グリルを組み合わせて、トヨタのフラッグシップに相応しい存在感を演出。

5シリーズは、垂直方向に拡大されたキドニーグリルと、やや前方に突き出たシャークノーズ&ロングボンネットが特徴。

キドニーグリルにはドアを開けてからエンジンをオンにするまでと、エンジンをオフにしてから車両をロックするまでのあいだLEDが点灯してグリルをライトアップするBMWアイコニックグローが内蔵されます。

コンサバなクラウン、先進的な5シリーズ

トヨタ クラウン セダン HEV

クラウン セダンのインテリアは、ディスプレイやシフトなどの機能をひとくくりにして島のように配置するアイランドアーキテクチャーを基本に左右非対称のデザインを採用しています。

クラウン クロスオーバーよりもワイドになったインストルメントパネルには、質感の高い杢目調パネルを採用。

ドライバーの眼前に12.3インチのTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイ、センターにコネクテッドナビに対応した12.3インチのディスプレイオーディオプラスを配置。物理スイッチはエアコンの操作パネルのみとなります。

室内を演出するマルチカラーイルミネーションは、インパネ左右、センターコンソール、リヤドアトリム、フロントカップホルダー、足元(前後席)などに配置された間接光によって、日本古来のおもてなしを表現しています。

いっぽう5シリーズのインテリアは、12.3インチのインフォメーションディスプレイと14.9インチのコントロールディスプレイによるBMWカーブドディスプレイを中心に構成されます。

インストルメントパネルから物理スイッチが大幅削減されたことで、モダンで洗練された印象を強めています。

流行の光による演出は、インストルメントパネル中央からドアトリムを立体的なクリスタル面が貫くBMWインタラクションバーを標準装備。ドライバーの好みに応じて、室内空間をアースティックに照らし出します。

トランク容量はクラウン セダンの450Lに対して、5シリーズは520Lと上回っています。

先進運転支援システムはほぼ互角。ハンズオフ機能を持つ5シリーズ

トヨタ クラウン セダン HEV

先進運転支援システムはクラウン セダンがToyota Safety Sense、5シリーズはドライビングアシストプロフェッショナルを搭載。

さらにクラウン セダンは駐車支援と自動車専用道路での渋滞時に運転負荷を軽減するトヨタチームメイトを採用しています。

BMW 5シリーズ 2023

対する5シリーズは、完全自動駐車が可能となるパーキングアシストプロフェッショナルにくわえ、渋滞時にハンドルから手を離して走行が可能になるハンズオフ機能が搭載されるなど、最先端機能を搭載。

走行時だけでなく、渋滞時や駐車の際にも車両のシステムがドライバーをサポートし、疲労を軽減してくれるのは共通です。

それぞれ魅力がある2台のアッパーミドルサルーン

BMW 5シリーズ × トヨタ クラウン セダン

ボディサイズや駆動方式、価格帯の近いクラウン セダンと5シリーズですが、クラウン セダンはショーファーニーズに応えられるように開発されているため、後席の居住性や快適さでは5シリーズを上回ります

いっぽうの5シリーズはパーソナルユースのビジネスセダンとして開発されているので、スポーティさではクラウンよりも上

ラグジュアリー性ならクラウン セダン、スポーティな走りならBMW 5シリーズがおすすめですが、いずれ劣らぬ性能を備えていますから、実際に購入するとなればかなりアタマを悩ませることになりそうです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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