中古でトヨタ・ヴォクシーを買うならこのモデルがオススメ!
5ナンバーサイズを基本(3ナンバーもある)とするトヨタ・ヴォクシーは、若者をメインターゲットに据えた箱型ミニバンです。
CMで訴求されているイメージは、「カッコいい父親、母親」で、単なる移動だけのファミリーカーという位置づけではなく、兄弟車のノアや後から追加されたエスクァイアと比べるとドレスアップ系、カスタム系モデルとなっています。
現行型は3代目で、中古車のタマ数も豊富です。
ノーマル系のノアに対して、カスタム系として登場したヴォクシー

ライトエース・ノアの後を受け継ぎ、ネッツトヨタ店で販売された初代ヴォクシーは、ノアよりもキリッとしたフロントマスク、クリアレンズのテールランプを備えていました。
ノアと共に「キュービック クリエーター」というコンセプトを掲げ、単なる箱型ミニバンとは一線を画した意欲作としてリリースされています。
約80万台売り上げた初代ヴォクシーは、ノアよりもカスタマイズ色の強いモデルとして、若い層をメインターゲットに2001年11月に登場。
タウンエース/ライトエースがセミキャブオーバーのFRレイアウトを採用していたのに対し、ノア/ヴォクシーには、ロングホイールベースの新しいプラットフォームを用意。FFがベースになり、4WDも設定していました。
セミキャブオーバーよりもフロントシートの乗降性が向上したのをはじめ、キャビンを広くしやすくなるなど、パッケージングの面の利点もあります。
FF化により、セミキャブオーバーのFRよりも小回り性能では不利になりますが、全幅を1695mmに抑えた5ナンバーサイズに抑えることで、ノア/ヴォクシー、ステップワゴン、セレナの3強が長らくミニバン市場のみならず、新車マーケットを席巻してきました。
また、初代から「Z煌(きらめき)」などの特別仕様車を設定するなど、ヴォクシーの特徴を強調したモデルを定期的に投入しています。
初代は、全長4560×全幅1695×全高1850mmというサイズで、2.0L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。組み合わされるトランスミッションは、4速ATでした。

2007年6月にフルモデルチェンジを受けて登場した2代目は、初代同様に大ヒットモデルになりました。
ワンタッチスペースアップシートやチャイルドケアモード付のロングスライドマルチ回転シートなど、多彩なシートアレンジが用意されています。
この頃の国産ミニバンは(ヴォクシーに限らず)、回転対座モードなど、今ではあまり見られなくなったシートアレンジを各メーカーが趣向を凝らして盛り込んでいました。
2代目は、動力性能と環境性能を両立した「バルブマチック」を備える2.0L直列4気筒ガソリンエンジンを設定。バルブマチックなしの2.0Lもあり、トランスミッションは全車CVTになっています。
2代目は標準グレードが全長4595×全幅1695×全高1850mmで、「Z」、「ZS」系は全幅が3ナンバー枠に突入しています。

2014年1月にリリースされた3代目となる現行ヴォクシーは、「Spacious FUN Box」を掲げています。
2代目と同様に、水澗英紀氏が主査を務めています。筆者は何度かインタビューしたことがあり、サービスエリアや大型ショッピングモールなどでミニバンの使い方を徹底的に観察した、というエピソードが印象に残っています。
3代目でついにハイブリッド「THSⅡ」が採用され、フルハイブリッドの設定は、カタログ燃費の面で、ライバルを圧倒。JC08モード走行燃費は、23.8km/Lに達し、ノア/ヴォクシーと2014年10月に発売されたエスクァイアを含めると、日本一売れているクルマとして君臨した年もあります。
シートアレンジでは、7人乗りのセカンドシートに、横スライド機構も設定。ワンタッチスペースアップサードシートの組み合わせにより、810mmの超ロングスライドを達成したクラス初のキャプテンシート仕様として設定されています。
2列目席の横スライドは、マツダがプレマシーで採用するなど、多くのミニバンでも使われるようになったほか、回転対座機構などが姿を消す代わりに、2列目のロングスライドが主流になっています。
現行型の「トヨタ・セーフティ・センスC」搭載車を最低条件として狙いたい

中古車でヴォクシーを買う際に最もオススメなのは、2014年登場の現行型です。
現行型登場時は、駐車支援機構のインテリジェントパーキングアシストや広角カラーバックガイドモニターなどの安全装備が用意されています。
中でも2016年1月に受けた一部改良で、先進安全装備パッケージの「トヨタ・セーフティ・センスC」が設定されましたので、最低でも同装備装着車を選びたいものです。
なお、昼間の歩行者検知を含めた「トヨタ・セーフティ・センス」は、2019年1月の一部改良時まで待たなくてはならないのが惜しいところ。
トヨタはモデルラインナップが多い、マイナーチェンジやフルモデルチェンジというタイミングもそれほどないといった事情もあるでしょうが、ほかの車種と比べて、最新の「トヨタ・セーフティ・センス」の設定が遅れた感があります。
ベストといえる選択は、2019年1月の改良後モデルで、燃費や静粛性を重視するのならハイブリッドを選択する手もありそうです。

3代目となる現行型の登場からすでに7年以外が経過しているヴォクシーだけに、中古車でも現行型を狙える年月が経っています。
また、SUVブームに押されているミニバンですが、小さな子どもやお年寄りがいるファミリー層にとって使いやすいのは間違いありません。
両側スライドドアや低床設計により乗降しやすく、7人〜8人の多人数乗車が可能。3列目を跳ね上げれば大きな荷物も積載できます。しかも5ナンバー枠を基本とするヴォクシーは、狭い街中などでも取り回ししやすい利点があります。