新型となったホンダ N-BOXとN-BOX カスタム。ベストバイはどっち?
モデル末期にもかかわらず月1万5000台以上を売り上げ、新車販売台数1位を守り続けてきたホンダ N-BOXが、2023年1月にモデルチェンジを敢行。
基本設計を変えることなく総合力を引き上げた新型(3代目)がデビューしました。
ボディバリエーションは、これまでと変わらず標準車のN-BOXと、エアロパーツを装備したN-BOX カスタムを用意。それぞれの違いについて解説します。
家族のファーストカーとして活躍することもふえている軽スーパーハイトワゴン。そんなユーザーニーズに応えるクルマ作りで、軽自動車の全体の販売を牽引しているのが、ホンダ N-BOXです。
2代目へとモデルチェンジする際に、プラットフォームとパワートレーンを刷新し、ほぼ完成の域に達したN-BOXが、2023年10月に満を持して3代目へと進化。
「HAPPY Rhthem BOX わたしも家族も、日本も、ハッピーになれる『幸せな生活リズム』を作る」を開発コンセプトにクルマの総合力を引き上げてきました。
そんな新型N-BOXには、標準ボディのN-BOXと、エアロパーツの装着されたN-BOX カスタムがラインナップされています。
以下では、それぞれの違いを解説します。
N-BOXもN-BOX カスタム(CUSTOM)も、四角いフォルムと高いベルトラインという基本シルエットは、先代からのキープコンセプトです。
新型では、そこにボディ全体の塊感を強めたことが特徴。サイドのキャラクターラインをリアタイヤ前で上に跳ね上げることによって下半身を逞しく見せ、さらに上下に長い大面積パネルで囲むことによって乗員に安心感を与えるとともに上級ミニバンのような安定感が表現されています。
ヘッドライトは、ヒトの瞳の構造に似せたデザインになっており、どの角度から見ても優しい雰囲気です。丸く大きく見えるところにスモールランプが点灯します。
ボディ同色のフロントグリルは、家電製品などに見られる丸穴デザインをモチーフにした親しみやすいデザインになっています。
アウタードアハンドルはボディ同色、テールレンズはシンプルな造形でのコンビネーションランプです。
N-BOXがシンプルさをコンセプトとするのに対し、N-BOX カスタムは「自分を高めるパートナー」としてふさわじい上質な雰囲気になっています。
メッキパーツの使用を抑えつつ、グロスブラックのフロントグリルや、反射板や遮光板などを用いずレンズの作用のみで集光・遮光を行うダイレクトプロジェクション式フルLEDライトを使ったヘッドライト、左右のポジションランプとセンターのアクセサリーランプをつなげ、横いっぱいにひろがる横一文字ライトなどでクラスを超えた品格を獲得。
細長く薄いヘッドライトの上のウインカーは、シームレスなシーケンシャルタイプになっています。
その他、N-BOX カスタムは、ドアハンドルがメッキとなり、テールレンズはクリアレンズのフルLEDコンビネーションランプになっているほか、専用のエアロバンパー、テールゲートスポイラーなどが装着されます。
高速での遮音性能に気を使った設計のカスタム
ボディは、衝突安全性能を高めながら、先代モデル同等の重量で高い剛性と剛性バランスを実現。
同時にフロアカーペットに遮音フィルムを追加したほか、N-BOX カスタムはルーフライニングにも吸音シートを採用してかなり室内は静かになりました。
ボディカラーは全部で22色を用意
外装色は、N-BOXが“日常に溶け込む親しみのある色”をテーマとした7色と、白色ドアミラー、白色アウタードアハンドル、ボディ同色フルホイールキャップが追加されるファッションスタイルに専用の3色を用意します。
いっぽうN-BOX カスタムは、スタイリッシュなイメージの6色。
ダーククロームメッキのアウタードアハンドルとブラックアルミホイールが組み合わされるコーディネートスタイルには、専用の2色とプラチナホワイトパールの3色を用意し、それぞれブラックルーフの2トーンも選べます。
タイヤホイールは、搭載エンジンによって変わり、自然吸気エンジンのN-BOXには、155/65R14 75Sサイズのタイヤに、14インチスチールホイールの組み合わせ。
N-BOX カスタムは自然吸気エンジンがタイヤサイズ155/65R14 75Sで14インチアルミホイール。ターボエンジンは、タイヤサイズ165/55R15 75Vで、15インチアルミホイールが組み合わされます。
インテリアのデザインは、水平基調をベースにインストルメントパネル、ドアライング、シートをシームレスかつラウンドイメージで構成しています。
スイッチやエアアウトレットなどの機能部品はブラックで統一。ラウンドイメージを強めると同時に視認性や操作性を高めると同時に、インパネ、ドアドリム、シートバックのグレージュ部分を同じ高さで統一して、実寸以上のサイズ感に仕上げてあります。
運転席からの眺めは、運転中のストレスになる視覚的なノイズを除去するとともに、必要な情報が瞬間的に認知でき、直感的な操作が可能な機能性を追求しています。
インホイールメーターには、7インチのTFT液晶ディスプレイをを使ったフルグラフィックメーターを全タイプに標準装備。情報の切り替えはステアリングスイッチで可能で、シンプル表示とインフォメーション表示がセレクトできます。
ステアリングホイールは2本スポークタイプとし、水平基調デザインを補強します。
N-BOXの内装色は、暮らしに馴染むグレージュ色が基本です。ツートーンのファブリックシートは、汚れが付きやすい箇所にグレー、それ以外の箇所をグレージュとすることで遊び心を表現しています。
インパネトレーは、物が置けるだけではなくてリビングの出窓のようなイメージでデザインされており、N-BOXはコルクの質感を目指したベージュ調です。
対するN-BOX カスタムの内装色は、パフォーマンスの高さを予感させるブラック基調です。
シート表皮は、センター部とサイド部を質感をかえてやわらかな感触をメインに持ってきたファブリック地の「トリコットシート」、センター部をスエード調、サイド部を革感のプライムスムースを採用した「コンビシート」、全面にプライムスムース素材を採用してカーボン調アクセントを施してスポーティな雰囲気な「フルプライムスムースシート」の3タイプです。
ステアリングは、手に馴染みやすく視覚的にも高級な印象の本革巻タイプ。
インパネトレーは大理石をイメージしたブラック基調となり、インパネトレー、ドリンクホルダー(運転席側)、前席足元がLEDで光るインテリアイルミネーションも加わります。
パワートレーンは細部のチューニングで性能アップ
パワートレーンは、NAエンジンまたはターボエンジンにCVTの組み合わせです。ターボエンジンは、N-BOX カスタムだけに用意されます。
ともに先代モデルからのキャリーオーバーですが細部を見直したことにより、クラストップレベルの力強い走りと低燃費を両立しています。
それぞれのスペックは、NAエンジンが最高出力43kW(58PS)/7,300rpm、最大トルク65Nm/4,800rpmで、燃費はWTLCモードで21.6km/L。
ターボエンジンは、最高出力47kW(64PS)/6,000rpm 、最大トルクは104Nm/2,600rpmで、燃費はWTLCモードで20.3km/Lです。
車両の安全性い関しても抜かりなく、予防安全システムである「Honda SENSING」を全車に標準装備します。
どちらを選ぶのがベストなのか?
まずターボかNAかという問題では、車両自体の静粛性、エンジンのパワーともに街中を走っているぶんには気にならないでしょう。
ただし休日のレジャーがメインで、ある程度の距離を移動することが多いのであればターボは必要かもしれません。
ただしターボはカスタム専用となっているので、ノーマルのスタイルが好きな人には悩ましいポイントとなっています。
いずれにしても新型N-BOXは、“触ってみるとわかる質感の高さ”が魅力なので、興味が湧いてきたら販売店で実車のチェックをおすすめします。