ホンダ・ヴェゼルにかかる維持費はいくら?費用内訳を解説!
ホンダ・ヴェゼルは、人気の高い国産SUVの中で最も販売台数の多いコンパクトSUVに属するモデルです。コンパクトカーの人気モデル、フィット譲りの多彩なシートアレンジ。そして1.5Lエンジンやハイブリッドシステムによるスムーズな走りと高い燃費性能が人気の秘訣です。
2013年に初代ヴェゼルが登場し、2021年に初のフルモデルチェンジを行い、2代目となる現行モデルへと進化しています。
今回はヴェセルにかかる維持費の内訳を紹介し、購入を考えている方におすすめのモデルの選び方などを解説していきます。
- Chapter
- ホンダ・ヴェゼルとはどんな車?
- 中古車の維持費はどれくらい?
- ヴェゼルにかかる維持費はこの6つ!
- ヴェゼルにかかる税金に軽減措置はある?
- 中古車のヴェゼルを選ぶならハイブリッド車の2WDがおすすめ
ホンダ・ヴェゼルとはどんな車?

2013年12月に登場した初代ヴェゼルは、2014年~2016年の間3年連続でSUV販売台数No.1に輝くほどの人気モデルです。3代目フィットをベースとした初代ヴェゼルは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用し、全長約4.3mとコンパクトなボディサイズにもかかわらず、広いキャビンスペースと多彩なアレンジが可能なラゲージスペースを実現しています。
5人乗車時でも393Lの容量を実現したラゲージスペースで、ひとクラス上の広さを確保するだけでなく、後席のショルダー部分にあるレバーを倒せば、フラットな床の広大なスペースに拡大します。また、多彩なシートアレンジとしては、後席の座面が跳ね上がるチップアップ機構を採用。背の高い荷物を入れたり、靴を履き替えたりするときに非常に便利です。
搭載されるパワートレインは最高出力131ps、最大トルク155Nmを発生する1.5L直列4気筒 i-VTECエンジン+CVT。そして最高出力132ps、最大トルク156Nmを発生する1.5Lガソリンエンジン+1モーター+7速DCTを組み合わせたスポーツハイブリッドi-DCDと呼ばれるハイブリッドシステムの2種類。駆動方式はガソリン車、ハイブリッドともに2WD(FF)に加えて4WDを設定。ハイブリッドの4WD車を設定したことにより降雪地で爆発的なヒットとなりました。
初代ヴェゼルは、2016年2月の一部改良で運転支援システム「ホンダセンシング」を設定。同時に専用の内外装に加えて、走行時の安定性を向上させるパフォーマンスダンパーや18インチアルミホイールを装着した「RS」グレードを追加しています。
2018年2月にはマイナーチェンジを行い、内外装の変更、加速フィールの向上とともに運転支援システム「ホンダセンシング」を全モデルで標準装備化し、商品力に磨きをかけています。そして2019年1月には最高出力172ps、最大トルク220Nmを発生する1.5L直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載した「ツーリング」を追加。これにより、初代ヴェゼルは3種類のパワートレインを搭載しました。

2代目となる現行型ヴェゼルは、2021年4月に登場しました。現行型ヴェセルは先代モデルからホンダ独自のマン・マキシマム思想に基づく「センタータンクレイアウト」を踏襲。コンパクトなボディサイズや多彩なシートアレンジはそのままにより力強く美しい外観のプロポーションへと進化させたのが特徴です。
外観デザインは、クーペのようなプロポーションを際立たせながら、全席で良好な視界を提供するため「スリーク&ロングキャビン」を採用。前後に一気通貫した水平基調のデザインを採用しています。
インテリアは「かたまり感」のあるフォルムを重視。SUVの力強さを表現する一方で、体が触れる部分には柔らかい触感と形状のパッドを採用することで、強さと優しさを兼ね備えた空間に仕立てています。ヒューマン・マシン・インターフェースの考え方に基づき、視線移動の軽減や導線に沿った操作類の配置により、ドライバーや同乗者の操作性を考慮したデザインを採用しました。
搭載するパワートレインは先代モデルに搭載されていた1.5L直列4気筒ガソリンエンジン+CVTに加えて、e:HEV(イーエイチイーブイ)と呼ばれるホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムを搭載。駆動方式はPLaYが2WD(FF)のみですが、その他は2WD(FF)と4WDを設定。なかでも4WD車には悪天候や雪上走行において、安定した走行性能を発揮する「リニアタイムAWD」を搭載しています。
燃費性能はWLTCモードでガソリン車は15.6~17.0km/L。ハイブリッドは22.0~25.0km/Lを実現しています。安全装備では、フロントワイドビューカメラと高速画像処理を採用した、最新の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を搭載しています。
新機能として、アダプティブクルーズコントロールには渋滞追従機能付へと進化しするとともに、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビームなど3つの機能が追加されています。
またコネクテッドサービスとしては、新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「ホンダコネクト」を通じて、「ホンダトータルケアプレミアム」を利用可能。スマートフォンがキー代わりになる「ホンダデジタルキー」などホンダの量販車として初の機能を搭載しています。
中古車の維持費はどれくらい?

ヴェゼルは2018年に登場した現行モデルは新車を手に入れることができますが、2013年〜2018年まで販売された初代モデルは中古車でしか手に入れることはできません。基本的には、購入するのが新車でも中古車でも必要となる維持費は変わりません。影響があると言えるのは選ぶグレードごとの燃費性能や、必要に応じて加入する自動車保険料、駐車場代などが主で、車によってではなく人によってかかる維持費が変わると言えます。
ただし、年式の進んだ中古車を選ぶ場合には軽自動車税(種別割)とメンテナンス代に影響があるかもしれません。
新車登録から13年以上が経過した車に対しては、自動車税(種別割)が約20%増税となります。ヴェゼルの場合、初代モデルが登場したのが2013年。したがって自動車税が増税となることはありません。
また、中古車は年式や走行距離に応じて劣化が進んでいる場合があり、その修理代やメンテナンス費用が余分にかかる可能性があります。
ヴェゼルにかかる維持費はこの6つ!

ここからはヴェゼルにかかる維持費について、その内訳とそれぞれにかかる具体的な費用を紹介していきます。
ヴェゼルの中古車を購入検討している方は、今後どのくらいの維持費がかかるのかの参考にご覧ください。
1:税金
2022年12月現在、ヴェゼルにかかる税金は軽自動車税(種別割)と自動車重量税です。これらの税金には、車の性能に応じて軽減措置が用意されているものもあります(具体的な内容については後ほど紹介します)。
■自動車税(種別割)
自動車税(種別割)は車の排気量に応じてかけられる税金です。現行型ヴェゼルは、1.5Lと1.5Lエンジンのハイブリッドを搭載してますので、3万500円となります。
ちなみに、この税金は4月1日時点の軽自動車の所有者に支払いが義務づけられており、各市町村から毎年納税通知書が届きます。 納付期限は5月末日。公共料金と同じように、銀行や郵便局などの金融機関、コンビニなどで支払うことができるので、忘れずに納付しましょう。
■自動車重量税
自動車重量税は、その名の通り車の重量に応じて課税される税金です。新車登録時に3年分の税金をまとめて支払うほか、2年ごとの車検時(新車登録後初めての車検時は3年後)にも2年分をまとめて払います。
現行型ヴェゼルの場合、車両重量は1,250〜1,450kgなので、3年で3万6900円、2年で2万4600円となります。しかし、環境性能が高いエコカーの場合軽減され、免税となるクルマもあります。
■環境性能割
廃止された自動車取得税に代わり、2019年10月1日より、「環境性能割」という新たな税金が課されるようになりました。 環境性能割は、車の燃費性能等に応じて、取得したときに課税される税金です。電気自動車や燃料電池車、プラグインハイブリッド車は非課税となります。また、中古車などで取得価格が50万円以下の場合は課税されません。
2:車検代
車検は、新車登録から3年後、それ以降は2年に1度受ける義務がある定期点検です。これを受けないと公道を走ることはできず、また法律で厳しく罰せられます。
車検を受ける際は、主に法定費用と車検基本料が車検代として必要となります。
■法定費用
法定費用は、先述した自動車重量税に加えて自賠責保険料、印紙代(検査手数料)を合わせた費用です。これらは国や自治体に納めるもので、どの業者で車検を受けても同じ費用がかかります。
自賠責保険は、車を所有し運転する全ての人に加入が義務付けられている保険で、かかる費用はどの保険会社で契約しても同じです。
印紙代は基本的に1,100円が必要となります。ただし、認定工場で車検を受けた場合は証紙代も必要となるため、その分100〜700円が上乗せとなる場合があります。
■車検基本料
車検基本料は、点検費用、整備費用、代行手数料など合わせた費用です。これは車検業者に対して支払うもので、業者ごとに価格設定が異なるため、維持費を安く抑えたいなら見積もりをとって比較した上で業者を選ぶのがおすすめです。
傾向としてはディーラーはやや高めで、ガソリンスタンドや車検専門店、カー用品店などであれば比較的安く車検を受けられる場合が多いようです。
3:ガソリン代
最近はガソリン価格がかなり高騰しているので、ガソリン代はできるだけ安く抑えたい維持費の一つです。
そこで注目したいのは燃費性能。現行型ヴェゼルは搭載されているパワートレインによって燃費差が大きくなっています。
WLTCモード燃費を見てみると、1.5Lエンジン搭載車は15.6〜17.0km/L。一方の1.5Lエンジンのハイブリッド車は22.0〜24.8km/Lとなっています。この数値を見ると、ガソリン代はハイブリッド車のほうが安く抑えられますが、車両本体価格はハイブリッド車のほうが高くなります。主なユーザー層を考えると、使用用途は日常の送り迎えや買い物などの街乗りがメインというのであれば、車両本体価格の安い1.5Lガソリン車のほうがお得かもしれません。
4:自動車保険料
自動車保険には、全運転者に加入が義務づけられている「自賠責保険」と、任意で好みの補償を選び加入する「任意保険」の2種類があります。
■自賠責保険
車検の項目でも先述した通り、自賠責保険は車を運転する全ての人に加入が義務付けられている保険です。1か月単位で契約期間を選ぶことができ、かかる保険料もそれに伴って変わりますが、車検時に更新手続きを行うため新車購入時には37か月契約を選択する方がほとんどです。
新車のヴェゼルにかかる自賠責保険料は、37か月契約の場合2万7770円となります。また、車検を受ける場合の25カ月契約の場合は、2万610円です。
■任意保険
自賠責保険で補償されるのは対人補償のみで、相手や自分の車、建物などに対しては保険金が1円も支払われません。また、補償される金額も最高で4,000万円までで、事故の内容によっては賠償金額がそれ以上かかる場合もあり、自賠責保険だけでは十分な補償とは決して言えません。
そこで、各保険会社が任意で加入できる様々な保険(任意保険)を用意しています。
任意保険にかかる費用は、補償内容や運転者の条件・年齢・人数、車種などによって変動します。そのため、同じ保険であっても運転する人や家族構成によって保険料は大きく異なる場合があります。
できるだけかかる費用を抑えたいなら、各保険商品の内容や保険料を比較した上で気に入ったものを選ぶようにしましょう。
5:メンテナンス代
車に長く乗るためには、定期的なメンテナンスが必要です。車が好きな方であれば自分でできるメンテナンスもありますが、女性の場合はなかなか自分で行うのは難しい…という場合が多いでしょう。そのため、基本的には専門店に頼むのが安心ですしおすすめです。
定期的に行う必要があるのは、エンジンオイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換など。身近なところではガソリンスタンドでも頼むことができますが、店ごとに価格設定は大きく異なるため、必ず複数のお店を比較して検討しましょう。
もちろん、自分で部品を調達して交換すればより安くすませることができます。車の取扱説明書に手順が記されていますので、家族と一緒にチャレンジしてみるのも良いですね。自身の知識や力量に応じて、お店とセルフメンテナンスを使い分けてみてください。
また、車検の際にも合わせて不具合のある箇所を点検してもらえるので、合わせて修理を依頼することも可能です。
6:駐車場代
持ち家の場合はあまり必要ありませんが、賃貸物件に住んでいる方や駐車場がない都市部などでは、駐車場代もかかってきます。
価格設定はお住まいの地域ごとに大きく異なるため、周辺の駐車場の料金を確認した上で維持費の計算をしてみましょう。
ヴェゼルにかかる税金に軽減措置はある?

2022年12月現在、車に関する税金に対してはいくつかの軽減措置が用意されています。
ここからは、ヴェゼルで適用されている減税措置の対象となるグレードはどれかを詳しく紹介していきます。
■グリーン化特例について
グリーン化特例とは、環境負荷の少ない自動車の開発や普及を進めるために、燃費性能および排出ガス量が優良な自動車に対して自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税率を軽減する仕組みです。
■環境性能割について
環境性能割は、新車・中古車に関係なく車を購入した際にかかり、車の燃費性能に応じた税率が課せられる税金です。かつての自動車取得税に代わって新たに導入されました。
令和元年10月1日〜令和3年12月31日までの間に取得した自家用乗用車については、自動車税環境性能割の税率をそれぞれ1%軽減する措置が取られています。
■エコカー減税について
エコカー減税は、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税を免税・軽減する仕組みです。
現行型ヴェゼルはe:HEVというハイブリッド車のみエコカー減税の対象となっています。その結果、重量税は免税、環境性能割は非課税となっています。
中古車のヴェゼルを選ぶならハイブリッド車の2WDがおすすめ
ここまでヴェゼルにかかる維持費について、各項目ごとに紹介してきました。
税金やほとんどの項目でかかる金額は、新車・中古車どちらを購入しても、またどのグレードを選んでもほぼ同じとなっています。
できるだけ日々かかる費用を抑えたいのであれば、やはり一番注目すべきなのは燃費でしょう。ガソリン価格が高騰している今、できるだけ燃料にかかる費用を抑えるなら、燃費性能がより良い2WDモデルを選択するのがおすすめです。
特に中古車は、新車よりガソリン車とハイブリッド車の価格差が小さくなっています。したがってハイブリッド車を購入したほうがトータルコストが抑えることができます。