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【プロ解説】大人気N-BOX。進化の度合いを2代目との比較で解説します!

ホンダ N-BOX 2023

2017年8月に販売開始した2代目ホンダ N-BOXは、2023年に3代目となる現行モデルにスイッチするまで軽自動車新車販売台数No.1に君臨したベストセラーモデルです。

ここでは軽ベストセラーモデルのポジションを確実なものとした2代目と、新型となる3代目N-BOXを比較して、進化の度合いを探ってみましょう。

Chapter
すべてが刷新された2代目N-BOX
熟成の域にある3代目

すべてが刷新された2代目N-BOX

ホンダ N-BOX 2代目 マイナーチェンジ

2011年に登場した初代ホンダ N-BOXは、発売の翌年から2016年まで、軽自動車の新車販売販売台数ナンバーワンを4度獲得するなど人気のモデルでしたが、2017年のモデルチェンジで2代目に進化する際にプラットフォームとパワートレインを刷新しました。

基本骨格を形成するフロントのフレームにトラス構造を採用するとともに、センタピラーのアウターパネルのほか主要フレームには超高張力鋼板を採用して軽量化を達成。

同時にドア開口部のピラーおよびルーフまわりにはシーム溶接を軽自動車ではじめて採用してボディの高剛性化を図りました。

従来モデルより約80kgもの軽量化を実現したボディは、初代N-BOXのデザインを継承しながら、品格と親しみやすさをアップしています。

ヘッドライトはフルLED化、ルーフサイドはレーザーブレーズ溶接によって樹脂製モールを廃止して見た目の上質感を高めています。

ホンダ N-BOXカスタム 2代目 マイナーチェンジ

エンジンは、660ccの直列3気筒自然吸気とターボの2種類。従来のボア64.0mm×ストローク68.2mmに対し、60.0mm×77.6mmとロングストローク化されたブロックを採用し、燃費性能を向上させました。

一般的にボア径の小さいエンジンは高出力化が困難といわれますが、2代目N-BOXでは自然吸気エンジンの吸気側にホンダ独自の可変バルブタイミング機構VTECを軽自動車として初採用することで、その問題を解決。

結果、最高出力43kW(58ps)、最大トルク65Nmの高出力と、27.0km/L(JC08モード)という優れた燃費性能を両立しています。

いっぽうターボエンジンは、過給圧を最適にコントロールする電動ウェイストゲートを採用。これによって、低燃費化やアクセルを踏んだときの反応の良さを実現。

最高出力47kW(64ps)、最大トルク104Nmを達成しながら25.6km/Lの燃費(JC08モード)を達成しています。

組み合わされるトランスミッションのCVTは、2系統の吐出オイルポンプシステムを採用することで燃費性能アップに貢献しています。

ホンダ N-BOX 2017

インテリアでは、シートバリエーションが標準のベンチシートに加えて、助手席シートの前後スライド量を570mm確保した助手席スーパースライドシートを搭載したEXを設定。後席・運転席間の移動をはじめ、標準装備となったスライドリアシートと合わせて多彩な使い方が可能です。

そして安全装備では、軽自動車で初めて安全運転支援システムの「Honda SENSING(ホンダセンシング)を標準装備しました。

2代目N-BOXに搭載されたホンダセンシングは、衝突軽減ブレーキ(CMBS)をはじめ、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)など8種類の基本機能に加えて、オートハイビームそしてホンダ初搭載となった後方誤発進抑制機能などの機能を標準装備しています。

2020年にはマイナーチェンジを実施し、内外装の変更とともに、安全装備ではホンダセンシングの後方誤発進抑制機能にも用いるソナーセンサーを4個へ増やすことで、後方の障害物の接近を検知しドライバーに注意を促すパーキングセンサーシステムを追加し、駐車時などの安心感を高めています。

2020年のマイナーチェンジ時のグレード構成と車両本体価格は、標準車のN-BOXは自然吸気とターボ2種類のエンジンを搭載し、スーパースライドシート仕様のEXを含めた全7グレードを設定。

全グレードで駆動方式は2WDと4WDを用意し、車両本体価格は142万8900円~202万2900円。

N-BOX カスタムは、全グレードで2WDと4WDの駆動方式を選べて車両本体価格は176万9900円~223万3000円でした。

熟成の域にある3代目

ホンダ N-BOX 2023

それでは3代目の新型N-BOXと2代目N-BOXを比較してみましょう。まずはグレード構成と車両本体価格です。

新型N-BOXのグレードは下から

・N-BOX
・N-BOX ファッションスタイル
・N-BOX カスタム
・N-BOX カスタム ターボ
・N-BOX カスタム コーディネートスタイル
・N-BOX カスタム ターボ コーディネートスタイル

の6つを基本に、コーディネートスタイルにはそれぞれモノトーンと2トーンが用意されます。

2代目N-BOXに設定されていた助手席スーパースライドシートを採用したEXグレードは廃止。また2代目N-BOXでは標準車、カスタム両方にターボエンジンが搭載されていましたが、現行型でターボエンジンが選べるのはカスタムのみとなっています。

車両本体価格は、N-BOXが164万8900円~188万1000円で、これは2代目のN-BOX LとLコーディネートスタイルに適合するものです。

N-BOX カスタムは188万1000円~236万2800円と2代目より約10万円の値上がりです。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

搭載しているパワートレインは基本的に変わらず、VTECを採用した自然吸気エンジンと電動ウェイストゲートを搭載したターボエンジの2種類に、組み合わされるトランスミッションはCVTのみです。

2代目N-BOX(最終モデル)の燃費性能(WLTCモード)は、自然吸気=NA車が19.8~21.2km/L、ターボ車は19~20.2km/L。

新型N-BOXは、NA車が19.4~21.6km/L、ターボ車は18.4~20.3km/Lとほぼ変わらず。4WD車の燃費は若干低下しています。

ホンダ N-BOX 2023

プラットフォームも2代目のキャリーオーバーで、フロントサスペンションのアライメント最適化やフロント&リアサスペンション締結適正化などで熟成。

そして電動パワーステアリングの舵角速度フィードバック制御などにより、乗り心地や操縦安定性を向上。さらに遮音フィルムや吸音シートを追加することで、室内の静粛性を高めています。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

安全面は、2代目N-BOXはホンダ独自の運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備しました。

デビュー当初は10の機能を搭載していましたが、後方誤発進抑制機能を追加し、11の機能を採用しています。

新型N-BOXのHonda SENSINGは、フロントワイドビューカメラや前後8つのソナーを採用したシステムに進化して、安心・安全を向上させています。

これまでの機能に加えて、近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能を追加。高速走行時もスムーズな加速減と操舵でアシストし、ドライバーの運転をサポートしてくれます。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

インテリアでは、メーターがステリングの上側に見えるアウトホイールタイプからステアリングの内側に見えるインホイールタイプに変更されたことが大きな変更点と言えるでしょう。

メーターパネルには、さまざまな情報をわかりやすく表示する7インチ液晶メーターを採用。

あわせて助手席前にはインパネトレーが設置されました。ダッシュボードの高さが低くなり、クリアな視界を実現しています。

装備面ではあらかじめ施錠操作することで、パワースライドドアの全閉後に自動で施錠できるパワースライドドア予約ロック機能を新採用しています。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

新型となり追加された注目ポイントは、新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」を搭載したことでしょう。

ボタンひとつで、オペレーターが対応する緊急サポートセンターや車内でゲーム機やタブレットが使える車内Wi-Fiなど、ホンダトータルケアサポートが提供するサービスを利用可能です。

さらにスマートフォンでドアロック解除などができるホンダデジタルキーに初めてパワースライドドアの操作を採用しています。

ホンダ N-BOX カスタム ターボ

2代目N-BOXでも高い走行&安全性能を実現していますが、新型N-BOXではさらにその質感に磨きを掛け、コネクテッドサービスのホンダコネクトを採用することで利便性を向上させています。

新型N-BOXはベストセラーモデルらしい全方位の進化を遂げて、隙のないモデルに仕上がっています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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