いま300万円で狙うなら、先代レクサス NX or 現行トヨタ ハリアー。賢いのはどちら?
国内では、ミドルサイズSUVに分類される先代レクサス NX(10系)と現行トヨタ ハリアー(80系)。
中古車価格(2024年4月末現在)は、比較的近いものがあり、サイズ的にもお互い比較対象になる存在といえます。
そんな理由で、ここでは先代NXと現行ハリアー、どちらが買いなのかを探ってみます。
レクサスNXの初代は幅1.8mに収まるサイズもポイント
2014年7月、初代レクサスNX(10系)はコンパクトクロスオーバーSUVを名乗りデビューしました。
ボディサイズは、全長4,630mm×全幅1,845mm×全高1,645mm、ホイールベース2,660mm。最小回転半径は5.3m。
パワートレーンは、2.0L直列4気筒ターボ、2.5L直列4気筒ガソリン+モーターを組み合わせるハイブリッドで、ともに2WD(FF)、AWDが用意されています。
新MCプラットフォームがベースで、世代的にはTNGA(GA-K)化された現行ハリアーよりもひとつ前となります。
先進安全装備には「Lexus Safety System+(レクサス・セーフティ・システム・プラス)」が採用され、アイドリングストップと連動する全車速追従機能付レーダークルーズコントロールにより、前走車の発進を感知してエンジンが自動で再始動し、発進操作がサポートされるなど、利便性の向上が盛り込まれています。
衝突被害軽減ブレーキは、歩行者(昼夜)、サイクリスト(昼間)、車両に対応。10.3インチワイドディスプレイ、後席の電動リクライニングや電動格納機能など、高級ブランドのレクサスらしい装備も用意されています。
TNGA化され、パワーユニットと先進安全装備などをアップデートしたハリアー
現行トヨタ ハリアー(80系)は、全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mmで、ホイールベース2,690mm。最小回転半径は5.5m〜5.7mです。
初代NXは、全幅1,845mmですので幅1850mm以下の機械式の立体駐車場などにも入庫できますが、現行ハリアーは、わずか10mmワイドなだけでマンションなど規定が厳格なケースでは駐車できない可能性があります。
取り回しの良さも重視するのであれば、大差ではないものの、よりコンパクトな初代NXに軍配が上がります。
ただし現行ハリアーは、TNGA化により先進安全装備の搭載などだけでなく、ボディの高剛性化と低重心化が図られるとともに、パワーユニットも一新されました。
最新の2.0L NAダイナミックフォースエンジンとDirect Shift-CVTが採用され、2.5L+モーターのハイブリッド「THSⅡ」も最新世代です。
両パワーユニットともに2WD、4WD(ハイブリッド車はE-Four)を設定しています。
先進安全装備は、歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えた衝突被害軽減ブレーキをはじめ、駐車時など低速域での衝突被害軽減を図る「インテリジェントクリアランスソナー/パーキングサポートブレーキ(静止物)」が採用されるなど、先代NXよりもひと世代新しくなっています。
そのほか、前後方向映像を録画可能なデジタルインナーミラーがトヨタ車で初採用されたほか、ハイブリッド車にはアクセサリーコンセント(AC100V/1500W)を設定。
また、コネクティビティも新しく「T-Connect SD ナビゲーションシステム」は、12.3インチTFTタッチワイドディスプレイが採用されています。
先進装備のハリアー、取り回しの良さと質感のNX
初代レクサスNXの荷室容量は555L、ハリアーの荷室容量は408〜409Lと10系NXが大きく上回っています。
積載性重視であればNXを指名する手もありでしょう。
なお燃費比較では、NX300h(2020年7月モデル)が17.8km/L(WLTCモード)、ハリアー(ハイブリッド G。2020年6月モデル)は27.4km/L。
燃費で10km/Lもうわ回っているだけでなく、動力性能でもハリアーのほうが上。走り、安全装備、コネクティビティなどの面でも現行ハリアーのほうがひと世代ぶん新しくおすすめです。
いっぽうの初代NXは、取り回しの良さや荷室の広さ、レクサスらしい質感の高さなどが美点で、程度が良く買い得感のある仕様であれば、魅力的な選択肢になり得ます。