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【プロ解説】タントのミラクルオープンドアを上回る新型スペーシアの商品力とは?

スズキ スペーシア ハイブリット X (2023)

現在の軽自動車の新車マーケットを席巻する軽スーパーハイトワゴンは、大人気のホンダ N-BOXを筆頭にダイハツ タント、日産 ルークス、三菱 デリカミニ/ekと話題のモデルが目白押しです。

そんななか、モデルチェンジを受けて新型となったスズキ スペーシアはトップを虎視眈々と狙っている存在。

ここ数年、スペーシアとガチのライバル関係にあるタントと比較してみました。

Chapter
新型スペーシアはタントを追い越せるのか?
新エンジンとISGで燃費を改善した新型スペーシア
最新の先進安全支援システムを搭載するスペーシア
ファミリーカーとして、後席の居住性を高めた新型スペーシア
安全装備の充実はファミリーカーとしては大きなポイント

新型スペーシアはタントを追い越せるのか?

スズキ スペーシア ハイブリット X (2023)

スズキ スペーシア2023年11月にフルモデルチェンジを行ったフレッシュなモデルです。

対してダイハツ タントは2019年に登場。不正問題で出荷が停止されていましたが、2024年3月から生産が再開しています。

それぞれのモデル体系は、新型スペーシアが標準車とカスタムの2モデルに対して、タントは標準車とカスタムに加えて、2022年10月デビューのクロスオーバーモデル、タント ファンクロスがあります。

それぞれ車両本体価格は、スペーシアが153万100円~182万4900円、スペーシア カスタムは180万1800円~219万3400円

タントが135万3000円〜177万1000円、タント カスタムが174万9000円〜199万1000円、タント ファンクロスは168万8500円〜193万500円

タントには上級グレードがないかわりに、装備を簡素化した廉価版がラインナップされています。

新エンジンとISGで燃費を改善した新型スペーシア

ダイハツ タント カスタム

パワートレインは、スペーシアはISGと呼ばれるモーター機能付き発電機とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自のマイルドハイブリッドシステム(ISG)を搭載した660cc直列3気筒DOHCの自然吸気(NA)とターボで、NAのみ新エンジンです。

いっぽうタントは、同じ660cc直列3気筒DOHCの自然吸気(NA)とターボ。スペーシア、タントともにトランスミッションはCVT。駆動方式は2WDと4WDを選ぶことができます。

燃費性能は、スペーシアのNAが22.4~25.1km/Lで、ターボが19.8~21.9km/L。タントはNAが21.4〜22.7km/L、ターボは19.6〜21.2km/L。

今回、新エンジンにマイルドハイブリッドを追加したスペーシアNA車の低燃費が光ります。

最新の先進安全支援システムを搭載するスペーシア

スズキ スペーシア ハイブリット X (2023)
スズキ スペーシア ハイブリット X (2023)

安全装備は、新型スペーシアが単眼カメラとレーザーレーダーから、単眼カメラとミリ波レーダーに変更されたスズキセーフティサポートを搭載。

衝突被害軽減ブレーキデュアルサポートIIを核とした11の機能には、カーブ速度抑制機能や車線変更時補助機能を加えたアダプティブクルーズコントロールや、車線の中央付近の走行維持をサポートする車線維持支援機能などが含まれます。

ダイハツ タント カスタム
ダイハツ タント カスタム

いっぽうタントはステレオカメラで周囲の状況を認識し、ドライバーをサポートするダイハツの予防安全機能“スマートアシスト(スマアシ)”を全車に標準装備します。

“スマアシ”は、歩行者と車両を検知する衝突回避支援ブレーキ機能をはじめ17種類の機能を採用します。

機能の数ではタントですが、タントは衝突回避支援ブレーキが車両と歩行者のみなのに対して、新型スペーシアは走行中の自転車も検知し、交差点の右左折時にも対応するなど最新の機能が搭載されています。

ファミリーカーとして、後席の居住性を高めた新型スペーシア

スズキ スペーシア ハイブリット X (2023)

新型スペーシアは、軽自働車ながらファミリーカーしても使える快適性を考えて設計されています。

なかでもリアシートの居住性は、左右独立の前後スライド&リクライニングとセンターアームレストにくわえ、座面先端ににマルチユースフラップを採用したほか、涼しい風を送り車内の温度を均一にするスリムサーキュレーターを装備。これまで軽視されてきた後席の快適性を高めています。

ダイハツ タント カスタム

対するタントは、ボディサイドが大きく開くミラクルオープンドアが最大の特徴です。その使い勝手の良さは、子育てファミリーを中心にほかに代えがたい機能と魅力を備えています。

くわえて助手席の380mmロングスライドと、オプションで運転席が540mmスライドできるロングスライドシートを設定するなど、前後席のコミュニケーションと導線を意識して設計されています。

安全装備の充実はファミリーカーとしては大きなポイント

スズキ スペーシア ハイブリット X (2023)

ミラクルオープンドアが人気のタントに対し、燃費や安全性能、運転支援機能にくわえて、後席の居住性を高めて訴求力をアップした新型スペーシア。

今回、モデルチェンジによって、設計の古いタントを置き去りにし、軽自働車売上ナンバーワンのN-BOXに肉薄する実力を手に入れたと思います。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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