燃費、安全装備、使い勝手が進化!新型スズキ・アルトの特徴とは?
2021年12月22日、9代目となる新型スズキ・アルトが発売されました。
1979年の初代発売以降、時代に合わせて細かな機能や性能は進化させつつ、経済性と実用性の高さを兼ね備えた軽自動車として支持されているロングセラーモデルのアルト。新型はどのような進化を遂げたのか、主な特徴やポイントについて解説します。
新型・9代目アルトの特徴とポイントはここだ!
アルトと言えば、100万円以下で購入できるグレードもラインアップするなど、軽自動車の中でも特に求めやすい価格帯であることが大きな特徴。
経済的な「軽自動車のエントリーモデル」であることはもちろん、車としての実用性・機能性を重視したシンプルなモデルとなっています。
今回発売された9代目モデルでは、これまでのアルトで大切にされてきた「経済性」「実用性」に加え、より充実した機能を搭載することで「誰もが気軽に安心して乗れる車」を目指したものとなっています。
その特徴やポイントについて、詳しく見ていきましょう。
マイルドハイブリッド搭載によって、燃費性能が向上
今回のフルモデルチェンジは、歴代アルトで初となるマイルドハイブリッド車を用意したことが大きな話題となりました。現在はHYBRID S、HYBRID Xの2グレードがラインアップされています。
WLTCモード燃費は軽自動車トップとなる27.7km/L(2WD)を達成。これにより、軽自動車としては初の「2030年度燃費基準95%達成車」となっています。
またガソリンモデルであるL、Aの2グレードでは、減速時のエネルギーで発電・充電を行い、無駄な燃料消費を抑える「エネチャージ」を採用。こちらもWLTCモード燃費は2WDモデルで25.2km/Lを記録するなど、十分な低燃費性能を備えています。
安全装備も充実!「スズキ セーフティ サポート」を全車標準装備
先代では一部グレードでオプションとして用意されていた予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」ですが、新型アルトでは全車に標準装備されたこともポイントです。
衝突被害軽減ブレーキとして、夜間歩行者も検知できるステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」や「後退時ブレーキサポート」を備えるほか、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト、後方誤発進抑制機能といった8機能を全グレードに標準装備。
さらにメーカーオプションとして、標識認識機能、全方位モニター用カメラ、ヘッドアップディスプレイも用意。ドライバーの視線移動の負担を軽減し、必要な情報を見やすく表示する工夫も取り入れられています。
もちろん、基本安全性能も十分。
広い視界を確保することで、低い車高ながら視認性を高めているほか、最小回転半径は4.4mと良好な小回り性能を実現しています。
世代を問わず親しみやすいデザインへと刷新
エクステリアやインテリア、ボディカラーなども一新されています。
エクステリアは「気軽」「安心」「愛着」をコンセプトに、誰もが気軽に安心して乗れる親しみやすいデザインを採用。
先代は目力が強さが特徴でしたが、新型となる9代目アルトでは先代モデルの雰囲気を残しつつ、丸みを帯びた柔らかなフォルムや楕円形のモチーフを取り入れることで親しみやすさを演出しています。
またインテリアは、ネイビーカラーを基調とすることで落ち着いた印象に。デニム調のシート表皮などで親しみやすさを表現しつつ、質感の高さや居心地の良さも兼ね備えたものとなりました。
ボディカラーも、様々なユーザーが自分好みの一色を選べるよう豊富に用意。
新色の「ダスクブルーメタリック」「ソフトベージュメタリック」を含む8色のモノトーンカラーに加え、一部グレードでは4パターンのホワイト2トーンルーフからも選択できます。
室内空間や収納、使い勝手なども向上
インテリアの質感が高められただけではなく、先代モデルと比べて全高・室内高・室内幅がそれぞれ50mm・45mm・25mm拡大したことで、広い室内空間を実現。
またフロントドア開口部の高さも20mm拡大し、コンパクトボディながら前席の乗降性も向上しています。
室内空間にゆとりが生まれたことで、ドライバーの手が届きやすいインパネまわりの収納スペースも豊富に設置。
インパネトレー(助手席)やフロアコンソールトレー、インパネドリンクホルダー(運転席、助手席)などを新設したほか、大型スマートフォンも収納できるインパネセンターポケットも用意するなど、利便性が高まっています。
さらに、全高・室内高・室内幅の拡大によって荷室スペースも十分な広さを確保しています。
荷室開口部の地上高は660mmと低めなので、重たいものを載せるのも楽々。荷室床面長は4人乗車時でも425mm、リアシートを格納すれば最大1,225mmとなり、たっぷり積み込むことが可能です。
もちろん求めやすい価格帯もキープ
もちろん、アルトの売りである「求めやすい価格」は維持しているのも嬉しいポイント。エントリーグレードの「A(2WD)」は943,800円(税込)からという価格設定です。
今回の新型モデルではハイブリッド車を用意したということもあり、最上級グレードにあたる「HYBRID X(4WD)」は1,379,400円(税込)からなど、アルトとしては高めの価格であるグレードも多い印象です。
とは言え、車としての基本的な機能をしっかり備えつつハイブリッドも搭載した新車をこの価格で購入するというのは、他のモデルではなかなか難しいもの。ハイブリッドモデルをお値打ちに買いたいというユーザーにも応えられる一台となっています。
中古車を待つのもアリ。また、先代を狙うという選択肢も
元々お手頃な価格で新車でも手が出しやすいアルトですが、中古車もアリな選択肢。
軽自動車は登録済み未使用車が市場に出回りやすく、新型登場直後であっても新しいモデルが多数掲載されていることがあります。価格はそこまで安くならない場合が多いですが、気に入った車種があればすぐに納車されるというのがメリットです。
また、より安くアルトを狙うなら先代モデルの中古車を探すという手も。また新型では用意されなかった「アルトワークス」などの派生車種を狙う場合も、中古車から探すことになります。
新型アルトのウェブ発表会では、鈴木俊宏社長から「実用品としてのクルマを突き詰めていく」ことがアルトの重要な使命であると語られています。
40年以上の長きにわたり支持されてきたアルトが、今後もどのように進化を遂げるのか注目されます。