吉田由美が解説!"ちょうどいい"フリードの"ちょうどいい"とこ探し!? ~「ホンダ・フリード」
子育て世帯を中心に人気のミニバンですが、小さなボディサイズで小回りが利くことで都市部で特に人気を集めているのがコンパクトミニバンです。
本記事では、そんなコンパクトミニバンにあたる人気車種のホンダ・フリードについて、その魅力やおすすめポイントを日本自動車ジャーナリスト協会理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務めるカーライフ・エッセイストの吉田由美さんが解説します!
フリードのどんなところが"ちょうどいい"?
初代フリードが登場したのは2008年。その時のキャッチフレーズは「This is 最高にちょうどいい ホンダ」でした。
2008年から2021年6月までに国内累計販売台数は100万台を突破!
"ちょうどいいフリード"は、多くの人に選ばれているようです。確かに街でもよく見かけます。
普段の会話で"ちょうどいい"という言葉はフツーに使いますが、よくよく考えると"ちょうどいい"って、どういうこと? 改めて検証してみました!
まずはフリードの歴史をおさらい
なんだかんだ言ってもミニバンは相変わらず人気で、特に後部ドアが両側スライド式で3列シートのものが大人気。
その頂点にあるのは「トヨタ・アルファード/ヴェルファイア」。続いて「トヨタ・ヴォクシー/ノア」ですが、これでも大きいと思っている人は多く、もう少し小さい5ナンバーサイズのコンパクトミニバン「ホンダ・フリード」が売れるのは当たり前といえば当たり前です。
現在のフリードは2代目で、2016年にフルモデルチェンジが行われました。
発表会にはCMキャラクターの蛯原友里さんとチュートリアル徳井義実さんが登場していましたが、まるで昨日のことのように覚えています。5年前だなんて…月日が流れるのは早いですね。さらにそれから2年後の2019年、フリードはマイナーチェンジをし、現在に至るのですが、来年2022年にはフルモデルチェンジが予定され、チラホラ情報も見え隠れ。
とはいえ、5年経った現在でも販売台数ではベストテンに入るという人気っぷりです。
しかし、この「フリード」が不思議なのは、3列シートが基準車となるため、2列目シートのほうが「フリード+(プラス)」となります。これが何とも言えない違和感。
私の感覚では、数が多いほうが「プラス」のイメージなのに、実際には数が少ない方が「プラス」なので。
2019年のマイナーチェンジの際の変更は、内外装ともにデザインが変わり、精悍な感じに。今ドキなホンダ顔になっています。
名称もいろいろ変わりました。クロスオーバースタイルのものは「CROSSTER(クロスター)」という名称となり、これは新型FITでも採用されていますが、個人的には憶えにくいな、と思っています。
ちなみに「クロスター」は、さらに専用のフロントグリル、前後バンパー、LEDフォグライト、ルーフレール、アルミホイール、専用色のドアハンドル、ドアミラーなどで一味違った仕上がりです。
フリード ハイブリッドG ホンダセンシングに試乗!その乗り心地は?
というわけで、ここからはフリードの検証です。
ホンダはこのところ、フロントライトが細いせいかキツい顔つきの車が多いのですが、フリードはフロントグリルやバンパーなどのフロント周りは変更されたものの、どちらかといえばそれほどギラギラしていない落ち着いた感じ。
ボディカラーは全10色で、今回試乗したのは新色の「シルバーミストグリーン・メタリック」。このところ流行っているややグリーン寄りのカーキ色ですが、落ち着いたボディカラーです。
運転席周りもダッシュボードの中央に木目を使い、落ち着いた印象のオーソドックスなタイプです。
まずは後席まわりから。
後席は両側パワースライドドアですが、さらにオプションでハンズフリーのスライドドアも設定可能で、両手がふさがっていても足先をかざすと自動開閉してくれます。
後席の窓ガラスは大き目で、シェードが付いているのがポイント。
後席は前席に比べるとエアコンの利きが遅いことが多く、窓が大きい分日差しも当たります。ずっとそこにいると、熱中症などになる危険も。シェードがあれば、少なくとも直射日光は避けることが出来るので嬉しいです。
フロントガラスと前席のウインドウガラスは、遮熱性の高いIRカットと約99%のUVカット機能付きのガラスを採用しています。
2列目シートは足元空間より、頭上空間が私のゲンコツ5つという広さ。
収納については、2列目シートは前席シート後ろのポケットが運転席側では上部のみ、助手席側は上下に装備。ドアポケットにはカップホルダーを左右両方の席に装備しています。
また、6人乗りモデルであれば前席、2列目までは全席片側にアームレスト付きとなります。2列目のシートの座面は低めですが、代わりに床面が高く感じたのは私だけ!?
3列目のシートは座り心地は×。しかし、座面を50:50で左右に跳ね上げて格納する方法は、手軽にできるので〇。ただ、跳ね上げた状態では運転時に少し気になります。
バックドアは大きくて重いので、開けるときには広めの場所で。
続いて運転席周りです。
パーキングブレーキが採用されていますが、毎回忘れてしまうので、これは改善されると嬉しいです。
インパネは3段式で一番上部分でも低め。その一番奥にメーターパネルが設定されているので、目線移動が少なくていいのは好感度大。ただ全体的には高めに感じます。
Aピラーの三角窓のお陰で視界も確保。
スピードメーターが遠くに行った分、ステアリングの奥の部分はデッドスペースになり、蓋つきの収納ボックスに。中は3つに仕切られていて、両脇は斜めに入れるタイプ。真ん中はそのままの深さの設定。フリードの収納は区切られているものが多いのも特徴です。
ルームミラーの上には小さな車内を見る用のミラーがあり、これは車内の様子を確認するためのもの。さらにプラズマクラスター付きのエアコンが空気も綺麗にしてくれるので、花粉症などアレルギー体質の人は積極的に選びたくなります。
USBは前席に1つ。…あれ?少ない。私が見つけられなかっただけかも。
エンジンは1.5Lのガソリンエンジンと1.5Lのガソリンエンジン+モーターのハイブリッド。先進安全装備は「ホンダセンシング」が全車標準装備で、ACC(アダプティブクルーズコントロール)付きです。
運転した感じは、タイヤが良く転がるというか、ひと踏みでスピードが落ちないままスーッと走る感じを受けました。
お値段は199万7600円~327万8000円。
実はフリードにはここに書ききれないトピックがいっぱい。100万台以上売れているフリード、やっぱりタダモノではありません!