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【ライター解説】スズキ・ジムニーシエラを解説!人気の秘密は"原点回帰"のデザインと進化した機能【動画あり】

スズキ ジムニーシエラ

新型になって人気が急上昇中の軽自動車「ジムニー」。「車選びドットコムYouTube」では、そんなジムニーの上位モデルである「ジムニーシエラ」をチェックしました。
原点回帰のデザインが好評の同車について、ジムニーとの違いをチェックしながら、ジムニーシエラの魅力を探ってみましょう。

▼ジムニーシエラの紹介動画はこちらをチェック!
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Chapter
シエラはジムニーよりもひとまわり大きい
デザインは原点回帰。操作系の先祖返りも
走行性能もレベルアップ

シエラはジムニーよりもひとまわり大きい

スズキ ジムニーシエラ

まず「ジムニー」「ジムニーシエラ」との共通する部分や違いからおさらいしていきましょう。

まず両者で共通するのは“車体そのもの”です。全長や全幅は異なりますが、車体そのものはどちらも同じ。小さくて四角いスタイルのボディです。
したがって、室内や荷室の広さといったパッケージングも全く同じ。実用性に関しては、同等と考えて間違いありません。

走行機能系に関しては、駆動システムも共通です。
エンジンを縦置きに搭載し、後輪駆動をベースとする4WDを採用。4WDシステムは切り替えに電子制御が介入せずすべてをドライバーの手に任された伝統的な機械式で、強靭かつ悪路走行を最優先で考えたもの。悪路へのこだわりを感じさせます。

4WDの切り替えモードは2H(2WD)4H(4WD高速)、そして4L(4WD低速)の3パターン。
2Hは通常走行、4Hは雨や雪などの滑りやすい路面、そして軽い荒れ地などで使います。本格オフローダーの証と言える4Lは大きな駆動力を生むので、険しい悪路や強い力を必要とするシーンで活躍するモードです。

スズキ ジムニーシエラ

一方でこのジムニーシエラがジムニーと異なる部分はまず「車体サイズ」
ジムニーが全長3395mm×全幅1475mmなのに対し、ジムニーシエラは全長3550mm×全幅1645mmと155mm長く、170mmワイドになっているのです。

これはジムニーが軽自動車規格(全長3400mm×全幅1480mm)内に収まっているのに対して、その制約がないジムニーシエラは大型の前後バンパーやオーバーフェンダーを装着しているから。
小ささではジムニーの勝ちですが、ジムニーシエラのほうがワイルドかつ安定感があって見栄えがいいと感じる人も多いのではないでしょうか。

ちなみにタイヤは、175/80R16のジムニーに対してジムニーシエラは195/80R15とひとまわりワイドになっています。

スズキ ジムニーシエラ エンジン

もうひとつのポイントはエンジン
ジムニーが排気量658ccの3気筒ターボで64psなのに対して、ジムニーシエラは排気量1460ccの4気筒自然吸気で102ps。トルクもジムニーの96Nmを上回る130Nmあるので、より力強い走りを実現しています。

つまり、車体そのものは同じながら、バンパーの部品の違いやオーバーフェンダーの追加でジムニーより全長や全幅はひとまわり大きく、エンジンもより力強いのがジムニーシエラと言えます。

気になる価格は、ジムニーが148万5000円から177万6500円なのに対して、ジムニーシエラは179万3000円から205万7000円
ベーシックグレードの装備の違いなどもありますが、ジムニーシエラの価格帯は完全にジムニーのそれを上回っています。

デザインは原点回帰。操作系の先祖返りも

スズキ ジムニーシエラ インテリア

さて、そんなジムニーシエラの新型の特徴は、まずスタイルでしょう。
四角いスタイルは見るからに原点回帰。かつての、先々代以前のような無骨だったジムニーを思わせます。そして、このスタイルが新型の人気の秘密です。

懐かしい雰囲気はインテリアも同様。
たとえばメーターは箱で囲んだデザインですが、これは1980年代のクロスカントリーSUVをイメージしたレトロテイスト。四隅にボルトが埋め込まれていますが、これは雰囲気を演出するためのダミーです。こういった遊び心がいいですね。

また、先代の後期モデルではボタン式となっていた4WDの切り替え操作がレバー式に戻るなど、操作系も一部が原点回帰していることがトピックです。
これも、多くのジムニーファンにとっては朗報でしょう。

スズキ ジムニーシエラ インテリア

いっぽうで、時代に合わせて進化している部分もあります。

たとえばハンドルの調整機能。新型では歴代ジムニーではじめてハンドル調整機能が加わりました。
上下調整(チルト)だけで前後調整(テレスコピック)はないのですが、ジムニーにとっては大きな出来事です。

運転席に座ると、視線位置が高いので視界が広く、ボンネットがよく見渡せるから車幅も使いやすいことをメリットとして実感できます。

いっぽう後席は、正直に言うと頻繁に使う人にはお勧めしません。3ドアで独立したリヤドアがないので乗り降りしづらいからです。サイドシルの位置が高いこともあり、後席乗降はタイトな姿勢を強いられます。

とはいえ、後席は乗り込んでしまうと“意外に広くて居心地がいい”という印象。
足元スペースは狭すぎず、四角いボディのおかげで頭上にタイト感がなく、さらに窓が大きいから閉塞感がないのがその理由です。

スズキ ジムニーシエラ

とはいえ、ジムニーに本来の姿は、荷室を倒して2人乗りメインで使うことではないでしょうか。

後席使用時だと広くない荷室ですが、後席を倒すと驚きの広さを実現。後席は水平に倒れ、まるで最初からなかったかのようにフラットな床となるなど後席を倒した時の空間を重視した設計になっているからです。
広く使うために、シート左右部分やシート後方(常時荷室部分)と床が面一となりシートベルトの結合部分まで外せるのだからこだわりは徹底。そのうえ、荷室の床部分は樹脂で、汚れても水拭きで簡単に掃除できるのがいいですね。

余談ですが、荷室のドアが一般的な跳ね上げ式ではなく横開き式なのは、ドアにタイヤを背負っているから。タイヤサイズやタイヤの有無によって重さの変化が大きいので、上に跳ね上げるのは難しいのです。
メルセデス・ベンツのGクラスやジープ・ラングラーなども同様ですね。

走行性能もレベルアップ

スズキ ジムニーシエラ

ところで走りはどうか。
これはジムニーをどう捉えるかで変わってきます。

一般的な乗用車と比べたら走行騒音も大きく、ラダーフレームゆえの走りの癖もあります。しかし先々代と比べると高速走行時の音も静かになり、乗り心地も改善。快適性はかなりよくなりました。
普通の乗用車やクロスオーバーSUVからの買い替えであれば、そこはしっかり理解しておくのがいいでしょう。

動力性能は、ジムニーシエラであれば軽自動車のジムニーよりもゆとりがあり、高速走行においても著しい不足はありません。

「車選びドットコムYouTube」では、レースクイーンの近藤みやびさんが「このまま海へ遊びに行きたい」と言い、いっぽう元レーシングドライバーの土屋圭市さんが運転しながら少年期の昔話を話すシーンがあります。
ジムニーシエラのキャラクターはどうやら、土屋さんにそんな話をさせてしまう不思議な力を持っているようです。

ジムニーシエラの紹介動画はこちらをチェック!

※最新の中古車情報を掲載している都合上、中古車情報と記事内容が相違している場合があります。

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏|くどう たかひろ

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