新型「GX」登場で、見えてきた新型ランドクルーザープラドの存在
2023年に入ってミニバンの新型「LM」や、クラスレスなコンパクトという新しい価値を提案したSUVの新型「LBX」を発表してきたレクサスが6月に発表したのは、新しい2台のSUVです。
先に公開された「GX」は、2002年から販売されているSUVで、トヨタのランドクルーザープラドがベース。今回の新型で3代目を数えます。
いっぽう「GX」の翌日に公開された「TX」は、新しいモデルで3列シートのクロスオーバーSUVとなっています。
レクサスの本気!? 2台のSUVを発表
レクサスは、2023年6月8日と9日に新型「GX」、新型「TX」をアメリカで立て続けに公開しました。
それぞれの特徴と、日本発売次期、兄弟車の存在について解説します。
オフロード性能を追求した新型SUV
ランクル300系と同じGA-Fプラットフォームを使った新型「GX」の基本はボディオンフレームで、オフロード性能を追求しています。
発表されたボディサイズは、全長4,950mm×全幅1,980mm×全高1,870mmというもので、先代の200系ランドクルーザーをほぼ同じ大きさになります。
搭載されるパワートレーンは、新型ランクルと同様の3.5LのV6ツインターボと、2.4Lターボハイブリッドの2つ。
サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにリジッドアクスルという組み合わせで、サスペンションジオメトリーの最適化とホイールアーティキュレーションの伸長による路面追従性の向上、さらにLEXUS初採用のE-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)によって、優れた車両安定性と路面追従性を実現しています。
エクステリアデザインは、タフでモダンなプロポーションとオフロード走行機能に根差したもの。
高い走行性能の提供に寄与する「機能的本質や動的性能に根差したプロポーションと独自性を追求したデザイン」を本格オフローダーとして表現し、高い走破性と冒険心をくすぐる外観でありつつ、あらゆる道でドライバーが快適に運転できるデザインとしています。
乗員が心から安らげる室内空間として、森の中にたたずむデジタル環境を完備したモダンで快適な別荘をイメージしてデザインされたインテリアは、視認性などのオフロード走行時の機能性に配慮しつつ、使い勝手に優れた機能を備えてます。
先進安全には最新のLexus Safety System +が搭載されています。
北米向け専用モデルとして開発されたTX
いっぽうプロトタイプとして公開された「TX」は、レクサスNXやRX,トヨタ ハリアーやRAV4なども使うGA-Kプラットフォームを使ったクロスオーバーSUVです。
その最大の特徴は3列シートの室内で、北米地域独特のニーズに応えるために開発された地域専用モデルということです。
ボディシルエットやGA-Kプラットフォーム、2.4Lターボエンジンなどをみれば、このモデルがレクサス RXの3列シート版になることは明らかですが、以前のRX450hLのように同じモデル名としてないのは、北米専用モデルとしてボディのサイズ、意匠が大きく変更されているためです。
そのサイズは、3列シート、7人乗りSUVのニーズに応えるため、RXに比べてホイールベースで100mm、ボディの全長では180mm〜190mm伸ばされた結果、全長5,160mm×全幅1,990mm×全高1,780mmという堂々たるもの。
さすがに日本の道路事情では、持て余しそうです。
また搭載エンジンは、2.4Lターボにくわえてレクサス初の3.5L V6プラグインハイブリッドに、リアに高出力モーターを配置する4WDシステムのDIRECT4と2.4Lターボハイブリッドシステムを搭載する“F SPORT PERFROMANCE”など、拡幅されたボディに見合ったパフォーマンスが達成されています。
日本で発売はあるの?
フラッグシップSUVのLXの下位に位置づけられることになる「GX」は、2023年の年末から順次各地域で販売が開始される予定とアナウンスされています。
この“地域”に日本が入っているのかは、いまのところ不明ですが、ランドクルーザープラドがモデル末期の2022年にあっても年間4万台を売り上げたという実績と、レクサスの安定した人気を考えると、日本でも販売されることになるでしょう。
いっぽう「TX」は、ハイラックスよりも大きなボディサイズを考えると、さすがに日本導入は厳しそう。どうしても乗りたい人は、並行輸入車という選択になりますね。
見えてきた新型ランドクルーザープラド
現行のGXと150系ランドクルーザープラド、LXと300系ランドクルーザーを見比べてみると分かるように、それぞれ2台はボディ骨格をイジること無く前後のデザイン処理で差別化を測って図っていることがわかります。
それを踏まえて新型GXを眺めると、次期ランドクルーザープラドのボクシーなシルエットが浮かび上がってきます。
発表されたGXの全長4,950mm×全幅1,980mm×全高1,870mmというボディサイズは、現行のプラドに比べるとかなり大きくランクル300に近いもの。
そのため、次期プラドは”ランクル250”を名乗るのでは?とウワサされているようです。
あとはエンジンが、ハイブリッドになるのか、クリーンディーゼルの用意は?など、いまから興味が尽きません。