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【プロ解説】海外生産によるデメリットは皆無。正常進化的に熟成がすすんだ5代目オデッセイ(RC5型)

ホンダ オデッセイ 2023 RC5

2013年11年にデビューし、2021年に生産を終了したホンダのフラッグシップミニバン、オデッセイ(5代目:RC型)ですが、2023年末に復活したことは記憶に新しいところです。

中国工場で生産され、輸入車として販売される5代目オデッセイは、どこが変わって、どこが変わらなかったのでしょうか?

試乗インプレッションを中心に解説します。

※車両本体価格は2024年4月現在

Chapter
e:HEV専用車として復活した5代目オデッセイ
目立つ変更点は新デザインのフロントグリルぐらい。目立たないところで進化している
室内の静粛性がアップ。高級感も向上した

e:HEV専用車として復活した5代目オデッセイ

ホンダ オデッセイ 2023 RC5

今回、国内へ再投入されたオデッセイは、型式名がRC4型からRC5型に進化しました。

それにともないラインナップが整理され、パワートレインはハイブリッドの「e:HEV」のみ、乗車定員も8人乗りが廃止され、2列目にキャプテンシートを備えた7人乗りのみになりました。

グレードは、「e:HEV ABSOLUTE」「e:HEV ABSOLUTE・EX」「e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION」の3つが用意されます。

そのなかから今回試乗したのは、新たに最上級グレードとして追加された「e:HEV BSOLUTE・EX BLACK EDITION(アブソルートEXブラックエディション)」車両本体価格は516万4500円です。

目立つ変更点は新デザインのフロントグリルぐらい。目立たないところで進化している

エクステリアはフロントまわりを中心に手がくわえられました。

新デザインのフロントグリルは、開口部を拡大してワイド感を強調するとともに、水平基調の5本メッキバーに突起状のデザインを組み合わせることで高級感をアップ。あわせてエンブレムを前方に配置することで迫力と重厚感をプラスしています。

さらに「e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION」には、ブラッククロームメッキのフロントグリル、ブラックスモークレンズのリアコンビランプ、フォーマルブラックのドアミラー、マットベルリナブラックで塗装された18インチアルミホイールなどが追加され、洗練された高級感を演出しています。

インテリアは、運転席8ウェイ、助手席4ウェイのパワーシート、シートヒーター(前席&2列目)、2列目のオットマン付き4ウェイパワーシートとセンターテーブル、USBチャージャー(Type-C×2)が標準装備。オプションのナビゲーションは11.4インチに大型化されました。

最上級に位置する「e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION」は、さらに本革シート、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート、ワイヤレス充電器、トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコン、ブラックのルーフ/ピラーライニング、ピアノブラックの加飾を施した本革巻きステリング、インストルメントパネルやドアの黒木目調パネルなどの採用によって質感を高めています。

ホンダ オデッセイ 2020

搭載されるパワートレインは、2.0L直列4気筒ガソリンエンジンに駆動・発電それぞれのモーターを組み合わせるハイブリッドシステムの「e:HEV」です。

エンジン、モーターのスペックは、エンジンの最高出力107kW(145ps)と最大トルク175Nm。モーターの最高出力135kW(184ps)と最大トルク315Nmは、従来型と同じ数値ですが、エンジンがLFA型からLFB11型になり、最大トルクの発生回転数が4,000rpmから3,500rpmに下がり、より実用的になりました。

WLTCモード燃費は、従来型の19.8km/Lに対して改良後は19.6km/Lとわずかながらダウンしています。

室内の静粛性がアップ。高級感も向上した

ホンダ オデッセイ 2023 RC5

試乗して最初に感じたのは、室内の静粛性の向上です。

従来型に比べると、モーターで走行する領域が増え、エンジンが仕事をする割合が非常に少なくなっているように感じました。またエンジンがかかったときの音や振動が抑えられているあたりは、質感が向上したと言えるでしょう。

さらに装着されている横浜ゴムのアドバンdB(デジベル)というタイヤもロードノイズを抑えているので、走行中でもドライバーと3列目シートで会話ができます。

ホンダ オデッセイ 2023 RC5

カーブを曲がる際のクルマの傾きも少なく、路面からの衝撃も抑えられています。この動きは、ほかの国産ミニバンとは一線を画すもの。低床設計の面目躍如と言ったところでしょうか。

スポーツカーとは言いませんが、発進加速やコーナリングなども、ドライバーの要求どおりに動いてくれる印象で、運転するのが楽しくなります。オデッセイにかぎっては、“ミニバンは運転が退屈”という評価は当てはまりません

電動調整機能ついた本革シートの2列目も、改良前のモデルで感じた路面からの衝撃が抑えられて、乗り心地が大幅に改善されています。

乗員の使いやすい位置のテーブルやUSBジャックなど利便性も向上し、プレミアムミニバンに相応しい上質な印象を強めています。

ホンダ オデッセイ 2023 RC5

生産国の違いによるネガなどは感じられなかったどころか、むしろ熟成が進み魅力がさらにアップしたオデッセイ

2.0Lエンジンベースのハイブリッドやそれによる低燃費など、ミドルクラスのミニバンを狙っている人にもおすすめできる1台です。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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