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【プロ解説】LBX vs DS3、高級とコンパクトは両立する!? 日仏コンパクトSUV対決!

LBX × DS3

レクサスブランドのなかで、もっともコンパクトなLBXと、シトロエンの高級ブランド、DSオートモビルのDS3

どちらもクラスによるヒエラルキーにとらわれず高級であることを目指して作られたコンパクトSUVです。

今後、新しいマーケットとして注目されることになりそうな高級コンパクトSUVを牽引する2台を比較します。

Chapter
フランスの高級コンパクトSUV『DS3』
日仏のクラスレスコンパクト。価格は460万円〜
燃費はハイブリッドを積んだLBXが圧倒
ドライバー異常対応システムが搭載されるLBX
アバンギャルドなDS3とコンサバデザインのLBX
小さくても高級。クラスレスな魅力の2台

フランスの高級コンパクトSUV『DS3』

レクサス LBX

2023年11月に登場したレクサス LBXは「これまでの高級車の概念を変える、コンパクトサイズながらも走りやデザインも上質である、サイズのヒエラルキーを超えたクルマをつくりたい」というブランドホルダー豊田章男氏の想いをもとに『本物を知る人が、素の自分に戻り気負いなく乗れるクルマ』を目指して開発されました。

全長4.2mのLBXは、トヨタ アクアや日産 ノートオーラ、輸入車ではシトロエン C3やアウディ A1、VW ポロなどと同じ、いわゆるBセグメントのモデルですが、走行性能、装備、価格すべてが上質な“小さな高級車”となっています。

そんなLBXのライバルが、フランスのDSオートモビルが販売するDS3です。

DSオートモビルズ DS3

DSオートモビルは、もともとシトロエンの高級サブブランドとして設立され、2014年にひとつのブランドとして独立しました。

スタイリッシュなデザインやテクノロジー、ユーザーニーズに合わせてダイナミックに変化する快適性とディテールや素材にこだわったクルマ作りが特徴です。

日仏のクラスレスコンパクト。価格は460万円〜

DSオートモビルズ DS3

DS3は、2019年にDS3クロスバックとして発売されたコンパクトラグジュアリーSUVで、2021年からDS3へと名称が変更されています。

現在、日本国内で販売されている新車のDS3は、1.2L PureTech直列3気筒ガソリンターボを搭載するPERFORMANCE LINE(パフォーマンスライン)と、1.5L Blue HDi直列4気筒ディーゼルターボを搭載するOPERA Blue HDi(オペラブルーHDi)の2グレード。

以前は、最上位グレードにE-TENCEと呼ばれるBEVが用意されていましたが、現在は新車販売がありません

車両本体価格は、パフォーマンスラインが462万円、オペラブルーHDiが514万円。LBXは “Bespoke Build”以外の“Cool”と“Relax”が、ともに460万円〜486万円です。

DSオートモビルズ DS3
レクサス LBX

ボディサイズは、LBXの全長4,190mm×全幅1,825mm×全高1,545mmに対して、DS3は全長4,120mm×全幅1,790mm×全高1,575mm。

全高が30mm低いLBXは、デザインの違いもあってややワイド&ローな印象となっていますが、注目は1,545mmに設定された全高。これによりLBXは日本の都市部に多い機械式駐車場(上限1,550mm)にギリギリ収まるサイズになっています。

いっぽうで最低地上高はLBXの170mmに対してDS3は185mmと、DS3のほうが大きくなっています。

取り回しの良さの指標となる最小回転半径は、LBXの5.2mに対してDS3は5.3mとほぼ互角です。

燃費はハイブリッドを積んだLBXが圧倒

レクサス LBX

パワートレインのスペックは、LBXの1.5Lハイブリッドシステムがシステム最大出力100kW(136PS)。

DS3は、1.2Lガソリンターボが最高出力96kW(130PS)/最大トルク230Nm、1.5Lディーゼルターボは最高出力96kW(130PS)/最大トルク300Nmというもの。

駆動方式はレクサスLBXが2WDと4WDを設定しているのに対して、DS3は2WDのみですが、これはコンパクトSUVのユーザーの車の使い方を研究した結果で、ちょっとした悪路は標準装備のグリップコントロールとタイヤでクリアできると考えられています。

装着しているタイヤは、LBX“Cool”が225/55R18、DS3パフォーマンスライン は215/60R17、DS3オペラブルーHDiは215/55R18です。

DSオートモビルズ DS3

燃費性能(WLTCモード)をそれぞれの2WDモデルで比べると、LBXが27.7km/Lで、DS3パフォーマンスラインが18.2km/LDS3オペラブルーHDiでも21.0km/Lと、ハイブリッドのLBXに分があります。

ただし高速巡航を想定したWLTC‐H(高速道路モード)では、LBXの26.4km/Lに対し、DS3 オペラブルーHDiは23.5km/Lと、その差がギュッと縮まります。

ドライバー異常対応システムが搭載されるLBX

レクサス LBX

運転支援機能は、LBXが、プリクラッシュセーフティをはじめ、プロアクティブドライビングアシスト[PDA]、レーンディパーチャーアラート[LDA]、アダプティブハイビームシステム[AHS]、ドライバー異常時対応システムなどで構成されたLaxus Safety System+にくわえ、セカンダリーコリジョンブレーキ、パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付き)などを標準装備。オプションでは、高度な渋滞支援を行うや駐車支援を行うレクサスチームメイトが用意されています。

DSオートモビルズ DS3

いっぽうDS3は、アクティブセーフティブレーキ、ディスタントアラート(夜間・サイクリスト検知)、アクティブクルーズコントロール、レーンポジションニングアシスト、ブラインドスポットモニターなど6つの機能がパッケージされたDSドライブアシストを標準装備。

くわえて360°ビジョン、DSマトリックスLEDビジョン、ヘッドアップディスプレイ、グリップコントロールを搭載します。

大きく異なるのは、LBXにはドライバーの状態を監視するカメラが付いており、ドライバーに異常を感知した場合は自動的に車を停める機能が付いていることです。

アバンギャルドなDS3とコンサバデザインのLBX

シートは、LBX“Cool”がセミアニリン本革×ウルトラスエードのコンビシート、DS3パフォーマンスラインはファブリックとアルカンタラ、テップレザーという3つの素材が組み合わされたもの、DS3 オペラブルーHDiはナッパレザーです。

LBXとDS3 オペラブルーHDiは、フロントシートにヒーターを装備するほか、運転席が電動パワーシートを装備。DS3パフォーマンスラインは、シート調整が手動になりシートヒーターの装備もありません。

いずれも吸音材や遮音材をふんだんに使用し、エンジンやタイヤが発生するノイズの車内への侵入を抑えています。

ラゲッジ容量は、LBX(2WD車)が最大330Lなのに対し、DS3は350Lと余裕があります。

パリの石畳をモチーフにしたクル・ド・パリ文様をベースにしたインテリアデザインは、DSオートモビルに共通する特徴であり、おしゃれで機能的。

上質さを求めたLBXは、ヘッドアップディスプレイからメーターにつながる情報系部品配置と、メーターからタッチディスプレイへつながる部品構成により、スムーズな視線移動と操作を可能とした機能優先のデザインです。

乗り心地は、LBXがスポーティでやや硬めな印象なのに対し、DS3はソフトなサスペンションセッティングが、フランス車らしいしなやかな乗り味をもたらしています。

小さくても高級。クラスレスな魅力の2台

LBX × DS3

レクサスがLBXで目指したクラスレスの小さな高級車をすでに体現しているDS3。

ボディサイズだけでなく、クルマのキャラクター、価格面、性能すべてにおいてLBXのライバルと言える存在です。

ロングドライブが多いという人なら、燃料代の安いディーゼルエンジンを搭載したDS3 オペラブルーHDiを選択するのもアリかもしれません。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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