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GT-R NISMOの22年モデルと24年モデルを比較

日産 GT-R NISMO Special edition 2024

2007年10月に「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」をコンセプトとしたマルチパフォーマンススーパーカーとして登場した日産 GT-R

2013年にはGT-R究極のモデルといえる「GT-R NISMO」が設定されました。

ここでは、GT-R NISMOの最新モデルである2024年モデルと2022年モデルを比較してどのように進化しているのかを再検証してみましょう。

Chapter
ガラリと印象を変えたフロントデザイン
ついにフロントLSDを標準装着
インテリアはバケットシートを刷新

ガラリと印象を変えたフロントデザイン

日産 GT-R NISMO 2024
日産 GT-R NISMO 2022

24年モデルのGT-R NISMOの変更点は、おもに空力性能の磨きこみとサスペンションと足まわりのチューニング、制御系の最適化です。

まず“空力性能の磨きこみ”ですが、ボディの最適化と新形状のリアウイングの採用により、トータルダウンフォースの向上を実現しています。

これまでもGT-R NISMOの空力デザインは、SUPER GTのレース車両開発で得た最新技術が常にフィードバックされてきましたが、24年モデルでは目指すパフォーマンスを実現するために、フロントエンドとリアエンド形状の最適化を行うとともに、新形状のリアウイングを採用しました。

22年モデルからおおきく変わったフロントは、これまで蓄積したダウンフォース向上技術を最大限に使用し、フロントグリル、フロントリップスポイラーおよびカナードの形状を最適化することにより、フロントダウンフォースを向上。

新しいグリル&メッシュ形状などにより開口部が小さくなったフロントグリルは、冷却性能を維持しながら、微細な気流の乱れを逃さず整流し、発生する揚力を抑制しています。

日産 GT-R NISMO 2024
日産 GT-R NISMO 2022

いっぽうリアエンドは、ウイングのレイアウトを変更するとともにスワンネック型のステイを使った新形状のNISMO専用カーボン製リアウイングを装着

ウイング単体の効率を高め、リアのダウンフォースを向上するとともに、新採用のトランクリッドスポイラーとリアバンパーサイド形状の最適化で、ダウンフォースの向上によって増加する空気抵抗を抑制しています。

ついにフロントLSDを標準装着

足まわりには、長年NISMOのアフターパーツとして販売されてきたメカニカルLSDをフロントに純正装着。これにより、コーナリング時の内輪の空転を抑え前軸へより多くの駆動力配分を可能としました。

さらに、ATTESA E-TSの最適制御によりフロントの駆動力配分を増加。車両のダウンフォース向上と合わせてコーナー立ち上がり時の加速性能を向上させています。

日産 GT-R NISMO 2024

アウトレットダクトが特徴のNISMO専用拡幅カーボン製フロントフェンダー(上部&後部アウトレットダクト付)は、エンジンルームの冷却性能を向上するとともに、ボディ表面の流速を下げることで、フロントのダウンフォースを増加させます。

位置・形状を精密に制御し、排出による空気抵抗の増加を抑えたアウトレットダクトは、GT-R NISMOの走りのトータルバランスを高める重要なパーツです。

日産 GT-R NISMO 2024
日産 GT-R NISMO 2022

タイヤ&ホイールは22年モデルと同様。タイヤは、ダンロップ SPスポーツマックスGT600DSST(NR1)で、サイズはフロントに255/40ZRF20(101Y)、リアは285/35ZRF20(104Y)という組み合わせ。

ハイグリップゴムの能力を最大限に引き出すために、パターンとプロファイルを最適化し路面に接する際の接地面積を最大化したこのワイドタイヤもNISMO専用品です。

レイズ製20インチアルミ鍛造ホイールはNISMOレーシングブラックカラーで塗装され、スペシャルエディションのみ、NISMOロゴをあしらったレッドリム加飾が追加されます。
 
タイヤ&ホイールのポテンシャルに対し、専用スプリング&ショックアブソーバー、専用スタビライザーを精緻にセッティングすることで、ロードホールディング性能を高め、高い旋回車速とリニアな舵角コントロールを実現しています。

インテリアはバケットシートを刷新

インテリアでは、車両との一体感をより高め、乗員をより支えるシートをコンセプトに開発された専用レカロ製カーボンバックバケットシートを標準装備しました。

カーボンシートバックシェルに採用したコアフレーム構造に加え、24年モデルではフレームを閉断面化し、剛性を向上

ウレタンパッドの硬度は部位ごとに適切な硬度とし、ステアリング操作時にも肩の動きを妨げず適確な操作を可能としました。

ブレーキングでは、シートバックの前後剛性の向上により踏力を余すことなくブレーキペダルに伝え、旋回から全開タイミングにかけては、向上した横剛性により高い旋回Gにも身体が振られない高いホールド性によって、優れた操作性を実現しているのが特徴です。

日産 GT-R NISMO 2022

気になる車両本体価格は、22年モデルのGT-R NISMOは2420万円。GT-R NISMOスペシャルエディションは2464万円

24年モデルはGT-R NISMOが2865万円。GT-R NISMOスペシャルエディションが2915万円と、24年モデルは2022年モデルに対して、標準車で445万円。スペシャルエディションで451万円高となっています。

日産 GT-R NISMO 2024

22年モデルと24年モデルのGT-R NISMOスペシャルエディションを乗り比べると、走り出してすぐに静粛性と乗り心地の変化を実感できます

静粛性が向上したことで、BOSEのサウンドシステムを小さなボリュームでも楽しめるようになりましたし、路面からの微小な入力が抑えられているだけでなく、荒れた路面においても優れた乗り心地をキープしてくれます。

24年モデルは、22年モデルのダイレクト感に洗練という味をプラスしたというイメージです。

24年モデルで剛性アップと各部位のウレタンパッドの硬度の見直しを図った専用のレカロ製カーボンバックバケットシートですが、サーキット走行などで高いホールド性を発揮するのは24年モデルだと思いますが、ロングドライブなどで疲れにくいのは22年モデルのシートだと感じました。

実際、22年モデルで約1,000kmのロングドライブを行いましたが、腰などに疲れや痛みはまったく発生しませんでした。

日産 GT-R NISMO Special edition 2024

ハイパワースポーツカーらしい獰猛さが残る22年モデルと、音や乗り味が洗練された24年モデル

サーキットのラップタイムでは24年モデルに分がありそうですが、そこさえ求めないのであれば、どちらを選んでも幸せになれそうです。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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