中古車が買いたくなる自動車WEBマガジン

35GT-Rの集大成!GT-R NISMO(24年モデル)試乗インプレッション

日産 GT-R NISMO 2024

日産GT-R NISMO(ニスモ)の24年モデルは、2023年3月にGT-Rの24年モデルと同時に発表されました。

空力性能の磨きこみとサスペンションのチューニング、フロントメカニカルLSDの追加などでコーナリング性能を向上させるなど、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮するマシンへと進化したGT-R NISMO 24年モデル。

その上位グレードにあたるGT-R NISMO スペシャルエディションに試乗しました。

Chapter
エアロパーツの形状変更で空力性能を向上
緻密なチューニングでハイパフォーマンスと乗りやすさ両立
市街地からサーキットまで対応するサスペンションセッティング
レーシーな印象のインテリア
以上に洗練された上質な走行性能を手に入れたGT-R NISMO スペシャルエディション 24年モデル

エアロパーツの形状変更で空力性能を向上

日産 GT-R NISMO 2024

フロントおよびリアバンパー、リアウイング形状の変更により、全長4,710mm×全幅1,895mm×全高1,370mmとなった日産 GT-R 24年モデル

それに対しGT-R NISMOは、目指すパフォーマンスを実現するために、フロント&リアのバンパー形状の最適化を行うともに、新形状のリアウイングを採用。

ボディサイズは全長4,700mm×全幅1,895mm×全高1,370mmで、全長は標準モデルより10mm短く、GT-R NISMO 22年モデルより10mm長いというスペックとなりました。

車両重量は1,720kg、最小回転半径5.7m。乗車定員4名(2+2)は変更なしです。

この結果、GT-R NISUMOは、トータルダウンフォースを向上するとともに、ダウンフォース向上にともなう空気抵抗の増加を抑制。ライントレース性を向上させています。

またフロント&リアバンパー、サイドスカート、エンジンフード、フロントフェンダー、ルーフ、トランクリッドに使われるカーボン製パーツはボディの軽量化にも貢献。

GT-R NISMO スペシャルエディションでは、エンジンフードをクリア塗装として全体のクオリティを高めています。

新形状となったフロントグリルは、開口部の縮小を可能とした新グリル&メッシュ形状などにより、冷却性能を維持しながら、微細な気流の乱れを逃さず整流し発生する揚力を抑制しています。

またNISMO専用拡幅カーボン製フロントフェンダー(上部&後部アウトレットダクト付)は、フェンダー上部のアウトレットダクトにより、エンジンルームの熱気を排出して冷却性能を向上。

くわえてボディ表面の流速を下げることで、フロントのダウンフォースを増加させています。

いっぽうリアエンドは、最新のレース技術を適用した新形状のNISMO専用カーボン製リヤウイングを採用しました。

ウイングのデザインとスワンネック型のステイによって、リアのダウンフォースを向上。新採用のトランクリッドスポイラーとリアバンパーサイド形状の最適化は、ダウンフォースの向上によって増加する空気抵抗を抑制しています。

日産 GT-R 2024

圧倒的エンジンパワーとトルク、強化されたサスペンションシステム、そしてエアロチューニングによって増大したダウンフォースに対応するため、ボディにも高度なチューニングが施されています。

特に接合に構造用接着剤を使用して剛性を高めるボンディングボディは、製造工程で手を加えることができるメーカーだからこそできるチューニングです。

緻密なチューニングでハイパフォーマンスと乗りやすさ両立

日産 GT-R NISMO 2024

3.8LV型6気筒ツインターボエンジン(VR38DETT型は、NISMO専用にチューニングが施されます。

NISMO専用GT3タービン(IHI製高効率・大容量ターボ)とFUJITSUBO製チタン合金製マフラーを装着

くわえて点火時期をコントロールする気筒別点火時期制御や、最適な燃料噴射を行うインジェクター駆動回路の採用によって、最高出力441kW(600ps)/6,800rpm、最大トルク652Nm/3,600-5,600rpmというハイパフォーマンスを発揮します。

日産 GT-R NISMO 2024

エンジンカバーの「NISMO」エンブレムは専用エンジンの証です。

市街地からサーキットまで対応するサスペンションセッティング

日産 GT-R NISMO 2024

サスペンションには、専用スプリング&ショックアブソーバー、専用スタビライザーを採用。

24年モデルのGT-R NISMOでは、新採用のフロントメカニカルLSDとATTESA E-TS(アテーサ E-TS)の最適制御により、フロントの駆動力配分を増加。車体のダウンフォース向上と合わせてコーナー立ち上がり時の加速性能を高めています。

日産 GT-R NISMO 2024

レッドリム加飾の専用レイズ製アルミ鍛造20インチホイールから覗くのは、ダイヤモンドに匹敵する硬度を持つシリコンカーバイトを組成とした、軽量で耐熱性の高いカーボンセラミックローターと、ブレーキローターの大径化にあわせてピストンの配列を最適化したフロントキャリパーで構成されるGT-R NISMO専用カーボンセラミックブレーキです。

新しい摩擦材を使ったブレーキパッドとあいまって、高負荷状況だけでなく、日常的な使用においても優れたコントロール性と圧倒的な制動力を発揮します。

レーシーな印象のインテリア

アルカンターラを随所に採用したレーシーな雰囲気がポイントのGT-R NISMOのインテリア。24年モデルでは、新開発された専用のレカロ製カーボンバックバケットシートを採用しました。

フレームを閉断面化し、さらに剛性を向上させています。また、ウレタンパッド硬度を部位ごとに適切な硬度とし、肩が接する部位は柔らかい設定とすることで、ステアリング操作時はもちろん、ブレーキ操作時にも微細なコントロールを可能としています。

以上に洗練された上質な走行性能を手に入れたGT-R NISMO スペシャルエディション 24年モデル

日産 GT-R NISMO 2024

筆者は日産 GT-Rを2007年の登場以来、たびたび試乗させてもらっていますが、その進化をひと言であらわすと「運転のしやすさ」になると思います。

07年モデルはサーキットのようなキレイな路面ではそのポテンシャルを発揮することができましたが、アンジュレーションのある路面では、怖くてアクセルを踏めない。そんなセンシティブな面があるスポーツカーでした。

しかし、年を重ねてエンジンの出力向上とともにサスペンションをはじめとしたシャシーに手が加えられ、どんどんとセンシティブな面が消されて、それこそ“誰が乗っても速く走れるクルマ”へと進化してきました。

とくにファイナルモデルと言われている、今回の24年モデルGT-R NISMO スペシャルエディションは、これまで以上に上質な走行性能を手に入れています。

まずスターターボタンを押して441kW(600ps)を発生するエンジンを呼び起こした瞬間時から、音が抑えられています。

アクセルを踏んで走り出しても、その静粛性に変わりなく、標準装備されたBOSEのサウンドシステムで音楽を楽しむことができます。

またサスペンションは、路面から伝わる微振動を吸収し、大きく動いたときでもしっかりいなしてくれるので、とても洗練された印象です。

道幅の狭いワインディングを走行した際には、フロントメカニカルLSDと最適化されたATTESA E-TSの恩恵が抜群です。

ステアリング操作を忙しく行っても、GT-R NISMOスペシャルエディションのフロントノーズは自在に動き、自分の思い通りのラインをトレースしてくれます。

GT-Rほどの大柄なボディのクルマで狭いワインディングを走るのは神経を使うものですが、GT-R NISMOスペシャルエディションは、気負うことなく自在に動かすことができてしまいます。

日産 GT-R NISMO 2024

従来からの高いポテンシャルに加えて、高い静粛性能と無駄な動きの少なくなった乗り心地。そしてコントロールしやすくなったハンドリング性能が加わり、R35型GT-Rの集大成と呼ぶに相応しいモデルに仕上がっています。

このGT-R NISMOスペシャルエディションは限られた人しか手に入れられませんが、日本が誇るスーパースポーツカーとして長く愛されることは間違いないでしょう。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

ドリキン土屋圭市MC!

チャンネル登録はこちら

もっとみる 車選びドットコム加盟店募集中 詳しくはこちら

カテゴリー

注目タグ

車選びドットコム加盟店募集中 詳しくはこちら

GT-R記事デイリーランキング

2024.05.02UP

デイリーランキング

2024.05.02UP

最新記事