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【プロ解説】CX-60はマツダらしい人馬一体の乗り味が魅力

マツダ CX-60 PHEV

2012年デビューのCX-5以降、商品展開をSUVにシフトしたマツダは、国産メーカーのなかではトヨタに次いでSUVが多いメーカーとなっています。

そのなかでもっとも新しいモデルが、2022年9月に登場した新世代ラージ商品群のCX-60です。

ここでは、ガソリンから PHEVまで幅広くパワートレーンを用意するCX-60のなかで、最上級に位置するPHEVの乗り味について解説します。

Chapter
4タイプのパワートレーンを持つCX-60
優れたステアリングフィールはFRレイアウトのおかげ?
自然な制御で違和感のない先進安全運転支援システム

4タイプのパワートレーンを持つCX-60

マツダ CX-60 PHEV

マツダSUVラインナップのなかで、もっともフレッシュでホットなモデルのCX-60は、新開発のエンジン縦置きプラットフォームに高出力パワートレインを搭載した新世代SUVです。

現在のラインナップは、e-SKYACTIV-Dと呼ばれる3.3L直列6気筒ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したXD-HYBRIDに、e-SKYACTIV PHEVと呼ばれる2.5L直列4気筒エンジン+モーターのPHEV(プラグインハイブリッド)、3.3L直列6気筒ディーゼルターボ、2.5 L直列4気筒ガソリン車で構成されています。

そのなかで試乗したのは、エンジン+モーターのCX-60 PHEV。グレードは、車両本体価格は646万2500円のPremium Sportsです。

搭載されたシステムは、最高出力138kW(188ps)、最大トルク250Nmを発生する2.5L直列4気筒ガソリンエンジンに、最高出力129kW(175ps)、最大トルク270Nmを発生するモーター、17.8kWhのバッテリーで構成。システム出力は238kW(323ps)のハイパワーです。

マツダ CX-60 PHEV

トランスミッションは、新開発のトルコンレス8速ATで、滑らかで応答性の良い変速と優れた燃費性能が特徴。駆動方式は、高いトラクション性能と理想的なハンドリング特性を実現したi-ACTIV AWDと呼ばれる4WDです。

エンジンとモーター、モーターとトランスミッション、それぞれのあいだにクラッチを配置し、走行シーンに合わせてモーターのみ、エンジン+モーターの最適なモードで走行。

気になる燃費性能(WLTCモード)は14.6km/L満充電時のEV走行可能距離は74kmです。

マツダ CX-60 PHEV

充電は、一般家庭用200Vの3kWと6kW、CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電に対応。

200Vの6kW普通充電では、残り0%でも3時間で満充電となりますし、急速充電器ならば20%から80%までの充電が約25分で完了します。

さらにCX-60 PHEV は車両に搭載された大容量電池から家庭用電気機器などに給電できるV2L。充放電設備を介して、家庭の電源として使えるV2Hにも対応します。

優れたステアリングフィールはFRレイアウトのおかげ?

マツダ CX-60 PHEV

大容量のバッテリーを搭載する関係で、シリーズ中、唯一2トンをうわ回る車両重量2,090kgというヘビー級のボディを持つCX-60 PHEV プレミアムスポーツですが、スポーツという名前のとおり、FRレイアウトを活かしたステアリングフィールの良さは魅力です。

ハンドル切り始めからのクルマのリニアな動き。そして無駄なくピタッとライントレースできるので非常に気持ちが良いです。この気持ち良さは国産SUVのなかでもトップレベルの実力と言えるでしょう。

マツダ CX-60 PHEV

装着しているタイヤは ブリヂストンのアレンザ001で、サイズは235/50R20という大径です。

オンロードSUV専用に開発されたアレンザは、静けさと心地良い乗り心地を追求したLX100と高性能SUVのパフォーマンスを存分に発揮する運動性能にこだわった001の2種類があり、001はナノプロ・テック採用シリカを配合によりシリカ同士の擦れ合いによる発熱を低減しライフ性能を落とすことなく燃費性能を向上させるという特徴があります。

この素材だけではないのですが、タイヤをふくめた足まわりはやや硬く感じました。

自然な制御で違和感のない先進安全運転支援システム

マツダ CX-60 PHEV

高速道路では全車速追従機能付のマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)をフル活用して走行しました。

レーンキープ・アシスト・システムの介入も非常に自然で、自分が動かしているのか、システムが行っているのかがわからないぐらいの実力です。

特に進化を感じたのはマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)の制御。これまでは先行車に追いついて追い越ししようとする際、車線変更してから加速するまでに若干のタイムラグがありました。

しかしCX-60はこの部分が解消されていて、車線変更が終わるとすぐに加速してくれるので、ストレスを感じません。

マツダ CX-60 PHEV

人間中心の設計思想からデザインされたシートは、すこぶる良質です。1日500km以上走行してもまったく腰が痛くなりません。運転支援機能の充実以上にシートの良さが乗員の疲労を軽減しています。

気になったのは、高速道路走行中、バッテリーのチャージモードを使用すると、それまで15km/L近くを示していた瞬間燃費が、8~9kmくらいまで下がってしまうこと。

PHEVはエネルギーを地産地消できることがメリットと言えます。しかしこれだけ燃費性能が下がってしまうことを考えると、到着した先で積極的に電源車として使う予定がないのであれば、出先のパーキングなどに設置されている急速充電器を使ったほうが効率が良さそうです。

マツダ CX-60 PHEV

ちなみに筆者は、発売直後の2022年の冬には、スタッドレスタイヤを装着したCX-60 PHEVに1,000kmほど試乗しましたが、雪の残る一般道でヒヤッとするシーンは皆無。

スタッドレスタイヤを装着していたこともあり、フロントシートだけでなく、リアシートでも乗り心地の良さを享受できたことも付け加えておきましょう。

マツダ CX-60 PHEV

FR/AWD用のエンジン縦置きプラットフォームを使ったラージ商品群の第1段として市場に投入されたCX-60。

SUVでも人馬一体感が味わえるのはさすがマツダと言えます。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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