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【プロ解説】原点回帰したランクル250を試乗!ランクルの保守本流、ユーザーの生活と実用を支えるワークホースとは

トヨタ ランドクルーザー250 ZX

2024年4月から販売を開始したランドクルーザーシリーズの中核モデル、ランドクルーザー250。

ランクルプラドの後継として投入されたモデルですが、ヒエラルキーの上位に位置する”300”シリーズと同じ基本骨格となり、ボディサイズも”300”シリーズに近しいものになったことで、ひと回り小さいプラドを選んでいた人は困惑しています。

ここではおおきくなったランクル250を解説しながら、その魅力を掘り下げていきます。

Chapter
ライトデューティー系ランクルの最新モデル”250”シリーズ
ディーゼルエンジンは500Nmの大トルクを発揮
高速道路の移動では上位の300シリーズに迫る静粛性と低燃費を披露
ロングドライブでも疲れにくい実用的なクロカンSUV

ライトデューティー系ランクルの最新モデル”250”シリーズ

トヨタ ランドクルーザー250 ZX

2023年8月にワールドプレミアを行ったトヨタ ランドクルーザー250は、ライトデューティー系ランクルの系譜として、「The Land Cruiser:質実剛健を追求し、ユーザーの生活と実用を支え、信頼されるクルマ」というランクルの原点に回帰するコンセプトで開発されました。

ボディの基本骨格となるプラットフォームには、上位の”300”シリーズと同じラダーフレーム構造のGA-Fプラットフォームを採用。最新の溶接技術「非線形テーラードウェルドブランク」や超高張力鋼板の採用などにより、フレーム剛性+50%以上、車両全体の剛性は+30%以上を達成しています。

全長4,295mm×全幅1,940〜1,980mm×全高1,925〜1,935mmで、ホイールベース2,850mmというボディは、運転席からの見切りが良く、走っているときにはそれほど大きさを意識することはありません。

ディーゼルエンジンは500Nmの大トルクを発揮

トヨタ ランドクルーザー250 ZX

ランクル250に搭載されるエンジンは、最高出力120kW(163PS)、最大トルク246Nmを発揮する2.7Lガソリン(2TR-FE型)と、最高出力150kW(204PS)、最大トルク500Nmを発揮する2.8L直噴ターボディーゼル(1GD-FTV型)の2種類で、全車センターデフにトルセンLSDを用いるフルタイム4WDです。

トランスミッションは、前者に6速AT(6 Super ECT)、後者は8速AT(Direct Shift-8AT)を組み合わせ、燃費(WLTCモード)は、2.7Lガソリンエンジンが7.5km/L、2.8L直噴ターボディーゼルは11.0km/Lです。

足まわりは、フロントにハイマウントダブルウィッシュボーン式、リアにトレーリングリンク車軸式を採用。同時にサスペンションジオメトリーの最適化によって、優れたホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を確保しています。

高速道路の移動では上位の300シリーズに迫る静粛性と低燃費を披露

トヨタ ランドクルーザー250 ZX

試乗したランドクルーザー250 ZXは、本革内装に20インチのアルミホイールを装着する最上級グレードです。

試乗コースは都心からアクアラインを経由して千葉県の撮影ポイントまでほぼ高速道路の往路と、すべて一般道の復路というルートで、移動距離は往路が約60km、復路は約90kmです。

搭載する2.8Lターボディーゼルエンジンは、太いトルクで2.5トン近いボディを簡単に加速させます。

100km/h巡航時のエンジン回転数は約1,500rpm。風切り音やロードノイズもしっかりと抑えられて、実用性重視を謳うランドクルーザー250ですが、高速道路の静粛性という部分においてはランドクルーザー300に匹敵する実力を備えています。

先代のランドクルーザープラドの6速ATから8速ATに変わったミッションは、1速と2速がローギア化されて、スムーズな加速性能を発揮する反面、低いギアではエンジン回転数が上がり、ノイズが室内にも届きます。とくに、信号待ちからの発進時などで気になりました。

もう少し、エンジンノイズが抑えられれば、質感はより向上するのでしょうが、それはランクル300を買えば済むハナシなのかもしれません。

また全高が1,935mmと高いランドクルーザー250ですが、コーナリング時の左右の揺れだけでなく、加速・減速時の前後方向の揺れも抑えてくれます。乗り心地はとてもソフトで疲れにくいと感じました。

足もとに装着されるダンロップのSUV用タイヤ「グラントレックPT22(265/60R20)」は、は、低燃費性能、耐摩耗性能に優れた新トレッドゴムを採用することでオンロード、オフロードを問わず「LAND CRUISER 250」の高いパフォーマンスを発揮する性能を実現しています。

燃費は、ほぼ高速移動の往路が14.2km/Lと、カタログに記載されたWLTCモード(高速道路モード)の12.6km/Lよりも優れた数値

いっぽう約3時間かけて移動した復路の一般道では、約11.0km/Lとカタログ通りの数値をマークしました。

余談ですが、都内に入るまでの一般道での燃費は12.9km/Lという数値だったので、信号が多く渋滞の起きやすい条件では燃費が悪化しやすいのかもしれません。

いっぽう高速移動は、レーダークルーズコントロールなどを使うことでより良い燃費が叩き出せそうです。

ロングドライブでも疲れにくい実用的なクロカンSUV

トヨタ ランドクルーザー250 ZX

今回、ランクル250 ZXを試乗してわかったのは、高速道路での走行ではWLTCモード燃費を上まわる実力を備えていること。室内のシートはホールド性に優れ、ボディも無駄な動きをしないので、ロングドライブでも疲れにくいこと。

ランクル250は、アウトドアなどで週末にロングドライブを頻繁に行うユーザーにとって、最高のパートナーと言えるクルマになるでしょう。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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