ホンダ フリードのガソリン車とハイブリッド車。5年以上乗るなら断然ハイブリッド車がおすすめ
2024年6月、8年ぶりフルモデルチェンジを行い3代目に進化したホンダ フリード。
コンパクトミニバンカテゴリーで、トヨタ シエンタと人気を二分するホンダの人気車種は、5ナンバー枠に収まる使いやすいボディサイズはそのままに、ガソリン車とハイブリッド(e:HEV)車を用意しています。
両車の価格差は約35万円ですが、納める税金や燃費性能などを加味した場合は、どちらがおすすめでしょうか?検証してみました。
- Chapter
- 税金
- 燃料費
- 自賠責保険
- 任意保険
- メンテナンス
- 新車と中古車の維持費の違いは?
- 維持費という観点でフリードを選ぶなら
2024年に8年ぶりのフルモデルチェンジを敢行したホンダ フリード(GT系)は、発売から約1ヶ月後となる7月27日時点で約3万8000台を受注するという好調な滑り出しをみせました。
新型のボディスタイルは、直線基調を生かしたシンプルなデザインのAIR(エアー)と、専用のブラックフロントバンパーや、ホイールアーチプロテクター、ルーフレールなどを装着してアウトドアレジャーをイメージさせるCROSTAR(クロスター)を用意。
ボディサイズは、エアーが全長4,310mm×全幅1,695mm×全高1,755mm‐1,780mm、クロスターは全長、全高が同じで全幅のみ1,720mmで3ナンバー登録です。
パワートレインは、いずれも1.5L 直列4気筒ガソリンエンジンと、1.5Lハイブリッドのe:HEV で、駆動方式はFFと4WDを用意。
車両本体価格は、ガソリン車が250万8000円〜308万7700円、e:HEV車が285万7000円〜343万7500円となっており、ガソリン車とe:HEV車の差額は、同じグレードであれば約35万円です。
購入を検討している方のなかには、ガソリン車とe:HEV車で迷われる方も多いと思いますが、最近のデータによればクルマの買い替えは5年〜7年が平均。
つまり一度クルマを買ったら5年以上は付き合うことになるので、ディーラーの見積書ででてきた差額よりも5年または7年間の維持費や税金などをトータルで検証することが、賢い買い方への第一歩といえるでしょう。
ここでは、フリードのガソリン車とe:HEV車を維持費の観点から比較してみましょう。
税金
税金は、自動車税(種別割)と自動車重量税の2種類です。これらの税金には、車の排気量や性能によって軽減措置があります。
自動車税
自動車税(種別割)は搭載されているエンジンの排気量によって加算されるものです。0.5リッターごとに区分が変わり、排気量が大きくなればそのぶん金額は高くなります。
フリードの自動車税は、e:HEV車、ガソリン車ともに1.5Lのエンジンを搭載していますので、税額はともに3万500円です。
燃料性能や排出ガスが優良なモデルには、グリーン化特例が適用されますが、フリードは適用外です。
自動車税は毎年4月1日に自動車を所有しているオーナーの元に5月の初旬までに納付用紙が届くことになっています。納付期限は5月末で放置すると継続車検が取れなかったり、延滞料がかかってしまいますので速やかに納めましょう。
自動車重量税
自動車重量税は、車の重量によって課税されます。燃費性能がすぐれている車や、排出ガス性能が一定の基準を満たしている車両にはエコカー減税が適用されます。
税額は0.5トンごとに4100円、2026年4月30日までに新車登録されたエコカー減税対象車は、0.5トンごとに2500円。
新型フリードの車両重量は、ガソリン車が1,370kg〜1,470kg、e:HEV車はFFが1,460kg〜1,490kg、4WDは1,550kg〜1,580kgとなっており、すべて1.5t以下となるガソリン車が新車登録時に3万6900円、車検ごとに2万4600円。※4WDモデルも同じ。
e:HEV車は、新車登録時はエコカー減税が適用されて0円。その後はFFモデルが1万5000円、1.5t超の4WDモデルは2万円です。
環境性能割
かつては自動車取得税と言われていた税金です。自動車を購入もしくは譲り受けたときに納付します。ただし、中古で50万円以下の車両には課税されません。
また燃費が良かったり、排出ガスが少なかったりといった、いわゆる環境性能が高い車ほど「エコカー減税」が適用され、税率が低くなります
フリードは、e:HEV車は免税。ガソリン車はオプションなどを装着しない場合、AIR(FF)が6万2400円、クロスターは6万9900円です。
車検代
日本の道路で走るにはかならず必要な検査です。新車登録から3年後に初回車検が必要で、それ以降は2年に一度の車検が必要になります。
車検は検査ラインで問題がないことを確認するだけなので、実際には普段からの整備が必要です。
車検には、法定費用と基本料があり、その他、業者に依頼する検査代行料などがかかってきます。
車検基本料
車検基本料とは、法定費用以外に必要な費用のことで、点検費用、整備費用、車検代行料などが含まれます。
車検は、ディーラー、自動車販売店、整備工場、カー用品店に依頼する場合は、それぞれから見積もりをとって一番安いところに出すこともできます。
ただし、車を購入した際にディーラーや販売店のメンテナンスパックに入ってる方は、そちらを使ったほうが安上がりになります。
また普段の愛車のチェックもコストを下げるノウハウのひとつです。「クルマ整備は苦手」という人ほど、普段の点検をきっちりしたほうが良いでしょう。
燃料費
フリードの燃費(WTLCモード)は、e:HEV車のFFが25.4km/L、 4WDは21.2km/L(どちらも6人乗り)。ガソリン車は、FFが16.5km/L、4WDが14.5km/Lです。
1年間に1万キロを走行する場合、e:HEV車は393.7リットル(FF)と471.6リットル(4WD)。ガソリン車は606リットル(FF)と689.7リットル(4WD)の燃料が必要になります。
これを金額に直すと、レギュラーガソリン価格を1リッターあたり175円で計算した場合、e:HEV車は約6万8900円(FF)〜約8万2500円(4WD)。ガソリン車は、10万6500円(FF)〜12万700円(4WD)。
1年間に1万キロ走行で同じ駆動方式なら、4万円近い差額が発生しますし、ガソリン価格が高騰すればその差額はよりおおきくなります。
※ガソリン価格は資源エネルギー庁(2024年9月19日発表)のデータを参考にしています。
自賠責保険
自賠責保険は、公道を走る車両に対して加入が義務付けられている保険です。
フリードの場合、新車時には37ヶ月ぶんの2万4190円、車検の継続の際には25ヶ月が1万8160円、24ヶ月が1万7650円です。
任意保険
任意保険は自賠責保険ではカバーできない、対物や対人リスクに備えて加入する保険です。
休日のレジャーのみ、通勤通学でも使用、本人限定、家族も使用、年齢制限アリなど、自動車を使う頻度や条件によっても金額が変わってくるので、自分に合った保険を選ぶことが大切です。
「普段事故起こさないから大丈夫」と思って切らせたりするといざという時に困りますので適切なオプションをつけておきましょう。
メンテナンス
日常のメンテナンスは、オイル交換、バッテリー交換、タイヤ交換、エアフィルター、エアコンフィルター交換などがあります。
e:HEV車、ガソリン車ともにオイル容量は3.1L(4WDは3.3L)なので、基本的なメンテナンス費用は変わりません。
新車と中古車の維持費の違いは?
新型フリードは2024年デビューですので中古車を購入してもメーカーでの点検を受ければ、保証は継続されます。
年式で変わってくるのはもう少し後になってきますが、販売店の保証もしっかりしているものは沢山ありますので、加入しておくのがいいでしょう。
維持費という観点でフリードを選ぶなら
フリードのe:HEV車とガソリン車を維持費という観点で眺めると、長く乗るならe:HEV車を選んだほうが良いでしょう。
ただし、近場の通勤や近所の買い物などセカンドカー的な使い方で年間の走行距離が少ない場合は、ガソリン車のほうがお得になることもあります。
新型フリードは、ハイブリッドのe:HEV車とガソリン車、どちらも選べるようになっているので、購入前によく検討することが大切です。