夏でも冬でも発生するバッテリー上がり。車が動かなくなったらどうすればいい?
バッテリー上がりは、おもに寒い冬に起こるイメージですが、じつは夏場も頻発しています。
2022年度におけるJAFのロードサービスが出動した理由が第1位が”バッテリー上がり”で、全体の約4割を占めていました。
季節は冬から春に掛けてが多いのですが、夏のお盆の時期でも4割近くのユーザーが、バッテリー上がりでJAFのお世話になっています。
なぜ、バッテリーは上がるのでしょうか。そして、バッテリーが上がってしまったらどうしたら良いのでしょうか。
冬にバッテリーが上がりやすい理由は?
バッテリーが冬に上がりやすくなる理由は、バッテリーは化学反応によって充電や放電をしますが、気温が低いと、この反応が起こりにくくなるからです。
またバッテリーの化学反応だけでなく、冬はエンジンをかけるときもかかりにくくなります。これは、低温ではエンジンオイルも硬くなってしまうからですが、そのため、冬はエンジンをかけようと思ったら抵抗が大きくなり、そのぶんエンジン始動に通常時よりも多くの電力を必要とします。
これらの要因から、冬はバッテリーが上がりやすくなってしまうのです。
夏にバッテリーが上がる理由は?
バッテリーの充電は、エンジンに接続されたオルタネーター(ダイナモ)によって行いますが、充電能力を上回る電気が使われ続けても、バッテリー上がりが発生します。
じつはクルマの電力は、冬場よりも夏のほうが多く消費しており、それが原因でバッテリーが上がります。
その代表がエアコンです。とくに送風ファンが電気を必要とします。ちなみに冬場のエアコンは、エンジンの熱を利用した暖房がメインなので電力消費が少なくて済みます。
夜の雨天時などには、エアコンを使いながら、ワイパーを作動させて、ヘッドライトも点灯して、と大量に電力を消費しています。
新品のバッテリー、健康なオルタネーターであれば、それでもトラブルになることはまれですが、バッテリーの性能が低下していたり、オルタネーターの発電量が減っていたりすれば、バッテリー上がりの原因になります。
バッテリーが上がった!クルマが動かなくなったらどうするか?
バッテリーが上がってしまい、エンジンがかからなくなってしまった。
そんなときの応急措置として、他のクルマのバッテリーにブースターケーブルをつないでエンジンをかける「ジャyンプングスタート」という方法があります。
ジャンピングスタートの手順は以下のとおり。救援するクルマは、バッテリーが上がってしまったクルマと同じもしくはそれ以上の電圧のバッテリーを積んでいることを確認しましょう。また作業は、かならず軍手をしてから、ボディにクリップを接触させないよう、注意して行います。
1.自分のクルマのバッテリーの+端子にブースターケーブルの赤をつなぐ
2.救援車のバッテリーの+端子に赤いケーブルをつなぐ
3.救援車のバッテリーのー端子に黒いケーブルをつなぐ
4.自分のクルマのー端子に黒いケーブルをつなぐ
5.確実につながったことを確認したら救援車のエンジンを始動して、2,000回転前後をキープ
6.自分のクルマのエンジンをかけます
7.エンジンが始動できたら、上の順番とは逆の順番でケーブルをはずす
エンジンがかかれば走行できますが、このときバッテリーはまだ空に近い状態で、エンジンを切るとまた動かなくなる可能性があるため、エンジンは切らないようにします。しばらく走行してバッテリーに充電してください。
ただし、バッテリー自体が寿命を迎えていたり、損傷している場合は、しばらく走行してもエンジンを止めると再始動できないことがあるので注意が必要です。
できれば、そのままカー用品店や電装系が得意なショップなどで、バッテリーの状態をチェックしてもらうと安心です。
バッテリーは寿命があり、長く使っているほど消耗して上がりやすくなります。おおむね2年経過したら交換のタイミングと考えたほうが良いです。
しかるべきタイミングでバッテリーをチェックして、弱っていたらケチらずに交換しましょう。
バッテリーのチェック、交換以外のトラブルへの備えとしては、JAFなどのロードサービスに加入しておけば安心ですね。