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ランクル”70”に関するネットのウワサを実車で検証。あのウワサは本当だった!?

トヨタ ランドクルーザー 70  2023

クルマを購入する前、情報をネットで確認するというユーザーは多いと思います。

そこではさまざまな意見を読むことができますが、なかには噂レベルの話もありますし、そもそも情報発信者が誰なのか、本当に信用できる相手なのかもわかりません。

そこでここでは、再々販売となったトヨタ ランドクルーザー“70”にまつわる6つのウワサを実車で検証してみました。

Chapter
①ランクル”70”は維持費が高い!
②ランクル”70”は乗り心地が悪い
③ランクル”70”は内装が質素で安っぽい!?
④ランクル”70”は取り回しが悪い
⑤ランクル”70”は基本設計が古い
⑥ランクル”70”はファミリカーとして使えるの?

①ランクル”70”は維持費が高い!

トヨタ ランドクルーザー 70 2023

最初にラニングコストを検証してみましょう

まず税金ですが、排気量をもとに算出される自動車税種別割は1年間で5万円自動車重量税は2万500円(12ヶ月分)、自賠責保険料1万1500円(12ヶ月分)、新車取得時に納める自動車税環境性能割は11万7800円

このなかで自動車税種別割は毎年、自動車重量税、自賠責保険料は新車登録時は3年分、その後は車検毎に2年分を納めます。

燃料費は、ランクル“70”の2.8L直4ディーゼルターボエンジンの燃費(WLTCモード)は10.1km/Lなので、130Lタンクを満タンにすると約1万8070円。1年間に約6000km(月平均500km)を走行すると、年間約8万2566円の燃料費です。※2024年6月末の軽油の全国平均価格(139円/L)で計算。

とはいえ、燃料が軽油なので、この手のクルマとして見れば、すごく高いというほどではありません。

自前の駐車場が無いオーナーは、上記のほかに駐車場代が掛かります。盗難の心配もあるので、駐車場所は慎重に考えないとならないでしょう。

ランドクルーザー“70”のボディサイズは、全長4,890mm×全幅1,870mm×全高1,920mm、車両重量2,300kg。大きなボディかつ、セキュリティの高い駐車場となると、それなりの費用が掛かります。

排気量2.8Lのエンジン、2,300kgの車重、リッターあたり約10kmの燃費など、ランクル”70”の維持費は決しては安いとは言えないでしょう

②ランクル”70”は乗り心地が悪い

2023 トヨタ ランドクルーザー 70

ボディ骨格に乗用車と同じモノコックを使うトヨタ ハリアーなどのクロスオーバーSUVは、舗装路で優れた乗り心地を実現しています。

対してランクル”70”は、伝統のラダーフレームに、フロントが3リンクリジッドとコイルスプリング、リアはリジッドアクスルとリーフスプリングという構成。

日本発売に合わせて前後サスにチューニングが施されたということですが、都市型クロスオーバーSUVに比べると、揺れが大きく、乗り心地が良いとは言えません。

しかしランクル“70”の真骨頂は、未舗装路や砂漠といった悪路での高い走破性にあります。ですから、そういったシーンも考慮したサスペンションセッティングになっています。

これにより舗装路での乗り心地は、他のSUVにリードを許しますが、悪路における走破性では圧倒的な実力を発揮します。

③ランクル”70”は内装が質素で安っぽい!?

トヨタ ランドクルーザー 70  2023

水平基調の力強いデザインとオフロード走行に配慮した機能的レイアウトを採用したインテリアは、基本的に2014年に再販されたランクル“70”と共通です。

デザインの基本は、シンプルでタフ、さらにクルマの水平がつかみやすいなど機能を最優先にしたものです。ピアノブラックやメッキといったパーツで加飾されたインテリアを見慣れた目には、ややチープな印象を受けます。

トヨタ ランドクルーザー 70  2023

シートは合成皮革+ファブリックのコンビで、前後スライド&リクライニングは手動式、エアコンもマニュアル式、7インチのナビ画面、ボディカラー同色のドアパネルなど、本当に必要ものだけで過剰な装備は皆無です。

一見するとランクル“70”の内装は安っぽいかもしれませんが、逆に言えばシンプルで道具感の強い、Theオフローダーといった印象で好感が持てます。

④ランクル”70”は取り回しが悪い

ボディサイズは全長4,890mm×全幅1,870mm×全高1,920mm、最小回転半径は6.3mです。

この数値だけみれば、取り回しは良いとは言えません。しかし、運転席に座るとボンネットは先端までしっかりと見えますので、車両感覚がつかみやすいです。

また、ドアミラーで確認できるボディサイドも直線基調なので、後端まで見切りが良いのが特徴です。

さらにバックモニター内蔵の自動防眩インナーミラーを採用していますので、思っているより取り回しに苦労しません

⑤ランクル”70”は基本設計が古い

トヨタ ランドクルーザー 70  2023

ランクル“70”のデビューは1984年。この時代から基本設計は変わっていません

ただし、1999年のマイナーチェンジでフロントのサスペンションが、リーフ式からコイル式に変更されたほか、今回の“70”ではリーフの枚数を減らすなど、さまざまなアップデートが施されています。

いっぽう室内は、アナログ式メーターやマニュアルエアコン、7インチのディスプレイなど、昭和の雰囲気が漂います。

新車ながらネオクラシックの雰囲気が楽しめるという点が、ランクル“70”の魅力でもあり欠点でもあるでしょう。

⑥ランクル”70”はファミリカーとして使えるの?

トヨタ ランドクルーザー 70  2023

5人が乗れるシート配列に加えて、5人乗車時でも奥行き835mm、高さ1,120mm、荷室幅(最大)1,440mmで、容量605Lという広大なラゲッジスペースの室内。

さらに現代的にアップデートされた安全装備やリッターあたり約10kmの燃費など、ランクル“70”はファミリーカーとして充分に使えると思います。

ただし長距離移動の際の同乗者の快適性を重視するのであれば、ほかのSUVを選択したほうが良いかもしれません。

トヨタ ランドクルーザー 70  2023

再々販売となったランクル“70”にまつわるウワサは、ほとんどが真実でした。

ファミリーカーとしても使えるパッケージと安全装備を備えてはいるものの、やはりその真骨頂は高い悪路走破性ですから、そちらの性能を重視する人によりマッチするクルマです。

もしもアナタがSUVに快適性や燃費性能を求めるのであれば、充実したトヨタのSUVラインアップからほかのモデルを選んだほうがハッピーかもしれません。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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