自動車保険の弁護士費用特約とはどんな特約?
自動車事故で事故に遭っても、相手に100パーセントの過失がある時は保険会社は示談交渉を手伝うことができません。そうなると、自分で弁護士を雇って依頼をするか、自分で相手、または相手の保険会社と交渉しなければなりません。
このような時に弁護士特約があると、弁護士への相談料や報酬等が一定額まで補償されます。
弁護士特約の使い方と注意点について解説しています。
- Chapter
- 弁護士費用特約とは
- 弁護士特約はいらない?使い方について
- 弁護士費用特約の注意点
- まとめ
弁護士費用特約とは
弁護士特約とは、自動車のもらい事故などで相手に損害賠償請求をするために弁護士に依頼、相談した費用を補償する特約です。
自動車の事故に関する弁護士費用のみ補償するタイプと、日常生活における事故の相談にも使えるタイプがあります。当然日常生活を含んだ方が補償対象が広くなるため、保険料も上昇します。
各保険会社ともに1事故1被保険者あたり300万円、相談費用は10万円までとしている保険会社がほとんどです。
弁護士特約はいらない?使い方について
弁護士費用特約はどんな時に役に立つのでしょうか?役立つケースを2つご紹介します。
もらい事故にあった時
もらい事故とは、信号待ちしている途中で後ろから追突された場合のような、いわゆる100ゼロ事故。加害者に一方的に非がある事故の場合です。
この内容なら、相手が悪いのだから問題ないと思うのではないでしょうか?
問題なのは、「相手が100%過失があると認めるとは限らない」という点です。
近年はインターネットなどで交通事故の情報も出回っており、事故の対応について知恵をつけている個人も多く存在します。頑なに過失を認めない加害者に遭遇することがあります。
それなら、自分の保険会社に間に入ってもらえばいいのでは?とも思いますよね。
しかし、実は保険会社の示談交渉は、「過失割合が発生したときの」サービスなのです。
したがって、過失割合がない場合は、保険会社は事故とは無関係という扱いとなり、ここに保険会社が介入をすると、弁護士法第72条の非弁行為となり、法律違反にあたります。
そうなると、自分で相手と交渉をするしかありません。相手の保険会社とも交渉をしなければならないこともあるため、長期戦になるうえ、かなりストレスになるでしょう。
弁護士は個別で依頼をすることもできますが、自己負担となってしまいます。
このような時に弁護士費用特約を使うと、弁護士費用は特約から支払われるので、相手との交渉を弁護士というプロフェッショナルにお願いできるのです。
相手が交渉に応じない時
相手が頑なに交渉に応じないケースも考えられます。
相手がいつまでも過失を認めないような場合は平行線で、いつまでたっても解決しません。相手が威圧的な場合は、泣き寝入りということにもなりかねません。
このような時も弁護士費用特約を使えば、弁護士費用をまかなえるので安心して交渉をプロにお任せすることができます。
弁護士費用特約の注意点
弁護士特約の注意点について2つご紹介します。
・利用する際は保険会社に連絡をすること
弁護士特約を使う時は、保険会社に了承をもらう必要があります。自分の知り合いの弁護士に依頼する場合は、その旨も保険会社に了承をもらいましょう。
・弁護士特約は重複に注意
弁護士特約は、記名被保険者の自動車保険に付保されていれば、その配偶者、同居の親族、別居の未婚の子も補償に含まれます。
それぞれの自動車保険があるとしたあら、誰か一人に弁護士特約がついていれば補償されます。
2つ弁護士特約に入っていても、両方からもらえるわけではありません。もったいないので、このような場合は特約の重複を整理しましょう。
まとめ
- 弁護士費用特約は交通事故に遭った時に自動車の事故に関する弁護士費用のみ補償するタイプと、日常生活における事故の相談にも使えるタイプがあります。当然日常生活を含んだ方が補償対象が広くなるため、保険料も上昇します。
- 弁護士費用は一般的に1事故1被保険者あたり300万円。相談費用は10万円が相場となっています。
- もらい事故で自分の保険会社が示談サービスに対応できない場合や、相手が交渉に応じないことがあるので、泣き寝入りしないためにも弁護士特約を使えば、プロに交渉をお願いすることができます。
- 弁護士特約は一家に一契約。弁護士特約は重複して支払われません。家族合計で自動車保険に複数台加入をしている場合、弁護士特約が重複しているかもしれないので注意しましょう。