斬新なデザインと独自コンセプトの室内でヒットした2代目トヨタ bBを解説
未知の可能性を秘めた箱=ブラックボックスから名前をとったトヨタ bB(ビービー)は、存在感のあるスタリングに、広く快適な室内空間、さらにコンパクトで見切りが良く運転しやすいボディ形状で、一躍ヒット商品となりました。
2005年にデビューした2代目でもコンセプトは受け継がれ、初代同様にヒットを飛ばしますが2016年で生産を終了。
ここでは、現在のトールワゴンの先駆けともいえるトヨタ bBを徹底解説します。
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- スクエアなボディと広い室内でヒットとなった初代bB
- 見た目以上に室内が独創的だった2代目
- グレードは「S」「Z」を基本にいくつのパッケージを用意
- 妖しい雰囲気の”煌”パッケージもラインナップ
- 狙うなら安全装備が充実した最終モデル
スクエアなボディと広い室内でヒットとなった初代bB
トヨタ bBは、四角いトールボックスタイプのコンパクトカーとして2000年に登場。ネッツ店の専売車種です。
ターゲットを20代の独身男性とし、カスタムカーの祭典「東京オートサロン」で初公開されるという異例のデビューでした。
初代ヴィッツのプラットフォームに、箱型ボディを架装したbBは、全長3,825mm×全幅1,690mm×全高1,640mmというコンパクトサイズながら、サイドウインドウやピラーを立てたボクシーなスタイルにより広い室内空間を実現していたことが特徴。
シートは、フロントがアームレスト付きのベンチタイプ、リアは6:4分割の背もたれとダブルフォールディング機構を備え、乗車人数や荷物にあわせてさまざまなシートアレンジを可能としていました。
パワートレインは、1.5Lまたは1.3LのガソリンエンジンとAT(Super ECT)の組み合わせ。駆動方式は、1.5LがFFとフレックスフルタイム方式の4WD、1.3LはFFのみとなり、4WDモデルが必要な場合は1.5Lをチョイスすることになります。
2003年にマイナーチェンジを受けて、フロントおよびリアバンパーを大型化、あわせて前後アンダースポイラーとハニカムメッシュタイプのフロントバンパーグリルを採用。それにともない全長が3,945mmに伸ばされ、スポーティな印象を強めました。
この初代bBは、最終型でも20年近く前の生産になるので、よほどのこだわりがなければ2代目の購入をおすすめします。
見た目以上に室内が独創的だった2代目
2代目bBは、2005年12月26日に発売されました。ダイハツのコンパクトカー、 ブーン(トヨタ パッソ)と共通のプラットフォームを使い、生産もダイハツ工場で行われたOEM車です。
個性派コンパクト2boxという新たなジャンルを開拓した初代のコンセプトを受け継ぎながら「クルマ型Music Player」をテーマに開発された2代目bBの室内は、「音」「光」「まったり」をキーワードに、サラウンド技術を駆使した9スピーカーシステム、11箇所のイルミネーション、マッタリモード機能付きフロントシートなどを採用。
サウンドと連動するイルミネーションがクラブやライブハウスにいるような雰囲気を演出するとともに、80mm沈み込み車外から乗員が見えなくなることで乗員に隠れ家的なくつろぎ感をもたらすフロントシートなど、これまでのコンパクトカーにはなかった独創的な室内空間を形成していました。
特徴的なエクステリアデザインは、先代モデルのスクエアでプレーンな感じとは変わって、怪しさやいかつさが伝わるような雰囲気へと進化。
全長3,785mm〜3,800mm×全幅1,690mm×全高1,635mmのボディに搭載されるエンジンは、いずれもダイハツ製となる1.3Lと1.5L直列4気筒エンジンで、駆動方式は1.3LがFFまたは4WD、1.5LはFFのみというラインナップでした。
グレードは「S」「Z」を基本にいくつのパッケージを用意
グレードは、基本的に「S」と「Z」の2つです。
2008年10月のマイナーチェンジ以前の前期型には、エアロパーツと15インチアルミホイール、室内装備を充実させた“X バージョン”と、CD・AM/FMマルチ電子チューナー付きラジオ、フロントツィーター、パワードサブウーハー、リアダクトスピーカーといった音響システムと、キーフリーシステム、盗難防止システムを追加した“Q バージョン”という2つの仕様が用意されます。
いっぽう2008年の10月以降の後期型は、標準スタイルの上位グレード「Z」にのみ快適装備を充実させた“L パッケージ”を用意したほか、「S」「Z」にエアロスタイルをまとった“エアロパッケージ”と、それに音響システムを充実させた“エアロGパッケージ”が設定されました。
妖しい雰囲気の”煌”パッケージもラインナップ
おすすめは、後期型で登場した“煌(きらめき)”パッケージ。
2011年に追加された”煌”は、後期型“エアロパッケージ”に、エクステリアはメッキグリルとハイグロス塗装のアルミホイール、メッキ仕上げのドアハンドル、バックドアガーニッシュ、ドアミラー(サイドターンランプ付き)と、専用リアコンビネーションランプを装備。
内装も、レジスターノブ、インサイドドアハンドル、シフトレバー切り替えボタンなどをメッキパーツに交換するとともに、ピアノブラックのセンタークラスター、アームレストコントローラーや11スピーカーが装備されていました。
さらに2013年には、”エアロパッケージ”が廃止され、代わりに”煌‐G”が登場。
”煌”の装備に、専用のファブリック&合成皮革を採用したシート表皮と、LEDクリアランスランプを装備したディスチャージヘッドランプ、リヤシートスライド機構、アームレストコントローラー(イルミネーション、オーディオ)を標準装備するなど、高級感をグッと引き上げてます。
狙うなら安全装備が充実した最終モデル
ヴィッツのプラットフォームをベースにした初代は、すでにネオクラシックと呼ばれる年式で、よほどの覚悟がないと避けたほうが良さそう。
いまbBの中古車を狙うなら、ダイハツのプラットフォームをベースにした2代目。とくに一部改良を受けて、VSC&TRC、ディスチャージヘッドランプ&LEDクリアランスランプを全車に標準装備した2014年8月以降のモデルが良いでしょう。
それでも10年前後の年数が経過しているので、クルマの状態はじっくり見極めたいところ。とくに芳香剤の匂いなどが苦手な人は、そのへんもしっかりと確認をしたいところ。
また新車時にインストールされたオーディオ機器は、標準、後付けかかわらず、スマホのミラーリング機能などがついた新しいものに交換したほうが良さげです。