【追加】自動車保険の免責とは?免責金額(自己負担額)について【2022年版】

自動車保険

「自動車保険の免責ってどんな内容になっているの?」
「免責の金額や車両保険以外の補償について知りたい」

このように、自動車保険に加入している人の中には、免責に関しての疑問や興味を持っている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、自動車保険の免責に関する基礎的な知識とともに、免責金額(自己負担額)と金額設定のポイント、車両保険以外の補償などを解説しています。

この記事を読むことで、自動車保険の免責がどのようなものなのか、免責金額に関する知識を身につけることが可能です。その知識をもとに、自動車保険に加入または見直しをする際に適正な免責金額を設定することができるでしょう。

自動車保険にこれから加入しようと検討している人や見直しを検討している人は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

Chapter
自動車保険の免責の基礎知識
免責金額(自己負担額)について
金額設定のポイント
免責金額がゼロになる「免責ゼロ特約」とは?
全損の時の免責金額は?
車両保険以外の補償にもある免責事項
自動車保険の免責についてしっかり理解しておこう

自動車保険の免責の基礎知識

自動車保険には、加入が義務付けられている「自賠責保険」と任意で加入する「任意保険」があります。自賠責保険では、事故を起こしたときの補償が不十分となる場合があり、車を運転する多くの人が任意保険に加入しています。しかし自動車保険には免責事項や免責金額がある点を踏まえておく必要があります

免責とは損害が発生しても保険会社が保険金を支払う責務を免れることを意味します。免責となる事項は、保険会社が定めている約款に免責事項として記載されています。地震や津波、火山噴火による損害や故意の事故による損害、無免許運転や飲酒運転などによる損害などは免責事項であることが多く、その場合は保険会社が保険金支払責任を負わないので自己負担になります。

これら免責事項以外に免責金額とよばれるものもあります。

免責金額(自己負担額)について

自動車保険の免責には「免責金額」というものがあります。免責金額とは、損害の一部を自己負担する金額のこと、つまり保険会社が負担しない金額のことです。たとえば車両保険で免責金額を5万円に設定していたら、修理費用のうち5万円は自己負担になり残りは保険会社が負担します。修理費用が免責金額未満の場合、保険金は支払われず全額自己負担になります。

設定する免責金額により保険料は変わります。免責金額を高く設定すれば保険料は安くなります。損害を受けたときの自己負担額は増えますが、保険料を抑えることができます。

また免責金額を設定していても、状況によっては自己負担が発生しない場合があります。車の盗難や車両保険金額を超える修理費用がかかる場合は全損扱いになり、自己負担は発生しません。相手がいる事故の場合でも、相手からの損害賠償金が免責金額を超える場合は、免責金額から充当されるため自己負担は発生しません。

金額設定のポイント

免責金額の設定には「定額方式」と「増額方式」があります。定額方式は回数に関係なく自己負担を一定の金額に設定する方式、増額方式は2回目以降の自己負担を増額する方式です。たとえば「0-10」と記載があれば1回目の免責金額はゼロ、2回目以降は10万円となります。設定できる金額は保険会社によって異なります。

定額方式では、免責金額を高く設定すれば保険料は1回目から適用されるため、保険料を少しでも抑えたい人や運転する機会の少ない人、事故が少ない人に向いています。このように免責金額を高く設定し、保険料を安く抑えて、損害額が高額になったときのみ保険を活用する方法もあります。

自動車保険には等級があり、保険料が割り増しされたり割り引きされたりします。保険金を請求すると、その等級が下がり、翌年の保険料が上がってしまいます。そのため修理費用が少額の場合、保険を利用せずに自己負担で修理したほうが良いことがあります。

免責金額の金額設定のポイントは、万が一損害を受けたときに支払うことができる範囲内で、できるだけ高めに設定することです。

免責金額がゼロになる「免責ゼロ特約」とは?

免責ゼロ特約とは、正式には「車両事故免責金額ゼロ特約」と言います。これは車両保険の免責金額が、1回目の事故に限りゼロ(無料)になるという特約です。このため、事故の際に本来支払うべき金額が1回免除されるところが大きな魅力とされています。

この特約は誰でも利用できるというわけではなく、ノンフリート等級が7等級から20等級に該当していなければいけません。ほかにも保険期間中1回目の事故であることなどの条件をクリアする必要があります。

出典:車両保険の「免責ゼロ特約」|チューリッヒ生命

全損の時の免責金額は?

全損とは、修理費が車両保険金額を超えた場合や修理できないほど損傷した場合を指します。もし事故で車両が全損してしまった場合は、車両保険の免責金額は差し引かれずに全て保険から支払われることになります。

車両保険以外の補償にもある免責事項

自動車保険の免責事項は車両保険が中心ではあるものの、対人や対物などの補償にも免責事項が設定されています。そしてそれらに対応した特約も用意されていますので、自動車保険に加入する際の参考として確認しておくことをおすすめします。

ここからは、そんな車両保険以外の補償にもある免責事項とその特約について解説します。

地震や津波などによる車の全損

地震や津波などの自然災害によって車が全損となった場合、車両保険だけでは補償の対象外となります。そのため、自然や津波などの自然災害による車の全損も免責範囲に含める「車両全損一時金特約」が増えており、車両保険に付帯されている場合も多いです。

自然災害の内容が限定されている(地震、津波、噴火など)、車の全損に限定されているなど免責範囲には条件があります。それでも、自然災害が多い地域に住んでいるのであれば加入しておくメリットは大きいです。

トランクや車内に積んでいた身の回り品の破損

交通事故などの衝撃でトランクや車内に積んでいた身の回りのものが破損してしまうことがあります。その場合は、「車内身の回り品特約」に入っていれば補償を受けられます。

これはそれぞれの保険の約款に記載されているものという限定はありますが、記載されているものが事故などで破損してしまった際、保険金を支払ってもらうことが可能です。免責金額などは、保険会社や特約の内容によって異なります。

自動車保険の免責についてしっかり理解しておこう

自動車保険に加入する場合、免責に関する内容は重要なポイントとなります。ただ重要なのは金額ではなく、必要な補償が付加されているかどうかです。そのうえで支払い可能な範囲で免責金額を設定しておけば、安心して過ごすことができます。

このため、自動車保険の免責に関しては金額や範囲、車両保険以外の免責事項も含めてしっかり把握しておきましょう。

藤 孝憲|とう たかのり

日本FP協会所属のファイナンシャルプランナー。企業に属さない中立公正なファイナンシャルプランナーとして、2006年に独立。保険商品や住宅ローンなどの金融商品の選び方を中心に情報発信しています。保険分野については、約30社の生損保商品を販売していた元保険募集人としての経験や情報を生かした執筆をしております。保険商品は難しいかもしれませんが、複数の商品を比較して初めてそれぞれの商品の特徴が浮かび上がります。記事を通して、商品選びの参考になれば幸いです。

【保有資格】
CFP®、宅建士(未登録)、住宅ローンアドバイザー、証券外務員二種、エクセルVBAエキスパート

藤 孝憲

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