中古で日産・ムラーノを買うならこのモデルがおすすめ!
初代日産・ムラーノは、北米向けに誕生しました。2004年9月には、日本にも導入されています。
イタリアのムラーノ島から命名されたデザインコンシャスなラージサイズのSUV。2015年に生産を終了した2代目で姿を消しました。
2022年11月現在、中古車市場での物件数は、それほど多いとはいえない状況になっています。その後、日本ではエクストレイルに統合されました。
イタリアの島々であるムラーノ島から命名されたデザインコンシャスなSUV

2004年9月に日本でも発売された初代ムラーノは、「SHIFT_design」を掲げ、日本でも発売されました。
筆者も開発主査にインタビューする機会があり、デザインに対するこだわりを伺った記憶があります。
車名の由来は、イタリアのベニス近くにある島名から。手作りの美しさが際立つ「ムラーノガラス」が同SUVのコンセプトに似ているというエピソードも語られたのを覚えています。
エクステリアデザインは、「躍動感ある彫刻」をテーマに掲げています。広々としたインテリアも特徴で、ユニークな「ラグビーボールシェイプ」のダッシュボードを備えていました。

そのほか、3.5L車には本革シートやカーウィングス対応ナビゲーションシステム(DVD式)も標準化。
初代の美点は、こうした内外装だけではありませんでした。
フェアレディZ(Z33)やフーガ、エルグランドなどにも積まれてきた3.5L V6エンジン仕様は大きめのボディを軽々と加速させる力強さが美点でした。
2.5Lの直列4気筒ガソリンは、街乗りであれば必要十分といえるパワーフィールで、燃費にも配慮されていました。
初代ムラーノは、年代的にも物件数がかなり減っているようです。格子型のフロントグリルを備えるなど、個性的なデザインは当時一部のファンから根強い支持を集めていました。
物件数が減っていて、走行距離を重ねている個体も多いですが、デザインに惚れているのなら古さを織り込み済みで割り切って手に入れるのもアリかもしれません。
2代目は「普通になった」というデザイン評も、走りや快適性・実用性などは着実に進化

2008年9月に発売された2代目は、「モダンアートデザイン」を掲げていたものの、初代ほどのインパクトは得られなかったようです。
「SHIFT_design ムラーノはデザインをシフトする」というキャッチコピーのもと、ムラーノらしさを醸し出しつつ、上質感を付与。
フロントフードからAピラー、ルーフ、リヤまで流れるようなラインも目を惹きます。デザインの賛否はともかく、走りは初代よりも明らかに洗練されていました。
新型プラットフォーム「D-プラットフォーム」の採用による効果が大きく、スポーティかつ上質な乗り味を実現していて、確かにひと世代新しくなったことを実感させてくれます。

インテリアもムラーノの特徴であるラグビーボールシェイプを採用しながら、より上質な加飾やインパネ断面の美しさにまでこだわり、現代的なクオリティの高さが追求されています。
パワーユニットは、日産自慢の3.5L V6である「VQ35DE」、2.5L 直列4気筒の「QR25DE」エンジンを引き続き搭載しつつ、前者はフィーリングのさらなる向上、後者は燃費向上、トルクと出力特性の改善が盛り込まれていました。
4WDは「ALL MODE 4X4-i」が搭載され、ライントレース性を高めるなど、走りの良さをアピール。
また、SUVに求められるラゲッジスペース(シートアレンジ)の操作性も特徴で、6:4分割可倒式リヤシートには、電動復帰タイプを設定。
荷室左右の前倒しレバーを引くだけで、シートの格納が可能。さらに、メーカーオプションで、復帰スイッチを押すだけで背もたれを起こせる機能も用意していました。

年代的に衝突被害軽減ブレーキなどは未設定で、先進安全装備が用意されない点を考慮する必要があります。
また、2代目になっても物件数はそれほど多くはないのが現状のようです。
初代も2代目もデザインが最大のアピールポイントであるのと同時に、傑作といわれる3.5L VQ35DEエンジンの設定も魅力です。
燃費の面では、2.5Lが無難ですので、デザインに惚れているのなら2.5LのFFモデルを、燃費に目をつぶり豪快な走りを重視するのなら3.5L車がオススメです。