アイシス(トヨタ) モデルチェンジ情報
アイシスはトヨタが販売していた中型サイズのミニバンで、同じく中型サイズのミニバン、ウィッシュの兄弟車でした。
アクセスとスペースの革新を目指し、「柔(じゅう)・空間」をテーマに開発されたクルマです。
初代発売以来13年経過しましたが、その間一回もフルモデルチェンジが行われなかった、トヨタでは珍しいクルマでした。
モデルチェンジの歴史・略年表

2004年 | 初代発売 |
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2007年 | マイナーチェンジ |
2017年 | 販売終了 |
初代(M1型・2004年〜2017年) 解説

外観
左側通行専用設計の左右アシンメトリー(非対称)ボディを採用してます。
ボディサイズは5ナンバーサイズとなっています。
「プラタナ」グレードのみ、エアロパーツとブリスターフェンダーが装着されておりわずかに全幅が拡大され1710mmとなるため、3ナンバーサイズでした。
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
4610mm | 1695mm | 1640mm |
インテリア/装備

パノラマオープンドア(助手席側センターピラー内蔵ドア)による大開口と多彩なシート機能の採用により、優れた乗降性・積載性、ユニバーサルデザインの視点を踏まえ、ユーティリティを徹底的に追求しています。
室内長 | 室内幅 | 室内高 |
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2705mm | 1470mm | 1315mm |
走行性能/燃費性能
エンジンは、レギュラーガソリン対応の可変バルブタイミング付き、直列4気筒の直噴2Lと1.8Lエンジンが用意されました。
最高出力は97Kw、最大トルクは170Nm、燃費性能は14.4km/Lとなっています。
マイナーチェンジ(前/後の変化について)

2007年にマイナーチェンジが行われました。
フロント周りやリアバンパー(一部グレード)、ガーニッシュ、コンビネーションランプ、アルミホイールのデザインを変更し、よりスポーティーな印象になりました。
内装も「G」と「L」でステアリングホイールを4本スポークに変更し、メーターやシート表皮も変更しました。
「2.0プラタナ」にはトヨタ車のミニバンでは初めてパドルシフトを採用。さらに、ヘッドランプをプロジェクター式に変更し、後席確認ミラーやIR(赤外線)カット機能付ウィンドシールドガラス等を追加しました。
特別仕様車
・プラタナ"G-Edition"(2005年)
「プラタナ」をベースに、フォーンの専用室内色や両側パワースライドドアなどを装備し、高級感とスタイリッシュさを演出した特別仕様車です。
・プラタナ"Limited"(2008年)
「プラタナ」をベースに、スポーツオプティトロンメーターや両側電動スライドドアなどを装備した特別仕様車です。
・L"G-Edition"(2009年)
「L」をベースに、本革巻きステアリングや専用シート地、ステアリングスイッチ、木目調パネルなどを追加しました。
・プラタナ"Black Limited"(2010年)
「プラタナ」をベースに、フロントグリル・ドアミラー(電動格納式、サイドターンランプ付)・ヘッドランプエクステンション・アウトサイドドアハンドル・リアライセンスガーニッシュにメッキを、フロントエンブレムをブラックに変更(ベースグレードではレッド)。
さらに、センターパネルとドアトリムには黒木目調を施し、フロント/セカンドシート・本革巻きステアリングホイール・シフトレバー・シフトノブにレッドステッチを施してスタイリッシュな内外装に仕上げた特別仕様車です。
それとともに、オーディオ用ステアリングスイッチやデュアルパワースライドドアなどを装備しました。ボディカラーは特別色のブラックのみを設定しています。

・プラタナ"V-SELECTION・White Interior Package"(2011年)
「プラタナ」をベースに、「V-SELECTION」の装備に加え、ステアリングスイッチベース、センターパネル、ドアトリムに専用ホワイトパール加飾を、シート表皮はブラックの合成皮革にホワイトダブルステッチを、エアロバンパーにブラックアウト加飾をそれぞれ施してスタイリッシュな印象とした特別仕様車です。
また、両側パワースライドドア(イージークローザー・挟み込み防止機構付)も装備しました。
・L"G-Edition"(2012年)
「L」をベースに、本革巻き3本スポークステアリングホイール&シフトノブ、ステアリングスイッチ、運転席アームレスト(角度調整式)、セカンドシートセンターアームレスト(カップホルダー付)を装備するとともに、シート表皮全面にトリコットを採用し、センターパネルとドアトリムに木目調(ブラウン)加飾を施した特別仕様車です。
ボディカラーは、特別設定色のレッドマイカメタリックを含む4色を設定しました。

・プラタナ"V-SELECTION・Noir(ノアール)"(2013年)
「プラタナ」をベースに、「V-SELECTION」の装備品に加え、両側パワースライドドア(イージークローザー、挟み込み防止機能付)や電動格納式リモコンカラードドアミラー(サイドターンランプ付)などを特別装備するとともに、特別にコーディネートされた内外装を採用しました。
また、全車でドアミラーの意匠を変更(3代目ヴィッツより採用されたトライアングル形状のデザイン)しています。
各グレードについて
・L
標準グレードです。
・L Xセレクション
リアスポイラーレスなど装備を簡略した、Lの派生モデルです。
・G
15インチアルミやディスチャージヘッドランプ、本革巻きハンドル&シフトノブが装着されています。
・G Uセレクション
パワーバックドアやクリアランスソナーを装着したグレードです。
・プラタナ
エアロスポーツモデルです。7速スポーツシーケンシャルシフトマチックを装備し、オーディオ下のインパネにシフトノブを配しています。
アイシスのグレード一覧・カタログ
車選びドットコムのアイシス(トヨタ)の自動車カタログ はこちら
ライバル車との比較
5ナンバーサイズでスライドドアを装備するトヨタ・アイシスのライバル車としてあげられるのが、両側スライドドアの中型ミニバン、マツダ・プレマシーです。
そこで、両車種の仕様を比較してみます。
なお、両車種とも2016年で販売終了しているため、最終モデルで比較しています。
マツダ・プレマシー

新車価格帯はアイシスのほうが低く始まりますが、グレードの幅が広いことから価格帯も広いです。
ボディサイズはアイシスのほうが大きく、室内空間も広いです。
エンジン性能は出力、燃費性能ともプレマシーのほうが優秀です。
以上から、グレードを幅広い選択肢の中から選びたい、また室内空間が広いほうがいいと考える方はトヨタ・アイシスを、エンジン性能や燃費を重視するという方はマツダ・プレマシーがおすすめということになるでしょう。
仕様的には甲乙つけがたい2台です。
今後のフルモデルチェンジ予定
すでに生産・販売停止となっているため、今後のフルモデルチェンジはありません。
まとめ
ピラーレスとスライドドアを組み合わせることで生まれた、開放感のある室内空間が最大の特徴で、これを目的に選んだユーザーも多かったトヨタ・アイシス。
一定の人気はありましたが、縮小がつづく国内市場専用車種であること、トヨタにはミニバンだけでもウィッシュやノア、シエンタなどたくさんの車種があり整理の必要があったということから、プリウスαに統合される形で姿を消しました。