ムーヴコンテ(ダイハツ) モデルチェンジ情報
ダイハツの人気軽自動車「ムーヴ」の派生車種として登場したムーヴコンテは軽トールワゴン。
軽自動車はムーヴも含めて曲線的なデザインが多い中で、これらとは異なり、ムーヴコンテは直線的・平面的なデザインとなっています。
このデザインをアピールするためか、自動車のプロモーションでは珍しくマスコットキャラクター「カクカクシカジカ」が起用されています。
開発テーマは「居心地のよさ」で、それは異なる素材の組み合わせと特殊縫製技術により作られたプレミアソファシートや、軽自動車初採用となる運転席パワーエントリーシートなどに体現されています。
モデルチェンジの歴史・略年表

2008年 | 販売開始 |
---|---|
2011年 | マイナーチェンジ |
2016年 | 生産終了 |
2017年 | 販売終了 |
初代(2008年〜2017年)

外観
キャラクター「カクカクシカジカ」のとおり、直線的で四角いボディが特徴です。
「ムーヴ」とは全長、全幅は同じですが、全高についてはムーヴコンテはムーヴよりも25mm高くなっています。
全長 | 全幅 | 全高 | |
---|---|---|---|
ムーヴコンテ | 3395mm | 1475mm | 1655mm |
ムーヴ | 3395mm | 1475mm | 1630mm |
インテリア/装備

運転席はパワーエントリーシートを採用しています。
室内長はムーヴのほうが80mm長いですが、ムーヴコンテは室内幅は15mmムーヴより長く、室内高は75mm高くなっています。
大人が乗っても天井を気にせずゆったりと座れます。
室内長 | 室内幅 | 室内高 | |
---|---|---|---|
ムーヴコンテ | 2000mm | 1335mm | 1350mm |
ムーヴ | 2080mm | 1320mm | 1280mm |
走行性能/燃費性能
KFエンジンの第二世代を搭載しています。
2WDと4WDモデルがあり、最高出力は38Kw、最大トルクは60Nmで共通ですが、燃費性能(JC08モード)は2WDで27.6Km/L、4WDで25.0Km/Lとなっています。
安全性能

総合的に衝突安全機能を強化したボディ「TAFボディ」を採用しています。
衝撃分散式ボディ構造、高張力鋼板や差厚鋼板を採用し、衝撃吸収性能の向上や強固なキャビンの実現と軽量化を両立しているボディです。
その他、デュアルエアバッグ、EBD付ABSを搭載しています。
マイナーチェンジ(前/後の変化について)

2011年にマイナーチェンジが行われました。
NA車全グレードに5代目ムーヴから採用されている第2世代KFエンジンを採用するとともに、「X」と「カスタムG」には同じく5代目ムーヴに採用されているアイドリングストップ機構「eco IDLE(エコアイドル)」も搭載し、これらにより燃費が向上され「平成22年度燃費基準+25%」を達成しました。
また、フロントグリルを一新。さらにセンタークラスター色をダークシルバーに変更しました。

平均燃費計が追加され、「L」を除く全グレードに標準装備されているキーフリーシステムには運転席リクエストスイッチを追加しました。
特別仕様車
・X"+S"(2010年)
カクシカをワンポイントに施した専用の14インチフルホイールキャップと専用バックドアデガール、さらに、フロントのトップシェイドガラスやルーフアンテナも追加装備しながら、ベース車両の「X」より1万円安く設定した特別仕様車です。

・X"Limited"(2012年)
「X」をベースに、ブラックインテリア、内装メッキ加飾、ドアミラーターンランプ、ウレタンステアリングホイール(ブラック/メッキオーナメント付)、トップシェ イドガラス、照明付バニティミラー(運転席/助手席)とチケットホルダー(運転席)を装備した特別仕様車です。
・スマートセレクションSN(2014年)
「X」とカスタム全グレードをベースに、スマートフォン連携ナビゲーションシステム、スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)、スーパーエアクリーンフィル ターを特別装備しました。

・VS(2014年)
「X」・「カスタムX」をベースに、「X」はカラードエアロリアバンパー(リアリフレクター付)を特別装備するとともに、フロントグリルとフォグランプベゼルにパールホワイトを採用し、リアコンビランプをクリアクリスタル化。
「カスタムX」はフロントグリルにライトスモークメッキを採用し、ステアリングは上級グレードの「カスタムG」や「カスタムRS」と同じ革巻(メッキオーナメント・プレミアムシャインブラックベゼル付)にグレードアップ。
アルミホイールは15インチにサイズアップし、専用デザインに変更した特別仕様車です。

・L"VS II"(2015年)
「L」をベースに、外観には専用シルバーグリル、専用14インチアルミホイール、マルチリフレクターハロゲンフォグランプ(メッキベゼル付)、カラードエアロバンパー(リア)、リアスポイラー、トップシェイドガラス(フロントウィンドウ)を装備し、リアコンビネーションランプ(LEDストップランプ)をクリアクリスタル化しました。
内装はインナードアハンドルとエアコンレジスターノブをメッキ化し、ブラックインテリアパックを標準装備しています。
各グレードについて
・L
ベーシックグレードです。
CD・AM/FM付ステレオを装備していますが、運転席パワーシートは採用しておらず、エアコンはマニュアルです。
・Lリミテッド
エアコンはオートとなり、運転席パワーシートが搭載されています。
・X
L、LリミテッドではオプションとなっていたABS、EBDといった安全装備が標準装備となっているグレードです。
・Xリミテッド
最上級グレードです。ホイールに14インチアルミホイールを採用しています。後に廃止されGとなりました。
・Xスペシャル
ミッションをCVTとしたグレードです。
・G
Xリミテッド廃止後の最上級グレードです。装備はXリミテッドのものと同様です。
・G ナビ
低燃費ドライブを促進するエコ運転支援機能、バックモニターを内蔵したメモリーナビゲーションシステムやマルチリフレクターハロゲンフォグランプなどを標準装備し、快適性、安全性を向上しています。
・カスタムX
・カスタムXリミテッド
コンテのドレスアップ車です。縦型2灯式のディスチャージヘッドランプや、スモークアクリルとメッキモールを組み合わせたコンビネーションフロントグリル、フロントエアロバンパーで迫力あるフロントフェイスとエアロフォルムとなっています。
ブラック基調のインテリアは、シルバーのアクセントカラードラインや、各部に施したメッキパーツ、白色照明の3眼メーター、専用のブラック表皮を採用しています。
・カスタムRS
ドレスアップ車のターボエンジンモデルです。
ムーヴコンテのグレード一覧・カタログ
車選びドットコムのムーヴコンテ(ダイハツ)の自動車カタログはこちら
競合車との比較
軽トールワゴンというカテゴリーのムーヴコンテには多くの競合車がありますが、最もよく比較される車として、スズキのアルトラパンがあります。
ムーヴコンテの特徴である直線的な四角いボディラインとよく似ています。
スズキ・アルトラパン

走行性能については、ムーヴコンテとアルトラパンはまったくの互角です。
ムーヴコンテがアルトラパンに勝っている点としては、室内が広いこと、新車価格がおおむね15万円程度安いことです。
一方、アルトラパンがムーヴコンテに勝っている点としては、燃費性能が若干(2Km/Lほど)高いこと、カラーバリエーションが多いこと、そして予防安全装備として衝突被害軽減ブレーキが搭載されていることです。
各要素でそれほど大きな違いがみられない2つの車種ですが、アルトラパンのほうが10%程度価格が高い要因は、先進的安全装備である衝突被害軽減ブレーキの有無であると考えられます。
2つの車種のうち、どちらにするかを決めるときは、この安全装備の有無をどの程度重視するか否かが大きなポイントとなるでしょう。
万一のことを考えて安全装備を充実させたいならアルトラパン、室内の広さや価格を重視するならムーヴコンテということになろうかと思います。
ダイハツ・ムーヴコンテ | スズキ・アルトラパン | |
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新車価格帯 | 115.7~138.4万円 | 138.9~149.2万円 |
全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1655 | 3395×1475×1525 |
室内長×室内幅×室内高(mm) | 2000×1335×1350 | 2020×1295×1240 |
ボディカラー | 9色 | 12色 |
最高出力 | 38Kw | 38Kw |
最大トルク | 60Nm | 63Nm |
燃費性能 | 25~27.6Km/L | 27.4~29.6Km/L |
予防安全装備 | なし | 衝突被害軽減ブレーキ (レーダーブレーキサポート) |
今後のフルモデルチェンジ予定
2017年に販売終了となりましたので、今後のフルモデルチェンジが行われる予定はありません。
まとめ
ムーヴコンテは、「居心地のよい空間」をコンセプトとし、室内高の高いゆったりとした空間、軽自動車初となる運転席パワーシートの採用、そして素材と縫製に意匠がほどこされたソファなどによりそのコンセプトを体現し、一定の支持を得てダイハツの主力車種「ムーヴ」の一翼を担いましたが、2016年で生産終了・2017年に販売終了しました。
今後は、2016年9月に登場したムーヴキャンパスが実質的なコンテの後継車種となります。
スズキのアルトラパンやワゴンRをはじめ多くの有力な競合がひしめく軽トールワゴン市場ですが、ムーヴコンテがその中で存在感を出すために、マスコットキャラクター「カクカクシカジカ」が起用されました。
このように、特定車種の宣伝のためにキャラクターが設定されることは異例のことです。
ムーヴコンテは生産中止となりましたが、「カクカクシカジカ」はダイハツ全体のマスコットキャラクターに成長しつつあります。
「カクカクシカジカ」が生まれるきっかけとなったクルマとして、ムーヴコンテはダイハツの歴史の中で名前を残すクルマとなるでしょう。